小倉百人一首にも収録されている、天智天皇の下記の和歌。
「秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ」
上記の天智天皇の和歌について、意味や現代語訳、読み方などを解説していきたいと思います。
百人一首の第1首目の読み方と意味
まずは小倉百人一首に収録されている天智天皇の1番歌について、読み方と意味をみていきましょう。
秋の田のかりほの庵の苫をあらみ
わが衣手は露にぬれつつ
わが衣手は露にぬれつつ
天智天皇
【読み】
あきのたのかりほのいほのとまをあらみ
わがころもてはつゆにぬれつつ
【意味】
秋の田に作った仮小屋にいると、屋根を葺いた苫の目が荒いので、私の袖は夜霧に濡れてしまう。
【単語解説】
”かりほの庵”:「仮庵の庵(かりいほのいおり)」の語調を整えたもの。農作業用の小屋のこと。
”苫”:藁や萱を編んだもの。これで屋根を葺く。
百人一首の1番歌の解説
この和歌は万葉集にある作者不明の歌「秋田刈る仮庵を作りわが居れば衣手寒く露ぞ置きにける」が基になっているとも言われますが、小倉百人一首には天皇が士民の苦労をいたわった歌として選ばれています。
小倉百人一首の選者である藤原定家は、農民たちを思いやる理想的な天皇の歌としてこの和歌を第1首に選んだのです。
作者について
作者は第38代天皇の天智天皇です。
即位前の中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)の時代に大化の改新を行い、天皇中心の中央集権国家の基礎を築いた人物として知られています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は百人一首の1番歌、天智天皇の「秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ」の和歌について現代語訳と意味解説をさせて頂きました。
ご参考になれば幸いです。