お祭りといえば縁日と祭り囃子。
笛や太鼓の音が、お祭り気分を一層盛り上げてくれます。
一口に祭り囃子といっても実は地域によって曲の内容も、楽器構成も様々です。
それは祭り囃子が地域の祭りの成り立ちや雰囲気に合わせた発生したから。
祭りが荘厳であれば、祭り囃子も静かな曲調に。
賑やかな祭りであれば、笛や太鼓を打ち鳴らす、といったように地域ごとの祭りに合わせた囃子になっているのです。
故郷の祭り囃子を聞くと懐かしい思いになるのは、祭り囃子が故郷そのものだからなのかもしれませんね。
このようにお祭りの数だけ祭り囃子がありますが、今回は囃子の成り立ちと日本三大囃子である「神田囃子」「祇園囃子」「花輪囃子」についてご紹介します。
1.囃子とは
もともと囃子(読み:はやし)は能楽や歌舞伎の雰囲気を高めるための音楽で笛、太鼓、小鼓、大鼓、三味線、鉦(しょう)といった楽器を使って演奏します。
また寄席や落語に使われるものを「寄席囃子(よせばやし)」、祭りで使われるものを「祭囃子(まつりばやし)」といいます。
2.神田囃子[東京都指定無形文化財]
神田囃子は、いくつかの曲を連続して演奏する「切囃子」という特徴があります。
基本的な曲の流れは下記5曲。
↓
昇殿(しょうでん)
↓
鎌倉(かまくら)
↓
四丁目(しちょうめ)
↓
屋台(あがりやたい)
と続き、一演奏が約15分になります。
神田囃子の醍醐味は「四丁目(しちょうめ)」の「玉」。
「玉」はジャズのアドリブのようなもので、まさに演奏者の腕の見せ所。
粋で個性的な「手」を入れようと力を入れるところでもあります。
いかにも祭りにこだわる江戸っ子らしい祭り囃子ですね。
3.祇園囃子[重要無形民俗文化財(山鉾のみ)]
祇園祭(ぎおんまつり)は疫病のもととなる悪霊を賑やかな囃子でおびき寄せ、楽しい気分にさせたまま鉾町へ連れて行き、蔵に閉じ込めてしまうというお祭りです。
まさに祇園囃子あってこその、祇園祭。
確かに、華やかで楽しそうな囃子ですよね。
祇園囃子は、 太鼓(締め太鼓)・笛(能菅)・鉦(摺り鉦)の3つによって1分~1分半程度の曲を20~30ほど組み合わせて演奏します。
いまでこそ各山鉾の町衆が演奏していますが、昔は山鉾のスポンサーである旦那衆が演奏者を雇って演じさせていたとか。
なんとも贅沢な囃子ですね。
4.花輪囃子[国指定重要無形民俗文化財][秋田県無形民俗文化財指定]
秋田に夏の終わりを告げる花輪囃子は幸稲荷神社(さきわいいなりじんじゃ)で演奏され、1204年(元久元年)の創建時から続いていると伝えられています。
囃子の起源は平安時代まで遡り、まず笛による曲ができ、後に太鼓や鉦、三味線が加わったと考えられています。
花輪囃子の代表曲は現在、
- 本ばやし
- 二本滝
- 宇現響
- 羯鼓
- 霧ばやし
- 矢車
- 吉原格子
- 拳ばやし
- 不二田
- 祇園
- 追込
- シャギリ
上記12曲。
なかでも「本ばやし」は行進曲風の勇壮な曲で北国の底力を感じさせます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は日本三大囃子についてご紹介しました。
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