青森県の伝統工芸品である【津軽びいどろ】。
その始まりは海に浮く浮きであったといわれています。
皆さんはびいどろと聞くとどのようなものを思い出しますか?
今回はそんな津軽びいどろについてご紹介していきたいと思います。
津軽びいどろとは
津軽びいどろとは青森県に伝わるガラス細工のことです。
びいどろの語源はポルトガル語の【Vidoro】で、ガラスという意味があります。
つまり、津軽びいどろ=津軽ガラスと言い換えることもできます。
津軽びいどろの歴史
津軽びいどろの歴史を紐解いていくと、始まりは種子島に漂着したポルトガル人から始まったといわれています。
このポルトガル人によって、ヨーロッパのガラス文化と製品が日本に伝わっていったのです。
津軽びいどろはもともと津軽びいどろとして生産されていたわけではありません。
びいどろが生産される前は、漁業用の浮き球を作っていました。
その浮き球を制作していたのが北洋硝子で、当時はほかにもガラスの浮き球を制作している会社はありましたが北洋硝子の浮き球は、ほかの浮き球に比べて割れにくく丈夫であるという高い評価を得て、国内トップクラスの生産となりました。
しかし、ガラスで作られていた浮き球は、軽くて丈夫でさらに割れにくいプラスチック製へと変わり、ガラスの浮き球の需要が激減してしまいます。
それをきっかけに、北洋硝子をはじめとする浮き球工場は浮き球作りのノウハウを生かして花瓶など様々な生活用品を制作するようになります。
津軽びいどろの特徴
津軽びいどろの基本的な色は深い緑色です。
この深い緑色は、職人さんの思い付きで偶然生まれたものなのです。
津軽びいどろの深い緑色のルーツは、【七里長浜】で青森県の中で一番美しい海岸とされています。
その海岸の砂を原料に加えると、なんと深く美しい緑色へと変化したのです。
四季をイメージしたものや青森のりんご、ねぶた祭りをイメージした製品などが作られ、食器などのほかにも夏の風物詩である風鈴なども制作されています。
津軽びいどろの作られ方
現在、津軽びいどろは様々な技法で作られていますが、その中でも【宙吹き】と呼ばれる方法で制作されるのが基本です。
この宙吹きと呼ばれる技法は、1500度以上の高温で材料を溶かし成型温度1200度という灼熱の温度の中、真っ赤に溶けたガラスを吹き棹(ふきさお)と呼ばれる鉄製のパイプに巻き付け、職人さんの息を吹き込む技法のことで一切型を使わずに制作していきます。
宙吹きは型を使わずに職人の吹く息だけで成型するため、美しい形を作り出すには熟練の技術が必要になってきます。
実際、型を使っていないにもかかわらず、全体の均一性がしっかりと取れているのが特徴で、手作業とは思えない品質の高さも人気の理由の1つです。
津軽びいどろの制作体験はできる?
現在、北洋硝子では津軽びいどろの制作体験はできないようですが、工場内の見学をすることは可能です。
住所 |
青森県青森市富田4丁目29-13
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営業時間
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・9:00~16:00
【工場見学】 ・10:00~16:00(12:00~13:00を除く) |
工場見学予約連絡先
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017-782-5183
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まとめ
津軽びいどろの美しさは型を使っていないとは思えないほど美しく、清涼感があります。
自分用に買って帰ってもよし、お友達へのお土産やプレゼントなどにも最適なので青森を訪れた際はぜひ、津軽びいどろを見に行ってみてくださいね。