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土鍋といえば四日市萬古焼~知っておきたい簡単調理&基本のお手入れ

四日市萬古焼の土鍋
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四日市萬古焼の土鍋
朝晩の空気がひんやりしてくると、温かい物が恋しくなってきます。
身体が冷えていても心が疲れていても、温かい物によってホッとできちゃうことって多いですよね。

その温かい物の代表格にいるのが「鍋料理」。
最近は一人用鍋や一人用鍋の具材やスープが売られているので、わりと簡単・お手軽に鍋料理を楽しむことが出来るようになりました。
その鍋といえば、やっぱり土鍋。

いろんな材質の鍋がありますが、なかなか土鍋には及びません。
そして土鍋といえば、四日市萬古焼。
今回は土鍋と四日市萬古焼についてご紹介します。

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1.知っておきたい、土鍋の性質

その姿、形、色合い、触感…独特の風情に温もりも感じられる土鍋。

重たい・割れやすい、焦げ付きやすい、手入れが面倒…そんな理由で敬遠されがちだったりもしますが、実は土鍋の性質さえ理解すればお付き合いは簡単なのです。

土鍋は読んで字の如く「土」で作られています。
釉薬は塗ってあるものの、肉眼では確認出来ないぐらいの小さい穴が無数にあります。

そこにいきなり水分を入れてしまうと、その穴からじわりじわりと染み出して来てしまうのです。

そこで土鍋を使う前に必要なのが「目止め」といわれるもの。
ご飯や小麦粉などを煮て、そのでんぷん質で穴や隙間を上手に埋めてしまおうという方法です。

未使用の土鍋やシーズン最初に使う前などに、この「目止め」は必須。
土鍋とのお付き合い前の儀式だと思って下さい。
においや汚れが付くのを防いでくれる効果もありますよ。

また、土鍋をいつまでも使い続けられるよう、いくつか注意点をご紹介します。

  • 濡れたまま火にかけない
  • 熱した土鍋に水を入れるなどして一気に冷やさない
  • 水分が残らないよう、底を上にして乾燥させる

これらは温度差に弱い土鍋が割れないための注意。
また臭いが付きやすいので、鍋の中にいつまでも料理を入れておかないことも大切です。

注意点さえ気を付ければ、意外とかんたんに使いこなせる土鍋。
土鍋を使いこなせるようになると、様々な料理にも使えて便利なのでおすすめですよ。

2.土鍋でご飯を炊こう!

土鍋
はじめに土鍋の長所を知っておきましょう。
土鍋は「熱しにくく冷めにくい」のが特長です。

温まるのに時間がかかりますが、1度温まれば冷めにくく、素材にじっくり火が通ります。
土鍋は素材のうま味を引き出しやすい調理器具といえるでしょう。

また、炊飯に限っていうと電気炊飯器よりも短時間で炊きあがり、光熱費が割安です。
さらに香ばしい「おこげ」ができるのも、直火にかける土鍋ならではの楽しみです。

土鍋は「かまど炊き」と同じ

「はじめチョロチョロ、なかぱっぱ、赤子泣いても蓋とるな」という炊飯のコツを知っていますか?
これは、薪をくべたかまどと鉄製の羽釜を使った炊飯方法。
この、「かまど炊き」を簡単に再現できるのが土鍋です。

「はじめチョロチョロ」は、「沸騰まではゆっくり加熱する」ということ。
温まりにくい土鍋ならゆっくり加熱できますね。

「なかぱっぱ」は、「沸騰した状態を保って一気に炊き上げる」意味。
しっかり熱を蓄えた土鍋は、強火にしなくても沸騰した状態を保てます。

最後の「蓋とるな」は、蒸らし。
全体を均等に、適度な水分で炊き上げるために重要な工程です。
保温性が高い土鍋は余計な水分を逃がしつつ、ふっくら蒸らすことができます。

では、もっと具体的に炊き方を説明します。

土鍋ごはんの時間配分とコツ

  1. 米をとぎ、30分ほど給水させる
  2. 中火にかけ、10分ほどで沸騰させる
  3. 沸騰したら弱火で15分から20分
  4. 火からおろし、10分蒸らす

ポイントは(2)の「沸騰までの時間」です。
10分かけて沸騰させることで、お米のうま味が最大限に引き出されるそう。
熱の伝わり方は土鍋によって違います。手持ちの土鍋が、「どのくらいの火加減なら10分で沸騰するか」を試してください。

