「風呂敷」と聞くと、何を想像するでしょうか。
- 贈り物を包む
- お弁当や重箱を包む
- 日本酒などを贈ったり持ち運ぶために使う
- 和服を中心とした衣類を包む
それとも風呂敷と言えば、「泥棒が盗んだものを背負う唐草模様のアレでしょう!」という人もいるかも知れません。
包装紙や紙袋などを利用するのが当たり前になった現代では、風呂敷にお目にかかる機会も少なくなりましたが、エコバッグやエコ包装が推奨されるようになった近年、再び注目が集まっています。
そんな風呂敷の世界をのぞいてみましょう。
風呂敷の由来
風呂敷の起源ははっきり分かっていないものの、正倉院の所蔵物に風呂敷らしき物があると言われています。
奈良時代に舞楽の衣装を包んでいた物が残っており、平安時代には「平裏」「平包」などと呼ばれていました。
「風呂敷」という名称になった理由は諸説ありますが、
- 風呂に入る際に平包を広げ、その上で更衣し衣類を包んだ
- 風呂から出る時の足拭きにした
- 茶の湯の「風炉」に由来
風呂にまつわる説は江戸時代になっても継承されていて、庶民が銭湯に行き出すようになると、衣類や入浴道具を包む物としても重宝されました。
このように風呂敷は「敷く」物から「包む」物へと変化してきたのです。
ちなみに泥棒が背負う風呂敷の柄の定番とされる唐草模様。
悪いイメージになってしまいがちですが、この唐草模様が生まれたのは古代エジプト。
シルクロードを経て日本に入ってきました。
江戸時代に風呂敷の柄として定着し、明治から昭和にかけて大量生産されました。
唐草は「四方八方に伸びて限りがない」ということから、子孫繁栄や延命長寿として縁起が良いものとされ、非常に人気の高い柄だったと言われています。
風呂敷の生地や柄にも御注目!
風呂敷の生地も様々で、最近では上の商品のような超撥水加工が施された「濡れない風呂敷」まで誕生しています。
ちなみに濡れない風呂敷はBECOSオンラインショップで販売中です。
また、風呂敷に使われる生地としては、下記の素材が代表的です。
- 上質感がある縮緬
- 日常使いとして好まれるレーヨン
- 丈夫でシワになりにくく家庭で洗濯可能なポリエステル
- 薄くて軽く小さく折り畳めるナイロン
- 使うたびに柔らかくなり肌に馴染んでくる綿
またペットボトルのリサイクルで作られた糸を使った「再生繊維」の風呂敷もあります。
そして、風呂敷の柄にも是非注目してみて下さい。
広げた時の美しさだけでなく、物を包んだ時の柄の出方まで考えられて構成されています。
平面だけではなく立体的な視点も同時に考慮し、繊細な柄から大胆なものまで日本人の感性や伝統美が表現されていると言っていいでしょう。
サイズや包み方も用途に合わせて
風呂敷にはサイズがあります。お弁当やティッシュ、金封などを包む一番小さいサイズを「中幅(約45cm)」と言い、布団2組を包んだりダブルベッドの上掛けとしても使える一番大きなサイズを「七幅(238cm)」と呼びます。
全部で10サイズほどあるので、菓子を包むだけではなく、のれんやテーブルクロス、こたつの上掛けなど用途も多様です。
また包み方、結び方もいろいろあります。
代表的なのは「平包み」「お使い包み」ですが、「合わせ包み」「ふたつ結び」、「リボン包み」や「すいか包み」「巻き包み」など、様々な物の形やシチュエーションに合わせた方法があるのです。
包み方や結び方のコツは、宮井株式会社さんのHPを御覧下さい。
風呂敷について詳しくなりたい人におススメのサイトです。
風呂敷をおしゃれに使いこなしてみませんか
スーパーではレジ袋を使わないことが当たり前になり、デパートでも簡易包装が推奨される時代。
慣れてしまえば面倒でも難しくもなく、いつの間にか環境に配慮した生活がしっかり根付いてきたことを感じます。
レジ袋や紙袋が登場した頃には、その存在が小さくなりかけた風呂敷ですが、「使い捨て」を改めようという現代で再び注目され始めています。
色や柄も多種多様で、手入れのしやすい生地もあることから、男女関係なく幅広い世代に人気があります。
様々な物を包む技を身に付けて、ちょっと小粋でおしゃれな風呂敷ライフを楽しんでみませんか?