夏の夜空を華やかに彩る | 甲州花火の歴史と魅力について

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春の日差しが暖かい季節になりましたが、段々とその日差しも夏へと移行し始め、日中は半袖でも過ごせるくらいの気候になってきました。
夏の楽しみと言えば夏休みに海、プール、お祭りに花火とたくさんありますよね。
今回は伝統工芸に認定された甲州花火の歴史や魅力についてご紹介していきます。

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甲州花火の歴史

花火は夜空を華やかに彩る特別なもので、主にイベントやお祭りのフィナーレを飾るものとして定着していますよね。
そんな花火の中でも伝統工芸として認定されたのが甲州花火です。

甲州花火の歴史

甲州花火の歴史には大きく2つに分かれます。
1つ目は、戦国時代以来の「烽火衆」・「火術」・「砲術」の流れであり、2つ目は遅くとも江戸時代末期までに成立していたと思われる「町衆花火」です。

烽火

「烽火(ほうか)」とは、敵の接近などの緊急事態を知らせるために、山頂や高台で火や煙を焚いて情報を知らせる手法のことです。「烽火衆」は、この烽火を管理・運用する専門の部隊や人々のことで、戦国時代には広範囲にわたる情報伝達手段として重要な役割を果たしていました。

火術

「火術(かじゅつ)」は、火薬や火を利用した戦術や技術のことで、具体的には火矢、火薬を用いた爆発物、火攻めなどの戦い方のことです。
戦国時代には、火術の専門家が軍事戦略の一環として活動し、敵陣への火攻めや城攻めの際に活躍していました。

砲術

「砲術(ほうじゅつ)」は、火縄銃や大筒などの火器を用いた射撃を使った戦い方のことで、日本では鉄砲の伝来以降、各地で砲術が発展し、流派も形成されていきました。
例えば、土浦藩では「關流炮術(せきりゅうほうじゅつ)」という流派があり、大口径の火縄銃を用いた演武が行われていました。
このような砲術は、武士の心身鍛錬の武道としても継承され、現代でも一部の地域で保存・継承されています

町衆花火

江戸時代の町人が主導して発展させた花火文化のことです。
この文化は、庶民の手によって慰霊や鎮魂、疫病退散などの願いを込めて花火を打ち上げる行事として広まりました。
特に、東京の両国川開きなどで行われた花火大会が有名で、これらの行事が甲州街道を通じて山梨県市川三郷町に伝わり、現在の「甲州花火」の1つのルーツとなっています。

この町衆花火は、戦国時代の狼煙(のろし)や砲術といった軍事的な火薬技術とは異なり、庶民の生活や信仰、娯楽と深く結びついた文化です。

このように、町衆花火は人々の手によって育まれた花火文化であり、現在の甲州花火の伝統にもその精神が受け継がれています。
地域の祭りや行事で打ち上げられる花火には、当時の町人たちの想いや願いが込められており、現代においてもその歴史と文化が大切にされています。

甲州花火の起源

甲州花火の起源は江戸時代までさかのぼります。
戦国時代を経て平和が訪れた甲州(現在の山梨県)では、戦に使われていた火薬技術が花火に応用されました。
特に山梨は盆地のため、盆地特有の地形が音の反響に優れており、花火の迫力ある音を楽しむのに最適だったため、花火文化が根付いたと言われています。

甲州花火の特徴とは

伝統工芸として認定された甲州花火ですが、普通の花火とどのような違いがあるのでしょうか?

手筒花火(てづつはなび)

甲州花火と言えば手筒花火と言われるくらい代表的です。
竹筒に火薬を詰めて手で持ちながら打ち上げる花火で、火柱が勢いよく吹き上がる様子は圧巻です。
手筒花火は特に武士の心を象徴するものとされおり、勇敢さと気概を示す伝統があります。

大玉花火

直径30cmを超えるような大玉も多く、夜空に華やかで美しい大輪の花を咲かせるのが特徴です。

音と振動

山梨特有の盆地という地形を活かし、甲州花火の独特な重低音の破裂音が反響して普通花火にはない迫力を生み出します。
この迫力ある花火の音こそ甲州ならではの楽しみ方とも言えます。

手持ち花火はない

甲州花火は基本的には家庭で楽しむ用の小さめの花火は基本的にはないとされており、打ち上げ花火や手筒花火など、大規模で迫力のある花火を中心とした文化です。

しかし、和紙の町であり花火の町でもある市川三郷町の「齊木煙火本店」が手掛けるプレミアム線香花火という国産の花火が登場しました。
線香花火の為夜空に打ちあがる甲州花火のような大きな花火とは違いますが、いつもの手持ち花火とは違うちょっとリッチな花火を楽しむこともできますよ。

 

甲州花火の特徴である手筒花火は人が大きな筒の花火を抱えなければならないため、大量の花火を浴びるリスクがあります。
そういったリスクが武士の心や勇敢さを試される所以です。

私たちが普段夏の夜空に上がる花火は安全性が高いものがほとんどで、エンターテイメント性が高いものが多いです。
しかし、甲州花火には長年受け継がれてきた歴史があり観賞用以上の深い意味が込められている点も大きな違いになります。

甲州花火はどこで見られる?

それでは、甲州花火は主にどこで見られるものなのでしょうか。

神明の花火大会

代表的な花火大会として挙げられるのが、山梨県市川三郷町で毎年8月に開催される神明の花火大会です。
日本三大花火大会のひとつに数えられることもある大規模なイベントで、フィナーレに甲州花火の打ち上げがあります。
観客席からの距離が近いため、迫力満点の花火を体感することができます。
また、全国の花火師による競技花火を披露する場でもあります。

2025年の開催予定は8月7日(火曜日)で雨天決行、荒天時は8日又は9日に順延される予定です。

公式サイト:https://www.town.ichikawamisato.yamanashi.jp/shinmei/

まとめ

甲州花火の魅力についていかがでしたか?
今年も様々な場所で予定されている花火大会。
家族や友達、恋人と夏の夜空を彩る華やかな花火を見にお出かけしてみてはいかがでしょうか?

文化
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