よく、美味しく炊けたごはんは「お米が立っている」といわれます。
これは高い熱と圧力が加わることで鍋中に対流が起こり、お米が縦方向になるからです。
高い熱と圧力により、お米は芯がなくふっくら炊き上がります。
保温性があって蓋が重い土鍋は、高温と高圧を保てるため「お米が立った、ふっくらごはん」が炊き上がるのです。

3.土鍋といえば四日市萬古焼


土鍋の国内シェア80%が「四日市萬古焼(よっかいちばんこやき)」

三重県の四日市市の代表的な産業で、1979年に「伝統工芸品」に指定されました。
その始まりは江戸時代。

沼波弄山(ぬなみろうざん)という桑名の商人が、未だ見ぬ海の向こうの世界を想像して作った陶器だと言われています。
それまでの製法や形を重要視するやり方ではなく、自由な発想を大切にした焼き物として生まれました。

四日市萬古焼の特徴は陶土にあります。
ロケットの塗装にも使われるペタライトという熱に強いリチウム鉱石を混ぜて焼くことで強度がアップ。
耐熱性が抜群に優れていて、直火や空焚きなどの熱に対しても高度な耐久性を持っています。

最近ではあまり見かけなくなりつつありますが、夏の風物詩でもある豚の形の容器に入った蚊取り線香。
蚊遣豚というのですが、これも四日市萬古焼の代表的な商品のひとつなのです。

そして四日市萬古焼と同じ三重県で作られる伊賀焼も、土鍋の生産を行っています。
伊賀焼は四日市萬古焼に比べてやや軽いのが特徴で、土鍋の重さが気になる人におすすめです。

4.ごはんだけじゃもったいない!土鍋の応用あれこれ

ビーフシチュー
土鍋を利用しての料理は鍋物だけではありません。
煮物・蒸し物が同時に出来る調理道具として、最近ではこんな物も作られています。

  • シチュー
  • おでん
  • ロールキャベツ
  • 茶碗蒸し
  • プリン
  • パン
  • パエリア

ステンレス製の鍋に比べ分厚く出来ているので、熱の伝わり方に時間はかかりますが、そのぶん一度温まると冷めにくいという性質を持っています。

それを利用してチーズフォンデュなどをするのにも向いています。
但しチーズフォンデュは焦げ付きやすいので、予めオリーブオイル等を塗ることをおススメします。

5.王道の炊き込みご飯&簡単便利な缶詰鍋

また秋から冬にかけては炊き込みご飯もいいですよね。

松茸ご飯、栗ご飯、さつまいもご飯、キノコご飯、牡蠣飯などなど、おこげも大事な楽しみのひとつ。
土鍋ならではの風味も味わえます。
また節約簡単鍋料理なら、缶詰を利用するのもオススメです。

ツナ缶、サバ缶、鮭缶などの缶詰とねぎ、白菜、豆腐があればOK。
全てを土鍋に入れて、あとは料理酒とめんつゆなどで軽く味付けするだけで完成です。

缶詰自体に味が付いているので、そんなに頑張って味付けをする必要がありません。
そのままでも、ポン酢でも胡麻だれでもお好みで。
ちょっとアレンジしたければ、味噌を加えて土手鍋風にするのもいいでしょう。

ツナや鮭ならコンソメスープで煮てチーズをかけてリゾット風なメニューも出来ちゃいます。
缶詰をストックしておくと鍋物にも何かと便利ですよ。

6.土鍋の洗い方

土鍋は急な温度差に弱いため、使い終わったら、しっかり冷ましてから洗ってください。
汚れがひどい、焦げ付きがある場合はお湯を張って暫くしてから洗います。

洗い方は、まず重曹を入れて煮立たせ、洗剤に浸け込みます。
このとき、タワシなどでゴシゴシ洗うのはNG!!

普通の鍋よりはちょっとだけデリケートだと思って扱えばOKです。
特別難しいことはありません。

但し、使い始める時は必ず説明書をチェックすることだけは忘れないようにしましょう。

7.四日市萬古焼の土鍋をもっと身近に

四日市萬古焼の土鍋は使えば使うほど、ツルツルとした風合いになってきます。

茶殻で磨いてあげると更に光沢を増すそうです。
土鍋の出番を冬と決めつけずに、普段からどんどん使うことで、より馴染んで使いやすくなるのではないでしょうか。

そうやって使い込んでいくうちに、オリジナルの土鍋料理が出来上がるかも知れません。

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