鍛冶職人/藤田将尋さん
神奈川県出身
東京農大を卒業後、一旦は就職したものの、「鍛冶職人になりたい」という夢が諦められず、鍛冶屋創生塾へ応募し高知へ移住。
卒業後は県内の鍛冶屋㈲忠義鍛造に就職し、現在も修行継続中。
父親の影響で手に職をつけたいと思いつつ、父親とは違う分野の工芸品等を扱いたいと色々調べていく中で、鍛冶屋に触れる機会があり、熱された鉄を叩くことで生き物のように形を変えていく様子に驚き、火を扱う仕事として鍛冶屋をしてみたいと思えました。
鍛冶屋の後継者募集がないか探していた所タイミングよく「鍛冶屋創生塾」のチラシをインターネットで見つけ、飛び込みました。
面接を経て合格を頂き、高知へ移住後、入塾したことで、土佐打刃物の職人の道が開きました。
多くの鍛冶屋さんと交流を持てたお陰で、様々な製造の仕方、工夫、重視する点など知ることができ、考え方に幅が広がるようになったことです。
同時に同期との交流があったことで、一人で悶々と悩まずに済みました。
地元から遠く離れていたので、一人ぼっちではないというところが、心強くもありました。
補助金があることで、生活は厳しいですが、研修に集中することができ、鍛冶屋の作業を覚える日々がとても有意義でした。
自分たちが一期生だったので、講師をして頂ける方も教えること自体慣れてないことや試験的な日程の組み方になり、仕事を覚えることに必死で、焦ることが多かったです。
仕事を覚えること自体が大変でしたが、それ以上に楽しく、仕事が好きになりました。
8:30 朝礼
9:00 研修開始
12:00 昼休憩
13:00 研修再開
16:30 研修終了 掃除時間
16:45 日誌作成提出
17:00 帰宅
講師、他スケジュールによって時間変動あります。
また、研修所以外での見学、研修もありました。
休日は、研修によって貰える補助金だけでは生活、独立のための資金繰りができないため、高知市内の日曜市にて、金物屋のアルバイトを毎週行っていました。
他休みがある時は、畑の手伝いなどしていました。
塾卒業後、県内の鍛冶屋㈲忠義鍛造に就職し、現在まで継続して修行を重ねています。
従業員として働く傍ら、土日祝、就業時間外での金物屋のアルバイトや他関わりのある鍛冶屋さんの仕事として研磨の作業などを副業として行っています。
また、土地の確保、工場倉庫の建設、鍛冶屋が必要な機械・道具の確保、必要な資格免許の取得等、できることをできる時に少しずつ準備していき、自分の工場で完璧に仕事が出来るようになってから独立する予定です。
現在は、工場倉庫、研磨機械の搬入までは行っています。
自分の工場倉庫で研磨の仕事を受けることができるようにすることを第一に行っていきたいと考えています。
また、鍛冶屋創生塾の募集に人が集まりにくくなっているため、情報を広められるように自分でできる広報活動などは行っていきたいと思います。
経験談としては、私自身、会社員として働いていた所を辞めた際、「鍛冶屋なんて中学、高校を卒業したら家業としてすぐに働くもんで、20超えてからは厳しいと思うよ」と言われましたが、実際、鍛冶屋を始めた師匠達は30ぐらいからという方もいます。
鍛冶屋だけではありませんが熱意と環境があって、真面目に打ち込み、先を考えていれば大丈夫だと感じています。
塾生として活動している間は、補助金が支給されますが、授業費も払うことになるので、生活費は自分で確保もしていました。
卒塾後の進路、独立のための行動などについては自分がどう動くかなどが大事になります。
ハードルは大きいですが、本気で鍛冶屋になって独立したいという意気込みを持っている方は、是非一緒に土佐打刃物を盛り上げて頂きたいと思います!