漆芸作家/伊藤ミナ子さんインタビュー|伝統を繋ぐ人々

漆芸作家の伊藤ミナ子さん

【プロフィール】
伊藤ミナ子
 日本工芸会準会員
 日本文化財漆協会会員

2012年:石川県立輪島漆芸技術研修所 特別研修課程卒
      <卒業制作 所長表彰>
      第52回東日本伝統工芸展 初入選
2013年:第30回日本伝統漆芸展 初入選
      <日本伝統漆芸展新人賞>
2014年:京都造形芸術大学 芸術学コース卒業
      <論文 鞘にみる変わり塗の特徴ー江戸時代を中心にー>
      第61回日本伝統工芸展 初入選
2016年:東京藝術大学 美術研究科 工芸(漆芸)専攻修了
2018年:初個展 伊藤ミナ子漆芸展-First Touch-(東京アメリカンクラブ)
2019年:個展 麗しのうるし展(広尾プラザ2F ギャラリファインアーティスト)
2020年(予定):個展 伊藤ミナ子 漆芸展(ギャラリー田中)

この他、公募展、百貨店外商会、ホテル椿山荘東京展示、二人展など多数

Q1. 漆芸について教えてください。

伊藤ミナ子さんの漆芸写真1
漆はウルシノキからとれる樹液です。
漆は固まると光沢が美しいだけでなく、防水性、防腐性、さらに接着力も強く、縄文時代から生活道具などに多く用いられてきた日本の伝統工芸です。

現在ではこの漆の特性をいかし、金や銀、貝などで美しい装飾が施された漆芸作品が作られています。

Q2. この業界に入ったきっかけとこれまでの歩みを教えてください

高校3年生の冬、谷崎潤一郎さんの『陰翳礼讃』を読んで漆の道を志しました。

最初に石川県立輪島漆芸技術研修で塗りや蒔絵の基礎を教えて頂きました。
その後、京都造形芸術大学で鞘塗についての論文を書き、最後に東京藝術大学で乾漆技法などを勉強しました。

Q3. 作家として一人前になるにはどういったことが必要だと思いますか

まずは感謝だと思います。
それから最低限の技術と勘や運、我慢強さと目の前の仕事に対する誠実さが必要なのではないかと、まだ道半ばの段階ではございますが思っております。

Q4. お仕事の流れを教えてください。

伊藤ミナ子さんの漆芸写真2
基本的には毎日朝から夜中まで作業をしています。

頂けた展示や公募展の締切に合わせて作品が完成するように制作するのですが、漆は工程が多く制作期間がかなり長いのに加え、季節によって漆の乾き時間が異なるため、今日のうちにしておかないと間に合わなくなる作業の取りこぼしがないよう、段取り命で日々流れを細かく組み立てています。

また、乾かす際は夜中でも数時間毎に状態をチェックしたりと工程によって漆中心の時間軸にもなりやすいです。

Q5. 現在のお仕事でつらい点、良かったと思う点を教えてください

つらい点は、体力的な部分です。
背中をつったり腰が痛くなったのは漆を始めてからです。

良かった点は、幸福度の高い日々を送れることです。
予定がつまっている時も忙しいという感覚はあまり無く、気持ちが穏やかでいられます。
精神的なストレスはとても少ないです。

Q6. 情報発信で心がけていることはありますか。


ホームページやインスタグラムには親しみやすい雰囲気の写真を載せています。
皆様にご覧頂くものなので“The 伝統工芸”という写真にならないようグレーの背景ではなく、明るい色の背景で撮ることが多いです。

美術関係者じゃない方や外国からもメッセージを頂くこともあり、漆を少しでも触れ合いやすいものに感じて頂けていたら嬉しく思います。

Q7. 今後の展望を教えてください。

ニューヨークでも取引ができるように数年スパンで準備をしていきたいと思っています。
漆芸なので海外の気候にも適応できる素材で制作したり、海外のことを広く勉強したり、焦らずじっくり取り組みたいと思っています。

また、コラボの機会に恵まれた際は積極的に参加したいと思っています。

Q8. 最後に、職人を目指す人へメッセージをお願いします。

ピンときたらあまり考えすぎず足を踏み入れてみてもいいと思います。

ただ工芸の場合は専攻によって性質が大きく異なるので、やりたいことと自分の気質が合っているかはチェックした方が良いと思います。
あとは楽しみながら続けるのみです!

伊藤ミナ子さんの漆芸写真3

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