張継の「楓橋夜泊」は近体詩の中でも有名な漢詩で、唐詩選に収録されています。
高校の漢文の授業でも習いますよね。
ちなみに近体詩とは、漢詩の詩体の一つで、今体詩ということもあります。
古体詩より後の唐代初期に完成し、一定の格律の制約を受けることが特徴となっています。
今回はそんな近体詩の中でも特に有名な張継の「楓橋夜泊」について、原文と書き下し文・現代語訳を単語の解説と合わせてご紹介したいと思います。
張継「楓橋夜泊」の原文
張継「楓橋夜泊」の書き下し文
楓橋夜泊 張継
月落ち烏啼いて霜天に満つ
江楓漁火愁眠に対す
姑蘇城外の寒山寺
夜半の鐘声客船に到る
張継「楓橋夜泊」の現代語訳
楓橋夜泊】 船泊した楓橋で感じた憂愁の思い。
月が沈み、夜空に鳥が鳴いて、寒気が空(から地上)に満ちている。
川辺に生えているカエデの木、漁をする舟の赤々と燃える火が、(旅の寂しさのために)熟睡できず、うとうとしている目の前に広がっている。
この姑蘇の町の郊外にある寒山寺、そこで夜半に撞く鐘の音が、停泊している(私の)船にまでも響いてくる。
張継「楓橋夜泊」の単語
[漁 火]
いさり火。
[対二 愁 眠一]
眠れぬままに目を暗い水面の方へ向けると、岸辺の紅葉したカエデの木やいさり火が目に入ってきたということ。
[寒 山 寺]
蘇州の西の郊外で、楓橋の屋や東にある寺。
[夜 半 鐘 声]
夜半に撞く鐘の音。
[客 船]
旅の途中にある船。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は高校古典の教科書にも出てくる、近体詩の中でも特に有名な張継の「楓橋夜泊」について、原文と書き下し文・現代語訳を単語の解説と合わせてご紹介しました。
ご参考になれば幸いです。