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茅葺屋根の世界へ~世代を越えて「温もり・懐かしさ・独特の風情」を感じる優しい民家

茅葺き
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茅葺き
昔はちょっと田舎に行けば見ることが出来た茅葺屋根。
最近では滅多に見られなくなりました。

それでも私達日本人が懐かしく感じるふるさとの風景と言えば、豊かな自然に囲まれた茅葺屋根の民家。昔話や歴史、映画やドラマなどでしか見たことのない世代でも、そこは共通した思いがあります。
ここでは、そんな茅葺屋根に関する情報を御紹介していきます。

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1.茅葺屋根って、どんな屋根?

茅葺き

[茅葺(かやぶき)]
カヤで屋根をおおって作ること。また、その屋根や家。

[茅(かや)]
葉が細長くて、屋根をふくのに使う草。例、ススキ・チガヤなど。

(三省堂国語辞典 第六版より)

茅という植物はありませんが、ススキや葦、チガヤなどといったイネ科の多年草で、茅葺に使う植物の総称です。

縄文時代には存在していたとされる茅葺屋根。
弥生時代以前の家屋を復元した竪穴式住居でも、茅葺屋根が使用されています。
この茅葺屋根は日本だけに見られるものではなく、イギリスやドイツを始めとする世界各地で広く見られており、日本独特の文化という訳ではありません。

現在でも、ドイツ、デンマーク、オランダなどの西ヨーロッパ地域では、富裕層の象徴として茅葺屋根の家が建てられることが多くなっているそうです。

茅葺の茅はしっかりと乾燥させてから使うことが重要なポイント。
水分を含んだままの状態だとすぐに腐ってしまうため、茅が枯れる秋の終わり頃に集め、冬の間じっくりと乾燥させます。

昔の民家であれば囲炉裏や竈の煙で燻されることで、防水性・防虫性を含めた耐久性が高められていましたが、屋内で火を使うことのない神社やなどでは、茅葺屋根の耐久性がやや落ちると言われています。

2.茅葺屋根の特徴~そのメリットやデメリットとは?

茅葺屋根の特徴として、屋根の角度が急勾配になっているという点があります。
これは雨水が屋根に溜まり雨漏りをすることを防ぐためで、使用する植物の茎などが太く隙間が出来やすい場合は、更に急な角度の屋根が造られていました。

【茅葺屋根のメリット】

  • 通気性、断熱性、吸音性、保温性に優れている
  • 農村では茅が手に入りやすく、近隣一帯の共同作業で茅葺屋根の葺き替えや補修等が可能
  • 角度が急であるため、屋根に雪が積もりにくい

【茅葺屋根のデメリット】

  • 使用する植物の種類にもよるが、ほかの素材の屋根よりは寿命が短い
  • 台風などの暴風、強風によって吹き飛ばされることがある
  • 火災に対して非常に弱い

この「火に弱い」「延焼しやすい」というデメリットは大きいものがあり、家屋が密集する地域が増え始めた江戸時代以降は、茅葺屋根を禁止する区域も出始めました。

更に戦後、農村の過疎化が進むと、共同作業での葺き替えが必要な茅葺屋根は急速に減少し、民家が新規に茅葺屋根を使うことは殆どなくなったのです。
しかしその独特な風情や趣きを好む人も多く、茅葺に見えるような繊維強化プラスチックなどの素材にも人気が集まっています。

3.世界文化遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」

1995年に世界文化遺産に登録された「白川郷・五箇山の合掌造り集落」。
日本の木造建築文化を代表する合掌造りの民家を見ることが出来る集落です。

屋根はもちろん茅葺屋根になっており、自然豊かな環境と温もりのある民家が並ぶ風景は、まさに日本人が持つ「ふるさと」のイメージのそのものと言えるでしょう。

白川郷の春は雪解けから始まり、つくしやふきのとう、桜の開花で春一色に染まります。
新緑とカッコウの声、青々とした田んぼが広がる夏。
そして秋には合掌造り民家園で紅葉のライトアップが行なわれ、この集落の風情を一層味わい深いものにしてくれています。

雪深い地域でもある白川郷の冬は、まさに一面の雪景色。
合掌造りの民家と雪のコントラストは、まるで昔にタイムスリップしたような印象を受けます。

また春や秋の早朝には、茅葺屋根ならではの現象を見ることが出来ます。
夜中に降った雨や霜の影響で茅葺屋根が湿って冷やされ、朝になって太陽の光に照らされることで温まり、白い湯気のようなものが立ち上ります。
なかなか見られるものではありませんが、茅葺屋根にしか見られない非常に幻想的な景色と言えるでしょう。

白川郷についての詳細は白川町役場公式サイトから御覧下さい。

4.茅葺屋根の民家に映る「心のふるさと」

世代を越えて「温もり・懐かしさ・独特の風情」を感じる茅葺屋根の民家。
そこは日本人なら誰もがホッと出来る「心のふるさと」。
まさに「癒される風景」と言っていいでしょう。

最近では殆ど見ることが出来なくなってきた茅葺屋根ですが、世界文化遺産として大切に受け継がれる地域があることを有難く思います。
豊かな自然と共に残る昔ながらの民家の風景。
大事に守り続けていくべき、貴重な日本文化のひとつと言えるでしょう。


ことりっぷ 飛騨高山・白川郷

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