福井県といえば鯖江の眼鏡や恐竜を思い出す方も多いですよね。
食べ物でいえば冬の味覚の王様と呼ばれている越前ガニの産地でもあります。
今回はそんな福井県のお祭りと踊りについてご紹介します。
福井県に伝わる伝統的なお祭り
福井県各地にも様々な伝統的なお祭りがあります。
お水送り
若狭春を告げる神事であるお水送り。
福井県の若狭小浜で行われている、神事の中でも欠かすことのできない大変人気があるお祭りで、一般参加が可能な松明行列に参加できます。
このお水送りは奈良の東大寺で行われている神事「お水取り」とのつながりは切っても切れないもので、若狭小浜と東大寺の繋がりがあることがわかります。
小浜のお水送りは、お水取りの10日前、3月2日に行われます。
東大寺創建の折、大仏開眼の供養に先だって、実忠和尚は天下世界の安寧を祈る行法を行っていました。
その際、行の加護成就を請うために「神名帳」を読み上げて日本国中の神様を呼び、日本中の神様が東大寺にお越しになりましたが、若狭の神様である遠敷明神は、漁が忙しくてすぐには来れず行があと2日で終わるころにようやく東大寺にお越しになりました。
東大寺にお越しになった遠敷明神は、その行を見て大変感動され
「今後はこの素晴らしい行法において、観音様にお供えする閼伽水(あかみず)を若狭から送ろう」
と約束されたそうです。
遠敷明神が神通力を発揮すると、2月堂の麓から白と黒の2羽の鵜が飛び出し、そこから泉が湧き出しました。
この泉が奈良の東大寺にある「若狭井」という名前の井戸でお水を送る約束は一度も破られることなく、約1300年もの間続いています。
このお水を送る約束から始まったのが小浜の「お水送り」で、若狭から送られたお水を汲み上げるのが東大寺の「お水取り」というわけです。
三国祭
福井県指定無形民俗文化財のお祭りで、5月15日かの宮開式から5月21日の後日祭まで執り行われる格式ある神事です。
北陸3大祭りの1つで、山車の屋台に大きな人形が乗る現在の形になったのは約300年ほど前からと伝えられています。
山車の高さは明治中期には10メートル以上もあり、近郷の村々から勇壮な武者人形の頭が見えたともいわれています。
現在の高さは6.5メートルほどに落ち着きましたが、今でも脈々と受け継がれているお祭りです。
お祭りの開催と一緒に、我が家のお宝展というイベントも開催されていて、それぞれのお宅が工夫を凝らして多種多様な品々をおうちの軒先に展示します。
古い街並みの趣も感じながら楽しめるイベントなのでぜひマップをもらっておうちを回ってみてくださいね。
神と紙の郷の春祭り
数百年の伝統があり、県の無形民俗文化財に指定されている紙祖神岡太神社・大瀧神社の例大祭です。
春の祭りとありますが秋にもお祭りがあり、権現山の頂上にある奥の院に祀られた神様を麓の里宮にお迎えし、鷲の郷である五箇地区を巡行して再び上宮にお送りする神事です。
お祭りと一緒に和紙を使ったイベントも行われており、あまり他では見られない和紙の量り売りや和紙の大掘り出し市、和紙ならではの各地区の高校生が披露する、書道パフォーマンスなどを鑑賞することができます。
他にも和紙の紙すき体験や、和紙クラフトの体験コーナーも設置され和紙のすばらしさを伝えるためのイベントに力が入ったお祭りです。
福井県に伝わる伝統的な踊り
他の県都の関りがあるお祭りや、日本の伝統工芸和紙を中心に行われるお祭りなどがあることがわかりましたね。
それでは、福井県に伝わる伝統的な踊りはどのようなものがあるのでしょうか?
やんしき踊り
鯖江が発祥の地とされているやんしき踊り。
かつては様々な種類の踊りがあったとされていますが、現在では「伝助・やんしき・江州・追分け」の踊りを総称して「やんしき」と呼んでいるそうです。
やんしきの起源は伊勢地方の松坂で行われていた「松坂節」、または松坂節が越後地方に伝播してできた「越後松坂」が行商や旅芸人により福井に伝わったものと考えられています。
舟寄踊
8月15日に地区民をあげて踊られる盆踊りです。
舟寄踊りは北陸道の宿場町として栄えた舟寄で泊まった旅人や馬人足、農民たちが一緒に踊りあかしたといわれ、雲助踊りとも言われています。
踊り初めの歌詞に
とあるのは、戦国時代、舟寄に館を構えていた朝倉義景の家臣、黒坂景久が、姉川の合戦に出陣する前夜に、領民が武運長久を祈念して踊ったという言い伝えに添ったものです。
まとめ
お水送りが行われる神宮寺では湧き上がるお水を飲料水として飲んだり、水筒に入れて持ち帰ることもできるそうです。
普段飲んでいるお水と比べてみるのも面白いかもしれませんね。
紹介したほかにも福井県では様々なお祭りが行われているので、チェックして都合が合えば参加してみてくださいね!