和太鼓や祭囃子の音色。浴衣を着て歩く人々や香ばしい匂いの屋台…。
夏になり、街にお祭りの雰囲気が漂い始めると、なぜだかウズウズと日本人の血が騒ぐ!という方も多いのではないでしょうか?
日本にはその地域独特のお祭り文化があり、その数は20万とも30万ともいわれています。
そんな日本のお祭りを代表するのが「日本三大祭」といわれる、京都の祇園祭、大阪の天神祭、東京の神田祭。
長い歴史があり、古くから多くの人々を魅了してきた三大祭にちょっと出かけてみませんか?
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京都祇園祭
歴史
日本三大祭の一つ「京都祇園祭」の歴史はとても古く、平安時代までさかのぼります。
そのころ京では疫病が大流行し、大勢の方が亡くなりました。
その悲惨な状況に、「疫病が大流行したのは御霊(みたま)の怒りにふれたからにちがいない」と当時の人々は考えました。
そこで、御霊の怒りを鎮め、疫病が退散することを願って、祇園(現在の八坂神社)の神に66本の鉾(当時の国の数)を祀って悪霊を祓い、神輿を奉納する「御霊会(ごりょうえ)」を行いました。
これが後に「祇園御霊会」と呼ばれ、時とともに形を変え、現在の「祇園祭」となりました。
祭りのみどころ
祇園祭は、7月に1か月かけて開催されます。
なかでも7月14日~16日の前祭の宵々山・宵山、7月17日の前祭山鉾巡行、神輿渡御、神幸祭などは多くの見物客でにぎわいます。
山鉾巡行は重要無形民俗文化財に指定され、2009年にユネスコより無形文化遺産に登録されています。
【詳細情報】
日程:7月1日~31日
開催場所:八坂神社(京都市東山区祇園町北側625番地)
天神祭
歴史
天神祭の歴史は古く、平安時代にさかのぼります。
大阪天満宮が創祀された翌々年の天暦5年(951年)、鉾流(ほこながし)神事が始まりました。
鉾流神事とは、大川に神鉾を流し、漂着した場所にその年の御旅所(おたびしょ)を設ける神事で、御旅所とは御神霊がご休憩される場所のことです。
この御旅所の準備ができると、御神霊は大阪天満宮から川岸まで神輿ではこばれ、乗船して大川を下り御旅所へ向かうルートを辿りました。この航行が船渡御(ふなとぎょ)と呼ばれ、現在の天神祭の起源とされています。
後に奉納花火も行われるようになり、今では130万人もの人出で賑わっています。
祭りのみどころ
毎年7月24日に宵宮が、25日に本宮が行われます。
24日の朝7時45分に宵宮祭、8時50分頃に鉾流神事が執り行われ、天神祭が始まります。
翌25日午後に陸渡御、船渡御があり、奉納花火で華やかに締めくくられます。
天神祭をより楽しむために、ぜひ「大阪じめ」を覚えましょう。「打ちま~しょ」で2拍手、「もひとつせ~」で2拍手、「祝うて三度」で3拍手します。
船渡御で船と船がすれ違うたびに行うほか、関西では日常のさまざまな場面で使われています。
【詳細情報】
日程:7月24日~25日
開催場所:大阪天満宮(大阪市北区天神橋2-1-8)
神田祭
歴史
神田祭の舞台となる神田明神は、天平2年(730年)に現在の大手町に創建されました。
その後、1616年に現在の場所に移り、江戸時代は徳川幕府の庇護のもと、より大きな祭りとして開催されてきました。
祭りのみどころ
神田祭は2年1度(西暦の奇数年)に本祭りが行われ、本祭が行われない年は陰祭として、「例大祭」のみが5月15日に開催されます。
本祭では、例大祭までの1週間、さまざまな行事がとりおこなわれます。
なかでも3日目に行われる「神幸祭」は、神田祭最大の見どころです。
平安時代の装束をまとった人々が終日、神田・日本橋エリアを練り歩きます。
また翌日4日目には、100基の氏子町神輿が神社に集まり、その後、威勢のよい迫力あふれるお神輿が神田中をまわります。
そして、最終日の例大祭では、巫女の奉納舞や神楽などが催されます。
【詳細情報】
日程:5月上旬~5月15日
開催場所:神田明神(東京都千代田区外神田2-16-2)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は日本三大祭についてご紹介しました。
その他については下記の関連記事を御覧下さい。
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