埼玉県生まれ
2008年 ビアマグランカイ7入選
石川の現代工芸展 NHK金沢局長賞受賞
金沢 わん碗大賞 入選
石川県立九谷焼技術研修所 パーマネントコレクション受賞
石川県立九谷焼技術研修所 本科 卒業
2009年 石川の現代工芸展 入選 二点
石川県立九谷焼技術研修所 研究科 卒業
2011年 武田朋己 陶展 「卵かけご飯のススメ!」
石川県立九谷焼技術研修所 干支皿コンペ 「辰」受賞
2013年 石川県立九谷焼技術研修所 干支皿コンペ 「午」受賞
2014年 金沢にて独立
現在 金沢市内の小さな工房にて、制作に励んでいます。
全国の百貨店、雑貨店等の、企画展に参加
取扱店 金沢市 東山茶屋街 「玉匣」
金沢市 東山茶屋街 「ギャラリーH」
金沢市「ワクナミトネリコ」
山形県天童市「陶美苑」
豆皿1000にて、ネット販売
九谷焼は石川県の金沢市以南の地域で生産される、白い磁肌の上に絢爛豪華な絵付けを施した磁器です。
小松市で生産されている花坂陶石から磁器製の素地を作り、その上に呉須という黒い絵の具で線描きし、更にガラス質の絵の具を盛り、焼成して仕上げます。
透明な色絵の具の奥に、筆の勢いの残る線描きが見える点が特色です。
起源は17世紀半ばで、この時代の九谷焼を古九谷と呼び、19世紀初頭から吉田屋、飯田屋、木米、永楽、庄三等、様々な様式が生まれました。
今現在、色絵と呼ばれるものです。
九谷焼といえば、という代表的な技法で、テレビのお宝鑑定団などでよく取りあげられるのもこちらです。
ところが実際には、九谷には赤絵・金彩・銀彩・青粒・花詰め・青九谷などの、様々な加飾技法があります。
そして、それらは、少しずつ形を変えつつ、今も、その技は、しっかりと受け継がれています。
自分にしか出来ない仕事、一生通してできる仕事に就きたいという思いはずっと持っていました。
また、人が喜んだり笑顔になってくれるのが嬉しくて、そんなことが仕事にできたらいいなぁと漠然と考えていました。
何かを作り上げる事はもともと好きだったのだと思います。
そんな思いを持ちながらも、普通の短大を卒業後はまず出版社を目指しましたが、撃沈。
いずれはフリーでもできる仕事がしたくて、この時にはフリーといえば編集者しか思い浮かんでいませんでした。もともと、文章を書くのも好きだったので。
結局、条件の良かったビール会社に就職しました。
そこで働きながらお金を貯めつつ、将来の模索は続けていました。
そんなとき、たまたま観た映画「ゴースト」の轆轤(ろくろ)のシーンに”これだ!”と思い、陶芸教室に通い始めました。
そこでどんどんのめり込んで、陶芸を仕事にしたいと考えるようになりました。
ただ、どうしたら良いのか分からずに、時間ばかりが過ぎていきます。
「本当に食べて行けるのか?」
これから収入の定まらない職に就くという不安が大きかったのも、踏み出せなかった理由のひとつでした。
まずは今出来る事として、とにかくお金を貯めました。
そうこうしている間に、結婚、出産となり、自分の夢どころではなくなってしまいました。
しかし決して諦めず、いつかは陶芸の道に進むのだということは思い続けていました。
全国の窯業学校は頭に入れたし、できる範囲で陶芸教室にも通い続けました。
その、いつかを忘れないために。
転機は35歳の時に訪れました。
転勤で石川県へ行くことになったのです。
すぐさま九谷焼技術研修所を受験し、合格。
三年間研修所で学び、基礎を身につけました。
就職も考えましたが、この時求人は全く無く、窯元や問屋、作家の方に連絡をしては断られるの繰り返しでした。
結果、轆轤師下働きのバイトをしつつ、なし崩し的に独立します。
とにかく最初の3年間は、がむしゃらになんでもやってきました。
どんな割に合わない仕事も断らないと決めてやりました。
腕は後からついてくる!と信じて突き進みましたが、そんなスグについてこないので、悔し涙の日も多かったです。
しかし、やるしか無かったのでとにかく突き進みました。
また、個人作家であると同時に、経営者でもあるのだということも知りました。
実際、騙されてしまう事も何度もありました。
「継続は力なり」
職人、そして作家もそうですが、売れていないとほんとに食べていくのは大変です。
ひどいことを言われたり、心が折れることもたくさんあるし、自分の不甲斐なさに嫌になる日もあります。
ただ、それでも諦めず、真摯に自分と向き合い、自分を信じて進んで行くということが大事だと思います。
一生勉強だと思うし、自分の仕事に満足する日はくるのだろうか?とさえ、思います。
凄く辛いように思うかもしれませんが、やっぱりこの仕事が好きだから出来るのだと思います。
仕事が不定期なので、その都度予定を組んでいます。
朝は9時から仕事をして、夜7時には終わるように頑張っています。
しかし締切前だと徹夜もありますし、布団に暫く寝てないなぁーなんてこともあります。
◯辛い点
収入が不安定。一寸先は闇と思い、次の展開や仕掛け方を考えながら進めています。
◯良かった点
好きなことを仕事にしているので、とても楽しいです。
また、仕事を通じて知らない人とも繋がることができ、自分の作品で喜んでくれたり、大切に使ってくれているのを見ると、次の仕事への糧になります。
SNS(インスタグラム、フェイスブック)は苦手ですが、仕事と思って頑張って発信するようにしています。
ただ、SNSをやっているとお客様からのコメントや、使っている様子なども見ることが出来るので嬉しいです。
九谷の色絵具は、世界的に見ても充分通用するものだと思っています。
九谷焼の技法、技術を元に、より自分らしく新しい表現をしていきたいと思っています。
最初は、ん?!と思っても、だんだんクセになって集めたくなるものを作れるようになりたいです。
いわゆる職人の姿、作家の姿、というのがあるけれど、これからは色々な形があって良いのではないでしょうか。
新しい形の職人や作家が生まれていくと思うので、あまり構えすぎず、自分なりのスタイルで、出来るところからやってみたらいいと思います。
「好きこそものの上手なれ」というのは本当だと思います!
その他の職人インタビュー