寅さんと葛飾柴又~今なお心に響く「男はつらいよ」とその縁の地

葛飾柴又の寅さん
寅さんこと渥美清さんが亡くなって今年の夏で早20年。最近では「男はつらいよ」が地上波では放映されなくなってしまいました。
しかし、デジタル放送や動画配信サイトで全作品放送されたこともあり、女性や若者のなかにも新たなファンが生まれています。

[目次]
1.ギネスにも認定された「男はつらいよ」
2.寅さんと映画の魅力とは
3.寅さんの故郷、葛飾区柴又町
4.寅さん縁のスポットを訪ねよう
5.寅さんへ感謝を込めて

1.ギネスにも認定された「男はつらいよ」

「男はつらいよ」は山田洋次監督、渥美清主演の映画シリーズで、もともとはフジテレビが1968年に放送したテレビドラマでした。
主人公の寅さんが亡くなるという設定でドラマが終了すると、あまりに好評だったため苦情が殺到し、映画として復活しました。

1969年から95年まで48作と特別編1作が制作され、全作品がヒット。
その功績は主演俳優が同一の世界最長の映画シリーズとしてギネスブックにも認定されています。

2.寅さんと映画の魅力とは

ここまでヒットした寅さんの魅力とはなんでしょう?
人によって捉え方はさまざまでしょうが、寅さんと周囲の人の正直で、愛情にあふれるつながりは現代からするとうらやましいほどです。

ストーリーはパターン化されていて、寅さんは実家である柴又の叔父夫婦の営む団子屋で、叔父や妹のさくらと喧嘩をしては旅に出ます。
旅先で恋に落ちては失恋し、もしくは誰かの恋を応援し、また柴又に帰ります。そしてしばらくすると再び旅に出るのです。

寅さん自身は風来坊で、わがままな甘えん坊。口も悪く、人とすぐ喧嘩をします。
しかし、正直で無欲で、人一倍情に厚いので、周りの人はいつも許してしまうのです。
寅さんほどに自由に生きられない分、憧れもあるのかも知れません。

お盆やお正月に放映されることが多く、日本の美しい風景に癒されながら、泣いたり、笑ったり、元気をもらったり。
日本はめざましく発展したけれど、代わりにたくさんの大切なものを置き去りしてきました。
多くの日本人はそうした哀愁を感じ、この映画を心の拠り所としていたのではないでしょうか。

3.寅さんの故郷、葛飾区柴又町

「私、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯を浸かい…」という寅さんの口上で始まる「男はつらいよ」。
この映画で柴又は一躍有名になりました。

葛飾区の現在の人口約45万人。柴又には約2万人が暮らしています。
江戸川の西岸に位置し、対岸の千葉県松戸市矢切地区とを船で結ぶのが有名な「矢切の渡し」。
現在でも都内に唯一残る渡し場として運航しています。

京成金町線の柴又駅前を出ると等身大の寅さん像がお出迎え。
旅に出る寅さんが、さくらの方を振り返るシーンがモチーフとなっており、待ち合わせや写真撮影をする人でいつもにぎわっています。

4.寅さん縁のスポットを訪ねよう

葛飾に行ったらぜひ映画でおなじみの地を訪ねてみたいものです。

柴又帝釈天と参道
葛飾柴又帝釈天
柴又帝釈天は柴又7丁目にある日蓮宗のお寺。
1629年に開山され、帝釈天(インドのインドラと呼ばれる軍神)をお祀りしています。
寅さんが浸かったという産湯は境内横の井戸の「ご神水」。
お寺の開山以来枯れたことがなく、飲むことができる湧き水です。

柴又帝釈天題経寺:http://www.taishakuten.or.jp/

駅から帝釈天までの参道にはお団子やさん、お煎餅やさん、お漬物やさんなど昔ながらのお店が並んでいます。
寅さんの実家として実際に撮影されたお食事処「とらや」さんも健在。
暦で「庚申の日」には縁日も開かれるほか、8月には「寅さんまつり」と題した盆踊り大会も開かれます。

寅さん記念館
寅さん記念館
「男はつらいよ」の世界に触れることができる記念館。
「くるまや」のセットのほか、寅さんのトランク、山田洋次監督のメガホンなど撮影中に使用していた品のほか貴重なメイキング映像も見ることができます。
寅さん記念館:http://www.katsushika-kanko.com/tora/

5.寅さんへ感謝を込めて

子どもの頃は「おじさんの見る映画」という印象だった寅さんも、大人になって見るととても愛らしく、人間らしい魅力にあふれていると感じます。
寅さんの台詞に大切なことを教えられたり、励まされることもしばしば。
また、歴代のマドンナたちの清々しい美しさも見どころです。

昭和が遠くなった今だからこそ、心に響く寅さん。名優渥美清さんに心からの合掌を捧げたいと思います。

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