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立体木象嵌作家・福田亨さんインタビュー|伝統を繋ぐ人々

【伝統を繋ぐ人々】立体木象嵌作家/福田亨さん

【伝統を繋ぐ人々】立体木象嵌作家/福田亨さん

【プロフィール】
福田 亨 Fukuda Toru
美術工芸高校にて油彩と木工芸を軸に作品制作。木象嵌を独学で始める。京都の大学校で木工伝統技術を習得し、現在は北海道音威子府村を拠点として木象嵌を主とした彫刻作品を「立体木象嵌」と称し作品制作。東京を中心に展示予定。

[略歴]
1994年 北海道出身
2013年 北海道おといねっぷ美術工芸高校卒業
2015年 京都伝統工芸大学校 木工専攻卒業
2016年 立体木象嵌を考案
2017年 北海道音威子府村を拠点に制作

Q1. 作品について教えてください。

私の作品は、木工の伝統技法である”木象嵌”を主とした彫刻作品で、「立体木象嵌」と称し制作しています。

主に蝶をモチーフにしており、その色鮮やかさや模様の美しさを無着色の木材のみで再現しています。
モチーフを通して木の奥深さや表情の多様性を、木を通してモチーフの繊細さや命の尊さを表現すべく制作に励んでおります。

立体木象嵌/福田亨さんの作品1

Q2. 職人になろうと思ったきっかけとこれまでの歩みを教えてください。

私は現在作家として活躍すべく制作に励んでおります。
しかし、その道筋は職人を目指し歩んだ道でもありました。

高校では美術と工芸を学び、その中でも木工芸を中心に取り組みました。
ここでは人の生活と密接なモノを作りたいと、木工家具制作をしていこうと考えていました。

その後京都の伝統工芸大学校に進学し、木工の手仕事を学び、手で作る事の良さや心を教わりました。

卒業後は居住スペースでの物作りに絞り、制作にあたっていましたが「人に使ってもらう」を大切にしていた物作りから「人に感動を与える」物作りをしたいと思うようになりました。

制作しているうちに過去を振り返る瞬間が何度かあります。
高校の頃から”作家性のある職人”を心掛け制作していましたが、辛い時などに沢山の展示を見に行きエネルギーをもらっていた事を思い出しました。

そしていつしか、「沢山の作品からもらった感動を、自分も与えていきたい」と思うようになりました。
これが作家として作っていくキッカケです。

これからは、良い物作りを追求し”職人気質な作家” となるかもしれません。

Q3. 職人として一人前になるにはどういったことが必要ですか。

続ける事だと思います。
どの世界にも続けていかないと見えない景色があるのではないでしょうか。

作家としてもきっと同じです。
変わる事が必要だと聞いた事もありますが、続けていかないと変わるも何もありません。
私はまだまだではありますが、物作りをずっと続けていきたいです。

立体木象嵌/福田亨さんの作品2

Q4. お仕事の流れを教えてください。

1.構想

テーマ、モチーフなどを決め、エスキースや図面を書きます。これが作品の核なのであやふやにはできません。

2.木取り

使用する木材なども決めて木取りします。木の色味や質感は、経年で変化していくので、変化後なども考慮しつつ、材料自体の伸縮も考えながらの作業になります。

3.加工

木象嵌で模様を再現し、彫刻していきます。

4.仕上げ

よく研いだ刃物で仕上げ、所によっては磨きます。

Q5. 仕事でつらい点、良かったと思う点を教えてください。

1つ1つの作品が勝負と言いますか、失敗が許されないような緊張感のある制作なので時には辛く感じる事もあります。

良かった点は、自分の作りたいモノを形に出来るという事です。
仕事としてこれができるのはありがたい事です。一から十までしっかり取り組めるのでやり甲斐があります。

Q6. 情報発信で行っていることはありますか。

今はSNSでの情報発信しかしておりませんが、制作過程も見ていただけるようにしています。
私の技法は、木象嵌というもので認知度も高くないのかなと思っております。

どのように作品が作られるのかをご覧いただく事で、より作品を楽しめるかなと考えての事です。
実際、作業を見られて良かったとの声も多く頂いております。

立体木象嵌/福田亨さんのHP

Q7. 今後の展望を教えてください。

立体木象嵌という技法や作品を確立し、手仕事で生み出される日本のモノ作りの1つとして、後世へ繋げられる作品にしていけたらなと思っております。

Q8. 最後に、職人を目指す人へメッセージをお願いします。

より良いモノを世に残していきましょう!

立体木象嵌/福田亨さんの作品3