写真:砺波周平
【プロフィール】
アダチ伝統木版画技術保存財団の研修生として一年間研修後、アダチ版画研究所入社。親方の仕事を手伝いながら、技術を学ぶ。現在、一人前の仕事を任され、親方と共に浮世絵をはじめ、草間彌生など現代作家の作品を手がける。
アダチ伝統木版画技術保存財団の研修生として一年間研修後、アダチ版画研究所入社。親方の仕事を手伝いながら、技術を学ぶ。現在、一人前の仕事を任され、親方と共に浮世絵をはじめ、草間彌生など現代作家の作品を手がける。
: アダチ版画研究所
Q.彫師とはどういうお仕事なのでしょうか。
作家さんの絵や浮世絵の原稿を版元から受け取り、それを版木にする仕事です。
版木にしたものは次の工程を担う摺師へ渡されます。
1枚の版木を彫るには、作品にもよりますが浮世絵の場合だと大体1ヶ月前後かかります。
Q.職人になろうと思ったきっかけを教えてください。
大学生のとき、友人からアダチ版画研究所のことを聞いて実演の見学に来たのがきっかけです。
その実演をみて、この仕事をやってみたいと思い、研修生制度に応募しました。
Q.彫師のお仕事で大変なことはなんですか。
版元と摺師と間の工程なので、その間でうまく橋渡ししなければいけないのが大変だと思います。
受け渡しの期日もそうですが、それよりも内容の部分で絵師の意図を反映させなければなりません。
浮世絵だけでなく現代の作家さんの作品も扱うので、筆で描かれたものを版画にする際にどのように表現するか、しっかりと絵を解釈して行わなければいけないので、そこが難しいです。
Q.このお仕事をしていて良かったなと思うことはありますか。
作業は好きですが、出来上がったものに対しては必ず不満みたいなものは残るので、達成感とかやったーとかいうのはないですね。
木を彫るという作業自体が好きなんです。
Q.今後職人としてこういう風になりたいなどはありますか。
いろいろ課題は自分の中であったりするんですが、継続するのが一番かなと思います。
Q.職人になりたいという人へ何かアドバイスやメッセージはありますか。
職人というのは普通からするとちょっと離れた世界というか、ずっと木を彫ったりという世界なので、覚悟を持って続ける気で始めないと大変だと思います。
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