陸游の「遊山西村」は宋詩選註に収録されている有名な漢詩です。
高校の漢文の授業でも習いますよね。
今回は漢詩の中でも特に有名な陸游の「遊山西村」について、原文と書き下し文・現代語訳を単語の解説と合わせてご紹介したいと思います。
陸游「遊山西村」の原文
陸游「遊山西村」の書き下し文
笑ふ莫かれ農家臘酒の渾れるを
豊年客を留むるに鶏豚足る
山重水複路無きかと疑ふに
柳暗花明又一村
簫鼓追随して春社近く
衣冠簡朴にして古風存す
今より若しか閑に月に乗ずるを許さば
杖を拄いて時無く夜門を叩かん
陸游「遊山西村」の現代語訳
農家の年の暮れに作った酒が白く濁っていることを、どうかお笑いくださる。
(去年は)豊作で、お客さまをお引きとめてもてなす鶏と豚は十分にございます(と村人は言う。)
(この村に着くまでは)山が重なり、川が入り組んで、道がつくてしまうのではと疑ったが、(さらに進むと)柳が茂ってほの暗く、花の明るく咲き誇るところに、もう一つ村があった。
笛や太鼓の音が(私を)追いかけるように鳴り響いて、春の日も近づいたようだ。
(村人たちの)祭りの衣装は簡素で飾り気がなく、古い風俗を残している。
これから先も暇を見ては月明かりを頼りに(この村を)訪ねることを許してくださるのならば、杖をついて、勝手な時に夜中(あなたの家の)門をたたくとしよう。
陸游「遊山西村」の単語
莫レ 笑
笑わないでくれ。
渾
「臘酒」が濁っていること(=濁り酒であること)を言う。
留レ 客
お客様を引き止める。
足二 鶏 豚
鶏や豚(の肉)が十分にある。
山 重 水 複 疑レ 無レ 路
第四句と対句をなしている
簫 鼓 追 随 春 社 近
第六句と対句をなしている。
衣 冠
着物と冠。
存
そのままの状態である。
従レ 今
今から。
若 許二 閑 乗一レ 月
もし、暇をみては月明かりを頼りに尋ねることを許してくださるなら。
叩レ 門
門をたたくとしよう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は高校古典の教科書にも出てくる、漢詩の中でも特に有名な陸游の「遊山西村」について、原文と書き下し文・現代語訳を単語の解説と合わせてご紹介しました。
ご参考になれば幸いです。