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折り紙遊びの歴史|折り紙と千代紙の違いも!

折り鶴
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折り紙
だれもが1度は手にしたことがある折り紙。
折り紙は日本独自の歴史をもつ遊びです。

1枚の紙を折りたためば、動物や植物のモチーフが完成。
平面の折り紙が立体作品になるのも面白いですね。

近年では折り紙を数学の幾何学的な側面からとらえた研究もあるそうです。
子どもだけではなく大人も魅了する折り紙の不思議。歴史をひも解きながらその魅力を探りましょう。

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1.折り紙の成り立ち

はじまりは「包む」(奈良~平安時代)

日本の和紙の起源は5~6世紀ごろ。
和紙は記録用のほか、神様への供物を包むために使われました。
当時は高級品だった和紙は神様に捧げるのにふさわしく、和紙の白さに「清浄」のイメージもあったようです。

さらに平安貴族の間で「和紙を使い、贈り物をいかに美しく包むか」ということが流行。
この「包む」行為が折り紙のはじまりだと伝わっています。
また、平安時代には「カエルの折り方」があったそうで、和紙の切れ端を使って遊んでいたと推察できます。

「2種類の折り紙」の発展(鎌倉~室町時代)

折り紙は用途によって「遊戯折り紙」と「儀礼(礼法)折り紙」の2つに分かれます。
遊戯は遊び、儀礼は儀式や贈り物という意味ですね。

まず発展したのは、儀礼折り紙。
鎌倉時代になると武家の間で贈答文化が盛んになりました。その贈り物を包んだり紙を添えたりするのが、儀礼折り紙です。
この風習は、現在でもお歳暮やお祝いの「熨斗(のし)」として残っています。
儀礼折り紙には家元もあり、「伊勢」、「小笠原」、「今川」が有名です。

遊戯折り紙も少しずつ広まり、室町時代には現在と同じような「鶴」や「やっこさん」の折り方がありました。
ただ和紙は高級品だったため、庶民には縁遠い遊びだったといえるでしょう。

折り紙の鶴

和紙の大量生産と西洋の折り紙(江戸時代~現在)

平和な江戸時代になると、各藩は一斉に和紙の生産に力を注ぎました。
和紙の製造技術は向上し、生産量が飛躍的にアップ。
質の高い和紙が安価で手に入るようになると、遊戯折り紙が発達しました。

「世界最古の折り紙文献」である1797年の書物『秘傳千羽鶴折形』には、49種類の鶴の折り方が記されているそうです。
この書物は大人向けに記されていて、当時は子どもだけではなく大人も折り紙で遊んでいたことがうかがえます。
また、ヨーロッパでも19世紀ごろまでに独自の折り紙文化が完成していました。
日本の開国後、ヨーロッパの折り紙と日本の折り紙が融合して、現在の折り紙遊びになりました。

2.伝統の和紙で折り紙を楽しもう

折り紙3
いま出回っている折り紙のほとんどが「単色の洋紙」です。
昔ながらの風合い、手触りを楽しむなら和紙の折り紙がおすすめ。

和紙の折り紙では「越前和紙」が有名。
福井県嶺北地方で作られる越前和紙は、奉書紙や襖紙、日本初の全国統一紙幣の素材にもなった丈夫でしなやかな和紙です。

3.千代紙と折り紙の違い

折り鶴
最近は「折り紙(色紙)」と言われることが一般的になってきましたが、古くはその紙を「千代紙」と呼び、千代紙を折って様々な形のものを作ることを「折り紙」と言いました。

  • 折り紙は洋紙で作られたもの
  • 千代紙は和紙で作られたもの

と分けることもあります。

千代紙は折り紙だけではなく、工芸品の装飾や紙人形の衣装などにも使われてきました。
また武家の女性は、菓子や贈り物を包むことに千代紙を用いていたと言われています。

千代紙の歴史

京で作られたものを京千代紙、江戸で作られたものを江戸千代紙と言います。
千代紙の起源は諸説あるものの、京都で発明されたという説が最も有力とされています。

京千代紙は平安時代から江戸時代中期頃までは公家伝統の有職文様(平安時代以降の公家階級で装束や調度品、輿車などに用いられた文様)が主流でしたが、それ以降は年中行事や風土にちなんだ文様が取り入れられました。

一方の江戸千代紙は浮世絵版画の多色刷りの技術が発達。
歌舞伎十八番や役者紋づくしなどをモチーフにした物も表れ、その種類はなんと1,000を超えると言われています。
京千代紙は「渋さ」を、江戸千代紙は「粋」が特徴だったとのこと。
地域性や文化が良く表れていますよね。

4.折り紙でこんな物まで作れます


一枚の紙から作られる「折り紙」の文化は子どもの頃の遊びに留まらず、教育やリハビリ効果、趣味などに活かされ、国や地域を超えて世界中に広がっています。
鶴、風船、兜、カエルにウサギ。
そして金魚、犬や猫、花、手裏剣からキャラクターものや恐竜まで作れる折り紙。

大人向けのものでは「日本伝統文化シリーズ 飾るおりがみ」というセットも販売されていています。
鶴・だるま・鯛・富士山・亀・お多福などが作れる縁起物シリーズや、連獅子・松王丸・舞扇・佐藤忠信・静御前などの歌舞伎シリーズなど、ちょっと飾って置きたくなるような内容となっています。

5.気になるスポット「おりがみ会館」


より深く折り紙を知るなら、ぜひ東京お茶の水の「おりがみ会館」に足を運んでください。
「おりがみ会館」では折り紙の歴史や種類、さまざまな作品の展示が行なわれています。
職人が和紙を染め上げる作業は必見ですよ。

入場は無料。
折り紙を使ったワークショップも開催されているので、事前に調べて参加しましょう。
折り紙や折り紙グッズを販売するショップも併設。
和紙の折り紙を多く扱い、作品サンプルを見ながら折り紙の種類を選べます。

名称 おりがみ会館
住所 東京都文京区湯島1-7-14
営業時間 午前9時30分から午後6時
定休日 日曜・祝日

6.まとめ

折り紙は海外からの人気や評価も高く、世界中にその愛好者がいると言われています。
素朴でありながらも優美さと繊細さを兼ね備えた、まさに日本らしい伝統文化と言えるでしょう。

また、様々な柄や色で楽しめる折り紙は場所を選ばず、どこでも楽しめるクリエイティブな遊びです。
手元の紙をちょっと折ってみたくなりますね。

箸置きやポチ袋の作り方がわかる、大人向けの折り紙教本もあるそうです。
久しぶりに折り紙にチャレンジしてみませんか。

関連記事:和紙の魅力と種類。日本の和紙産地別の特徴比較と洋紙との違い

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