天照大神を祭る有名な伊勢神宮。
天皇陛下が訪れる様子がテレビでもよく放送されますよね。
みなさんは伊勢神宮で様々なイベントが行われていることをご存じでしょうか。
今回は10月に行われる神嘗祭(かんなめさい)についてご紹介します。
神嘗祭ってなに?
神嘗祭とは、天皇が国家と国民の繁栄と穏やかで平和な社会を守るために行われる宮中行事の一つで、年間1500回にも及ぶ神宮恒例のお祭りの中でも最も重要なお祭りとされています。
天皇が皇居内で自ら作られ、収穫した「初穂」を天照大神に捧げ、その恵みに感謝する大切な行事です。
神嘗祭は721年から始まり、明治の改暦以前は9月に行われていましたが現在は10月17日に実施されています。
神嘗祭すべての日程を含めると15日から始まり、17日まで行われる大変大きなお祭りごとで、外宮先祭といって、まず内宮に先だって外宮で祭儀が行われる習わしがあります。
そのため、まず最初に15日の興玉神祭(おきたまのかみさい)、から始まり御卜(みうら)が行われます。
御卜とは、祭り主以下の神職が神嘗祭の奉仕に適うかどうかお伺いをする儀式のことです。
16日には皇大神宮にて由貴夕大御饌(ゆきのゆうべのおおみけ)、17日には由貴朝大御饌(ゆきのあしたのおおみけ)が行われます。
由貴夕大御饌と由貴朝大御饌は清浄で立派な食事という意味があり、海川山野のお供え物を取りそろえ、神田神宮で収穫された新米を玄米のまま蒸して、土器に盛り、お餅をついて、白酒黒酒のお酒を醸してお供えします。
もっと簡単に言うと神様のお食事時間帯のことで、由貴夕大御饌が夜ごはん、由貴朝大御饌が朝ごはんになりますね。
17日の正午からは天皇から遣わされた勅使(ちょくし)が幣帛(へいはく)をご奉納になる奉幣が行われます。
幣帛は神饌と呼ばれる塩やお米以外の食べ物のことです。
同日の夕刻には御神楽が行われ、神嘗祭が終了します。
このように、お米を主食にする日本人にとって神嘗祭は非常に重要なお祭りであることがわかります。
神嘗祭の始まりとは
神嘗祭の始まりは諸説あります。
皇女倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大神を探すため、日本各地を旅していた時に真名鶴が落とした稲穂を落とした三重県多気郡明和町に生えていた1株から800の穂が出る稲をお供えしたのが起源といわれています。
ほかにも、天孫瓊瓊杵尊(てんそんににぎのみこと)が皇祖天照大神から稲穂を授かり、地上に降って稲作を始めたとされる神話もあります。
このように、稲穂に関する由来が諸説あり私たちにとって欠かせない食文化に深く関わっていることがわかります。
神嘗祭に行ってみよう!
そんな日本の大切な行事である神嘗祭は、一般の方でも見学が可能です。
見学時間は午前5時~17時まで。
夜間に行われる大御饌や御神楽の見学はできません。
あくまでも参拝者のためのお祭りではなく神様のためのお祭りになるので、お祭りの邪魔にならないように配慮することが大切です。
2024年度(令和6年度) 神嘗祭 スケジュール
外宮【豊受大神宮】
- 10月15日午後22時 由貴夕大御饌
- 10月15日午前2時 由貴朝大御饌
- 10月16日正午 奉幣
- 10月16日午後18時 御神楽
内宮【皇大神宮】
- 10月16日午後22時 由貴夕大御饌
- 10月17日午後2時 由貴朝大御饌
- 10月17日正午 奉幣
- 10月17日午後18時 御神楽
※両日ともに1.2.4の午後からの部については参拝停止期間となるため、参拝、見学共にできません。
まとめ
神嘗祭についていかがでしたか?
神嘗祭が行われている期間中は伊勢神宮の周りでも多くの屋台が出たり、お祭りムード一色になり大変にぎわいます。
周辺道路の混雑も見込まれるので、お出かけの際は十分注意して楽しんでくださいね。