福島県といえばおいしい梨や桃、そのほかにも伝統工芸品として会津漆器などが有名ですね。
そんな福島県ですが、お祭りや踊りも古くから受け継がれてきたものが多く大々的に行われているのをご存じでしょうか。
今回は福島県の伝統的なお祭りと踊りについて紹介します。
福島県に伝わる伝統的なお祭り
福島県には古くから伝わるお祭りが複数存在しています。
それでは、どのようなお祭りがあるのでしょうか。
福島わらじ祭り
観光スポットとしても有名な信夫山(しのぶやま)は、熊野、羽黒、羽山の三山からなり、羽黒、月山、湯殿の三神社がまつられており、古来から信仰の山とされ【御山(おやま)】と呼ばれてきました。
その信夫山にある羽黒神社の大わらじは日本一とされ、健脚を願って毎年2月の暁参りにて奉納されます。
奉納する大わらじは全長12メートルあり、重さは約2トン。
この大きなわらじを約100人の人が集まって福島市内を練り歩き最終的に羽黒神社へ奉納します。
この暁参りは江戸時代から始まり、400年にわたり脈々と受け継がれてきたお祭りで、日本一の大わらじの伝統を守り、東北の短い夏を楽しむためのお祭りとして毎年8月に行われています。
金沢羽山ごもり
五穀の吉凶や1年間の気象、災難を占う神事です。
3日間行われる神聖なお祭りで、1日目の夜に田遊びの儀式【ヨイサー】を行い、2日目に餅つき、3日目に信仰の山の【羽山】に上ってかがり火の明かりのもと、神の信託をいただきます。
国指定重要無形民俗文化財に指定されており、伝説に基づいて行われている神事です。
地区の名称「金沢」は「蟹のいる沢=蟹沢」に由来しています。
大きな蟹や蛇が農作物を荒らし、家畜や人々に危害を加えるため神社にこもり神の信託を得てようやく退治できたという伝説に基づいています。
臨む人々の信仰は大変厚く、厳しく潔斎した上でないと結界の中に入ることも許されまず、厳格な決まりに沿って神事が進んでいきます。
飯坂八幡神社例大祭 飯坂けんかまつり
文字通りけんかのように激しく神輿をぶつけ合うお祭りです。
しかし、メインは五穀豊穣の神に感謝する氏子の平安を祈願する神社の年中祭事の中で最も重要な式典でもあります。
このお祭りに参加する関係者は紋服に威儀を正して参列します。
それでは、このような重要なお祭りでなぜ神輿をぶつけ合う文化が生まれたのでしょうか。
実は、このけんか祭りは3日行われ、神輿をぶつけ合うのは2日目の夜。
神社に神輿が納まってしまえば祭りは終わりという寂しさからそれを防ごうとする2つの屋台がぶつかったことが起源です。
3日目には後鎮祭が行われ、祭りが無事終了したことを神々に奉告し、安寧を祈ります。
福島県に伝わる伝統的な踊り
福島の伝統工芸である大わらじや激しく神輿をぶつけ合うお祭りなど個性的なお祭りがあることがわかりましたね。
それでは伝統的な踊りについてはどのようなものがあるのでしょうか?
津島の田植え踊り
福島県の重要無形民俗文化財に指定されており、五穀豊穣を願う、古くから浪江町津島地区に伝えられている芸能です。
旧暦の14.15.17日に行われていましたが、現在は太陽暦の同じ日に行われます。
14日に各集落の氏神である八幡神社・稲荷神社・山津見神社に奉納され、その日から翌日にかけて川下から川上のほうに集落内の招待を受けたそれぞれの家の周りを踊っていきます。
招待の数が多く、15日に踊り切れない場合は16日には絶対に踊らず17日に踊るという決まりがあります。
南須釜念仏踊り
県重要無形文化財に指定されている踊りです。
亡くなった親族の御霊を供養するために踊られる念仏踊りで、毎年春の4月3日と夏の8月14日に新盆の家をめぐり踊られる念仏踊りです。
その舞台となるのが南須釜の東福寺の境内には「寛延元辰(一七四八)九月吉日念仏供養結衆敬 白」という念仏供養塔があり、当初は 15,6歳の男女によって踊られていたとされています。
大正4年に一度は中断された踊りですが、昭和27年に途絶えていた踊りを再度復活させました。
現在は念仏踊りをするのは7~12歳までの少女で構成されており、南須釜念仏踊保存会によって踊りの指導や管理運営が行われています。
まとめ
福島県の踊りやお祭りについて紹介しました。
東日本大震災の復興が続く福島県。
お祭りや踊りに参加するのも立派な復興支援になりますので、家族や友人と福島へお出かけの際は是非、歴史や伝統をチェックしてから参加してみてくださいね。