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でんでんむしのかなしみの全文と解説|皇后美智子さまとのご関係も|新美南吉の児童文学

原稿用紙の画像|四季の美
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日本国憲法下では初めての譲位によって新しい元号も「令和」に決まり、今再び天皇への注目が集まっています。
江戸時代の光格天皇以来200年ぶりという事もあり、テレビや書籍でも連日天皇皇后両陛下や皇室が特集されています。

その中でも今回は、皇后美智子さまと縁の深い「でんでんむしのかなしみ」という作品についてご紹介します。

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でんでんむしのかなしみと皇后美智子さま

「でんでんむしのかなしみ」は作家新美南吉による児童文学作品です。
創作童話として1935年(昭和10年)に発表されて以降、広く親しまれてきました。

この作品に注目が集まったのは1998年。
皇后美智子さまがインドのニューデリーで行われた国際児童図書評議会の基調講演でこの「でんでんむしのかなしみ」について触れたのです。

【基調講演抜粋 橋をかけるー子供時代の思い出ー】

まだ小さな子供であった時に、一匹のでんでん虫の話を聞かせてもらったことがありました。
不確かな記憶ですので、今、恐らくはそのお話の元はこれではないかと思われる、新美南吉の「でんでん虫のかなしみ」にそってお話いたします。

そのでんでん虫は、ある日突然、自分の背中の殻に、悲しみが一杯つまっていることに気付き、友達を訪ね、もう生きていけないのではないか、と自分の背負っている不幸を話します。
友達のでんでん虫は、それはあなただけではない、私の背中の殻にも、悲しみは一杯つまっている、と答えます。
小さなでんでん虫は、別の友達、又別の友達と訪ねて行き、同じことを話すのですが、どの友達からも返ってくる答えは同じでした。

そして、でんでん虫はやっと、悲しみは誰でも持っているのだ、ということに気付きます。
自分だけではないのだ。私は、私の悲しみをこらえていかなければならない。
この話は、このでんでん虫がもう嘆くのをやめたところで終わっています。

あの頃、私は幾つくらいだったのでしょう。
母や、母の父である祖父、叔父や叔母たちが本を読んだりお話をしてくれたのは、私が小学校の二年くらいまででしたから、四歳から七歳くらまでの間であったと思います。

その頃、私はまだ大きな悲しみというものを知りませんでした。だからでしょう。
最後になげくのをやめた、と知った時、簡単に「ああよかった」と思いました。
それだけのことで、特にこの事につき、じっと思いをめぐらせたということでもなかったのです。

しかし、この話は、その後何度となく、思いがけない時に私の記憶に蘇って来ました。
殻一杯になる程の悲しみということと、ある日突然そのことに気付き、もう生きていけないと思ったでんでん虫の不安とが、私の記憶に刻みこまれていたのでしょう。

少し大きくなると、はじめて聞いた時のように、「ああよかった」だけでは済まされなくなりました。
生きていくということは、楽なことではないのだという、何とはない不安を感じることもありました。
それでも、私はこの話が決して嫌いではありませんでした。

初の民間出身の皇太子妃、そして皇后となった美智子様。
大変な重圧を背負いながら皇室と国民への献身を続けてこられた美智子様を支えたものの一つに、この「でんでん虫のかなしみ」があったのです。

でんでんむしのかなしみ全文

この章では、新美南吉「でんでんむしのかなしみ」の全文をご紹介します。
全文の朗読動画については四季の美Youtubeチャンネルをご覧下さい。

一匹のでんでん虫がありました。
ある日、そのでんでん虫は、大変なことに気がつきました。
「わたしは今までうっかりしていたけれど、わたしの背中の殻の中には悲しみがいっぱい詰まっているではないか」この悲しみはどうしたらよいのでしょう。

でんでん虫は、お友達のでんでん虫の所にやって行きました。
「わたしはもう、生きてはいられません」と、そのでんでん虫はお友達に言いました。 
「何ですか」とお友達のでんでん虫は聞きました。
「わたしは何と言う不幸せなものでしょう。わたしの背中の殻の中には、悲しみがいっぱい詰まっているのです」と、はじめのでんでん虫が話しました。

すると、お友達のでんでん虫は言いました。「あなたばかりではありません。わたしの背中にも悲しみはいっぱいです」

それじゃ仕方ないと思って、はじめのでんでん虫は、別のお友達の所へ行きました。
するとそのお友達も言いました。「あなたばかりじゃありません。わたしの背中にも悲しみはいっぱいです」

そこで、はじめのでんでん虫は、また別のお友達の所へ行きました。
こうして、お友達を順々に訪ねて行きましたが、どのお友達も、同じことを言うのでありました。
とうとう、はじめのでんでん虫は気がつきました。
「悲しみは、誰でも持っているのだ。わたしばかりではないのだ。わたしは、わたしの悲しみをこらえて行かなきゃならない」そして、このでんでん虫はもう、嘆(なげ)くのをやめたのであります。

まとめ

いかがでしょうか。
今回は皇后美智子さまとも縁の深い、新美南吉の「でんでんむしのかなしみ」についてご紹介しました。
ご参考になれば幸いです。

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