【伝統を繋ぐ人々】甲州手彫印章/望月一宏さん

甲州手彫印章/望月一宏さん

【プロフィール・略歴】
望月 一宏 (雅号 煌雅)

1972年 日本一のハンコの町 六郷町(現市川三郷町)で生まれる(3代目)
1995年 印章業に就く。
1997年 神奈川県印章職業訓練校で2年間学び、以後7年間研究科に在籍。
2003年 二葉一成先生に師事する。

経済産業大臣指定伝統的工芸品 甲州手彫印章 伝統工芸士(2008年)
厚生労働省認定 一級印章彫刻技能士(2005年)
厚生労働省 ものづくりマイスター
卓越した技能者(やまなしの名工) (2015年)

第26回 全国技能グランプリ 優勝(厚生労働大臣賞)(2011年)
第61回 大印展 近畿経済産業局局長賞(大印展最高賞)(2013年)
第53回 大印展で史上初の3部門で金賞受賞(2005年)
第15回 全日本印章技術大競会 文部科学大臣賞(2004年)ほか

山梨県印章店協同組合 常務理事
山梨県印章業組合連合会 副会長
六郷印章業連合組合 理事

Q1. 工芸品について教えてください。

甲州手彫印章とは、手彫りのハンコのことです。
江戸時代に山梨で水晶が採れたのが始まりで、その後、牙・角・木でも彫るようになりました。

特に六郷町(現 市川三郷町)は「日本一のハンコの町」と言われ国内の50%以上の印章が生産されていた時代もありました。
六郷町では印章彫刻の技能士の他、印章ケースメーカー、ゴム印メーカー、印材問屋、販売業者などがあり産地形成がされているのが特徴です。

今でも人口3千人ほどの六郷地区には5件の印材問屋があります。

Q2. 職人になろうと思ったきっかけとこれまでの歩みを教えてください。

家業が印章業を営んでいたこと、小学校の頃、社会科見学でハンコ屋へ行ったことが大きかったと思います。

大学を卒業し一般企業に就職しましたが長続きせずに、家に入りました。
その後、横浜にある印章職業訓練校に行きました。(そこで紹介して頂いたハンコ屋で働きながら、土日は訓練校)

2年で卒業し、家に戻りました。
その後、7年間は月に一度訓練校の研究科へ通い、2003年から二葉一成先生に師事しました。

甲州手彫印章

Q3. 職人として一人前になるにはどういったことが必要ですか。

好きになること。
勉強(修行)し続けること。

Q4. お仕事の流れを教えてください。

年末から年度末が忙しくなります。

印章制作には大きく分けて布字(字入れ)、荒彫り、仕上げの3工程ありますが、工程ごとにまとめて作業します。仕入れ、納品(郵送)などの事務的な作業もします。

その他、小学校へものづくり(ハンコ彫り体験)の講師で行ったり、地元の温泉施設などで実演したり、百貨展の催事で出店したりしています。
小学生が社会科見学で来たりもします。

Q5. 職人の仕事でつらい点、良かったと思う点を教えてください。

制作活動は楽しくもあり辛くもあります。
表裏一体です。

本当にこれでよいのか?といつも自問自答しながら制作していますが、完成したものをお客さんに気に入っていただき、満足して頂けると良かったと安心します。

Q6. 情報発信で行っていることはありますか。

一昨年よりHPを開設、同時にblog、フェイスブックを始めました。
なかなか更新出来ずにいますが、活動予定・報告を中心に発信しています。

発信情報を見て来ていただけるお客様が増えたり、特にHPは私の紹介ツールにもなり、メディアから取材依頼がきたり、取引上でもやり易くなりました。

甲州手彫印章望月さんのHP

Q7. 今後の展望を教えてください。

どこの業界もそうらしいですが、二極化が進んでいます。

何でもいいから安いものか、良いものです。
前者の需要は増えていますが、それ以上に後者を供給する人が減っています。

私的には、技術を磨き続けることは勿論ですが、他産地の工芸品とのコラボなどを考えています。

Q8. 最後に、職人を目指す人へメッセージをお願いします。

好きになること。
勉強(修行)し続けること。(終わりはない)
基礎を大事にすること。(壁にぶつかったら基礎を学び直す)

甲州手彫印章

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