いまや世界中から愛されている日本文化のひとつ「歌舞伎」。
その華やかさ、奥の深さは素晴らしく、まさに日本文化の誇りといえるでしょう。
しかし日本人でも、本物を観たことがあるという人は意外と少なく、実にもったいない話です。
最近では現代風にアレンジされている歌舞伎もあり、思ったほど敷居は高くありません。
ぜひこの機会に、本物の歌舞伎の舞台を観に行ってみませんか?
歌舞伎の歴史~出雲の阿国(おくに)~
歌舞伎の歴史は今から約400年前、江戸時代初めまでさかのぼります。
『当代記』という史料のなかで、「出雲の巫女を名乗る「国」という女性が京に上り、変わった風体の男の扮装をして踊った」という意味の記述が残っています。
この国という女性こそ歴史の教科書などで登場する「出雲の阿国(おくに)」です。
当時、奇抜な服装をし、世間の秩序に反して行動する人々は「かぶき者」とよばれていました。
お国はこのかぶき者の扮装をまねた男姿をし、茶屋で遊ぶ様子などを演じます。
それが「かぶき踊り」として人々の人気を得ました。
この出雲の阿国の「かぶき踊り」から、現在の歌舞伎の歴史が始まったとされています。
さぁ、歌舞伎を観に行こう!
歌舞伎を1年中観られる場所が、東京東銀座にある「歌舞伎座」です。
2013年に建て直されたばかりの歌舞伎専用舞台がある複合施設で、ショッピングができたり食事ができたり、と様々な角度から歌舞伎が楽しめるようになっています。
歌舞伎を鑑賞するのはちょっと敷居が高い…と感じる方も多いようですが、歌舞伎の良さをより多くの人に知ってもらいたい、と、初心者でも気軽に歌舞伎を楽しめる様々な工夫がこらされています。
その中から、特におススメの歌舞伎入門方法をご紹介します。
リーズナブルに楽しめる「一幕見席」を利用しよう!
歌舞伎デビューにおススメなのが一幕見席。その名のとおり、1幕だけ楽しめる席です。
通常、歌舞伎の公演は休憩を挟みながら1公演で3~4幕ありますが、1幕だけでも十分楽しめます。
一幕見席は当日券のみの販売となり予約などはできませんが、自分の好きな時間に好きな演目を選んで入場することができます。
値段は演目によって変わりますが、大体1,500円前後というお安さ。歌舞伎の雰囲気を味わうにはもってこいです。
イヤホンガイドで歌舞伎博士に。
歌舞伎のセリフは江戸時代そのもの。そこが歌舞伎の良さでもあるのですが、内容がわかりにくいと感じる方もいるかもしれません。
そんな方のために、歌舞伎座の入り口でイヤホンガイドを借りることができます。
休憩時間に俳優インタビューやクイズなどが流れることもあり、飽きさせない内容となっています。
「歌舞伎鑑賞教室」に行く!
東京・国立劇場で定期的に開催されている「歌舞伎鑑賞教室」では、わかりやすい歌舞伎観劇の手引きが無料配布され、初心者に優しい公演となっています。
まずは、この教室に参加するのも良いかもしれません。
スーパー歌舞伎を観る
時代とともに変わってきた歌舞伎ですが、今も日々進化しています。最近ではスーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)が話題になったように、歌舞伎の演じ手も、より新しい歌舞伎を生み出そうと模索しています。
古典歌舞伎も良いですが、新しい歌舞伎もなかなか素晴らしいものです。
歌舞伎の入門編として、まずは今の時代にアレンジされた歌舞伎を楽しんでみてはいかがでしょう?
シネマ歌舞伎を楽しむ
シネマ歌舞伎は、HD高性能カメラで撮影された歌舞伎の舞台公演を映画館で上映するものです。
歌舞伎座がある東京やその他公演がある京都や大阪以外の
方々でも、近くの映画館で、生の舞台に相当する臨場感で歌舞伎を楽しむことができます。歌舞伎を観に行きたいけど遠くて行けないという方におススメ!
歌舞伎を一番良い席で楽しむ!
歌舞伎座で最上の席となると、それなりに高価で気軽に…とはいきませんが、あえて最初だからこそ、一番良い席で歌舞伎を味わうことを提案します。
間近で見る歌舞伎の臨場感は素晴らしいものがあります。
まとめ
いかがでしたか?
遠く海外から何時間もかけて歌舞伎を観にくる外国人観光客もいるんですもの。
日本人として一度は観ておきたいですね。
一度観たら、きっと「もっと観てみたい!」になるはず。
素晴らしい日本文化をどうぞお楽しみください。