皆さんは家庭科の授業で指ぬきを使ったことはありますか?
学校で使う指ぬきはシンプルな黒で、皮で作られている物が多く決しておしゃれでかわいいものではありません。
しかし、この指ぬきにもしっかりと歴史があり、昔からたくさんの職人さんがいたとされる石川県金沢市では、この指ぬきが伝統工芸品として今でも受け継がれています。
その指ぬきはシンプルな黒いものではなく、色とりどりの美しい絹糸を使って作られた指ぬきでコレクションしたくなってしまうほどかわいい物になります。
今回はそんな加賀指ぬきについてご紹介していきたいと思います。
加賀指ぬきとは
加賀指ぬきの始まりは、江戸時代にまでさかのぼると言われています。
金沢には加賀友禅など針仕事をする機会が多く、その針仕事をするお針子さんがたくさんいました。
針仕事を行う上で、針の背を押さえて縫ったり針が滑らないようにするために、加賀友禅を縫った時に余った布や糸を少しずつ貯めていき、お正月のお休みを使ってお針子さん自身の手作りで指ぬきを作って使っていたそうです。
そんな加賀指ぬきが一般家庭にも広まり、今では色とりどりの美しくかわいい、実用性を兼ね備えたデザインの指ぬきが販売されるようになりました。
この指ぬきは母親が娘の裁縫の上達を願って作られたり、お雛様の飾りの一部としても使われることがあるそうです。
今でも金沢の旧家では明治や大正時代に作られた指ぬきが残されていて、非常に貴重で価値の高い指ぬきの実物を見ることができるそうです。
加賀指ぬきの指ぬきとは?
加賀指ぬきとひとくくりに言っても実際指ぬきとはどのように使うものなのでしょうか?
縫物をするときは人差し指と親指で針を持ち縫いますが、布によっては中々人差し指と親指の力だけでは縫うことができない場合もあります。
その時に中指の背を使って針を押し込むことがありますが、その時に指ぬきが必要になってきます。
指ぬきがあるおかげで中指の保護になり針仕事がスムーズに進むようになり針が直接中指の背にふれることがないためけがの防止に繋がります。
加賀指ぬきを使うお針子さんとは?
指ぬきを使うお針子さんとは仕立て屋さんなどに雇われて衣服などを縫う女性のことをさします。
昔はミシンなど電動の物はもちろんないのですべて手で縫って仕上げていました。
その為仕立て屋さんにはたくさんのお針子さんがいたそうです。
現在ではその針仕事も随分進化してほとんどを電動のミシンで縫うことができるようになりました。
中にはコンピューター内蔵のミシンもあり、タッチパネルを操作するだけで自動的に刺繡をしてくれるようなミシンもあります。
加賀指ぬきの作られ方
加賀指ぬきは材料さえそろってしまえばお家でもすぐに作り始めることができる工芸品です。
柄によって糸の掛け方が変わったり縫い方も変わってくるので、やり方を確認しながら作ることをお勧めします。
基本的な材料
・絹針
・真綿(絹の綿)
・バイアステープ(市販のテープでも可。使う糸の色に合わせましょう)
・芯(口紅のケースやリップなど)
※自分の指の大きさに合わせて芯は変えましょう
・和紙
・厚紙
基本的な縫い方やそれを応用した柄でさまざまな模様が作れます。
詳しい作り方は各ホームページを確認して作ってみてくださいね。
そーいんぐ.com|基本とかがり
NUKUMORE|加賀指ぬき「青海波」作り方
おうちでも作れる加賀指ぬき
おうち時間が増え、なかなかお家で過ごすにも毎日同じことの繰り返しでマンネリ化していませんか?
この機会にじっくり集中して作ることができる加賀指ぬきをお家で作ってみるものいいかもしれません。
ここ最近はコロナウイルスの影響で加賀指ぬきの製作体験が中止になっているところも多いため、気軽にお家で作り方を学べる本が出版されているので是非こちらを見ながら作ってみてください。
はじめての加賀ゆびぬき 1本の糸から生まれる美しい模様135点 [ 大西由紀子 ]
愛らしい 加賀のゆびぬき The beautiful tiny needlework 糸を組み合わせてお気に入りをいくつでも [ 寺島 綾子 ]
まとめ
いかがでしたでしょうか。
加賀指ぬきは現在指ぬきとして使われる以外にもアクセサリーとして使われていて、ネックレスや着物の帯留めを指ぬきにして使っている人もいます。
自分自身でお気に入りの指ぬきを作ってコレクションしてみてはいかがでしょうか?
参考/おすすめリンク
・中川正七商店の読み物|毎日かあさん、ときどき職人
・Couturier|指ぬきの使い方と作り方
・コトバンク|お針子
・中川正七商店の読み物|金沢の色どりあふれるお針子道具「加賀指ぬき」
・旅ぐるたび|カラフルでかわいすぎ!金沢の「加賀ゆびぬき」を作ってみた
・Travel Note|金沢の加賀ゆびぬきが可愛いと話題!体験教室や値段をチェック!
・粋IKI|伝統工芸品|見るだけでうっとり。絹糸が紡ぎだす「加賀指ぬき」の魅力