仏壇は伝統工芸の宝庫!お彼岸の時期に仏壇について詳しく知ろう

仏壇
秋のお彼岸がある9月。
仏教ではお彼岸に亡くなった魂を供養することで極楽浄土へ行けると考えられ、お墓や仏壇を掃除して仏様を迎えます。
そもそも仏壇はどのようにして家に備えられるようになったのでしょうか。

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【目次】
1.仏壇の歴史
2.仏壇の種類
3.仏壇の産地
4.匠の技が生きた伝統工芸品

1.仏壇の歴史

仏壇の歴史は686年に天武天皇が出した勅令にさかのぼります。
家ごとに仏舎を設け、仏像を置いて供養せよ、といった内容で、貴族が仏様の御堂である厨子(ずし)を屋敷内に設けました。

この厨子は寺院を小さくしたような作りで、最上段の須弥檀(しゅみだん)に仏様をお祀りし周囲には美しい装飾が施されています。
法隆寺に収蔵されている最古の厨子「玉虫厨子」は7世紀に作られたものですが、約2500ものタマムシの羽が使われたということです。

その後室町時代に入ると浄土真宗の信者の間で仏壇が広まりました。
この頃の建築様式である書院造で、床の間に仏具を置いたり、仏画を掛けてお参りする習慣ができあがりました。
さらに江戸時代にはキリシタンを取り締まる政策の一環として庶民は寺院に所属し、半ば義務的に仏壇を飾らされるようになったのです。

2.仏壇の種類

仏壇には主に3種類あります。

金仏壇

その名のとおり白木に金粉や金箔で装飾したもので「塗り仏壇」とも呼ばれます。
各宗派の寺院の本堂が内部に再現されていますが、特に浄土真宗に多く用いられました。
漆塗りや螺鈿細工、彫刻や金具など日本の伝統的な技が駆使された大変豪華な仏壇です。
唐木仏壇

元々は黒檀や紫檀など東南アジア産の銘木で作った仏壇のことですが、ケヤキや桑、屋久杉など国内の高級木材を使用する場合も含み、美しい木目を生かしたデザインになっています。
宗派による違いはなく、材料や加工法もさまざまですが重厚な色調に繊細な彫刻が施されているのが特徴です。
家具調仏壇

現代の生活様式に合わせ、洋室に置いても違和感のない一見家具のようなデザインをしています。
「モダン仏壇」と呼ばれることもあり、従来の仏壇に比べコンパクトで、欄干や障子などの伝統的な装飾がないものも多く、ウォールナットやメープルなど明るい色調の木材が使用されています。

3.仏壇の産地

日本各地に江戸時代から続く生産地がありますが、昭和50年頃当時の通商産業大臣により、15の地域が「伝統的工芸品産地指定」を受けました。

金仏壇の有名な産地 新潟・白根仏壇


出展:青山スクエア
新潟県はほかに長岡仏壇も有名ですが、白根市は県内最大の生産地で、300年以上の歴史を誇ります。
材料は上質な桧や杉、桜などを用い、木地、彫刻、金具、塗箔、蒔絵などの伝統的な技法はもちろん、すべての工程を手作業で行っています。
内部の宮殿(くうでん)は数百年後も再生することができる「平枡型」という独特な技法で作られ、永久に変色しないという漆塗りや蒔絵など技術の高さ、デザインの荘厳さが高く評価されています。

唐木仏壇の有名な産地 徳島県・徳島仏壇

徳島仏壇
出展:徳島県産品まるごとサイト
家具作りの産地で高い木工技術があった徳島では藩政時代から桑や椎、栗など地域の木材を使って仏壇を製造していました。
大正時代に高級な黒檀、紫檀、楡、屋久杉などを用いた唐木仏壇が作られ始め、戦後大阪から技術が伝わったことで一気に飛躍を遂げました。
今では厳選された素材とオリジナル性のあるデザインで全国一の唐木仏壇生産地となっています。

4.匠の技が生きた伝統工芸品

現代では仏壇を置かない家も増えています。
仏様を迎える神聖な場所ということもあり、普段あまりまじまじと仏壇の細部まで見ることはないかも知れません。

しかし仏壇はさまざまな日本の技が融合し、匠の思いが込められた大変見応えのある伝統工芸品です。
仏壇を見る機会が訪れたらぜひ細部にも目を向けてみてくださいね。

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