少名毘古那神(すくなびこなのかみ)は日本神話に登場する小さな神様で、名前の「少名(小さな名前)」とあるように体の大きさが特徴的でその大きさは何と親指ほどの小ささであったと言われています。
しかし、その存在はとても大きく、日本の国づくりや人々の生活に欠かせない役割を果たしていたと言われています。
今回はそんな少名毘古那神についてお話していきます。
神話に登場する少名毘古那神
「古事記」や「日本書紀」によると少名毘古那神は大国主神と一緒に国づくりを進めた神様であると言われています。
海の彼方からやってきて、大国主神のよき協力者として国土を整え、人々の暮らしを豊かにする方法を教えたとされています。
その方法とは例えば、医療や薬草の知識、酒造り(発酵技術)、温泉の利用などの知恵を人々に伝え、健康や豊かな暮らしの基盤を作ったと伝えられています。
少名毘古那神のご利益
少名毘古那神は特にいかのようなご利益で信仰されています。
- 医療の神(病気平癒・健康祈願)
- 薬の神(医薬・薬草の知識をもたらした)
- 酒造の神(発酵や醸造の知恵を伝えた)
- 温泉の神(温泉の効能を教えた)
このように、医療や酒造に縁のある神社、また温泉地に祀られていることが多いのも特徴です。
少名毘古那神を祀る神社
- 少彦名神社(大阪市中央区)
- 大神神社(奈良県桜井市)
- 大洗磯前神社(茨城県大洗町)
- 湯泉神社(兵庫県有馬温泉)
1.少彦名神社
通称「神農さん」と呼ばれ、薬の神として有名です。
江戸時代、大阪でコレラが流行した際に「虎頭殺鬼雄黄圓(ことうさっきおうこうえん)」という薬を授与したことから、庶民に厚く信仰されるようになりました。
毎年11月22日・23日の神農祭は特ににぎわい、健康祈願や薬業関係者の参拝で賑わいます。
2.大神神社
日本最古の神社の1つで、主催芯は大物主神(大国主神)ですが、その国造りの協力者として少名毘古那神も祀られています。
境内の「狭井神社(さいじんじゃ)」は薬の神として信仰され、万病平癒の薬水が有名です。
3.大洗磯前神社
創建は856年とされ、少名毘古那神と大国主神が「海から現れた」と伝わる神社です。
海岸の大岩に建つ「神磯の鳥居」が有名で、日の出スポットとしても人気です。
国造り・医療・豊漁等幅広いご利益があるとされています。
4.湯泉神社
日本三古湯の1つ、有馬温泉の守護神です。
有馬温泉を発見したのは大国主神と少名毘古那神とされ、少名毘古那神は温泉の神として厚く信仰されています。
健康祈願や温泉の効能と結びついた信仰が続いています。
この他にも、新潟県の白山神社や草津温泉、道後温泉などでも少名毘古那神にちなむ伝承があると言われています。
まとめ
少名毘古那神は薬や医療、温泉など私たちの地域の文化や暮らしに密接につながっていて、更に今も身近な神様として信仰の対象になっていることがわかりますね。
もしご旅行などで行く機会があったら是非、立ち寄ってみてくださいね。