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印伝という伝統工芸を知っていますか?
鹿革と漆という伝統的な素材で、古風な柄はもちろんのこと、最近では人気キャラクターとコラボしたり可愛い柄の小物がでてきたりと若い女性にもオススメの伝統工芸です。
今回は、そんな意外と身近な伝統工芸・印伝の魅力をご紹介していきます。
1.印伝の歴史
印伝とは、羊や鹿の皮をなめし、染色し表面に漆で模様を描いたものです。
昔は馬具・胴巻き・武具・巾着・銭入れなどに用いられていました。
印伝の足袋が正倉院に収蔵されていたり、奈良時代の文箱が東大寺に収蔵されていたりします。
現在では札入れ・印鑑入れ・ハンドバッグ・がま口など主にファッションアイテムとして印伝が使われています。
2.伝統工芸・甲州印伝を知ろう
甲州印伝は、江戸時代に始まったと言われています。
印伝は鹿革に漆を装飾するものですが、もとはその軽さと丈夫さから、火消しの装束や武士の鎧などに使われていました。
その後は粋な小物として当時の上流階級に好まれるようになりました。
このような歴史から、”勝負”とかけた菖蒲の柄や、前進しかしない”トンボ”の柄など、武将に好まれていた柄がよく描かれます。
また、印伝には基本の技法として”漆付け”、”燻べ(ふすべ)”、”更紗(さらさ)”の3種類があります。
漆付け
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上記の3種類の中でも現在は漆付けがポピュラーで、漆の凹凸が特徴です。
この模様を出すためには伊勢型紙を使います。
均等に漆を乗せれるようになるには、10年がかかるとも言われています。
この印伝の漆付けによく用いられる白漆は、塗った時は黄色がかっていますが、数ヶ月経つと紫外線による中の顔料の変化によって純白の漆になるのが特徴です。
燻べ(ふすべ)
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原料の鹿革を煙でいぶす、”燻べ”。
ローラーに皮を貼り付け、真下で藁に火をつけて煙でいぶします。
完成品は黄色っぽい色味になりますが、出したい色の濃さによっていぶす時間は変わりますが、最高で3日程いぶします。
この燻べに模様をつける際は、ローラーに貼り付ける際に糸で防染をしてからいぶす事で、糸が乗った箇所は白く残り、模様となります。
また、燻べの良い点は、煙による防虫効果もあること。
現在でもこの燻べの技法を用いる職人は全国でも数人しかおらず、貴重な工芸品です。
東大寺には奈良時代の文箱があり、その包みに燻べの印伝が使われており、最も古い印伝の一つです。
更紗(さらさ)
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インドから伝来した更紗模様に似ていることからその名が付いた、”更紗”。
一色毎に型紙を変え、何色もの色で模様を作る技法です。
3.甲州印伝の現在
最近の甲州印伝は、GUCCIやティファニーなど人気ブランドのオリジナル柄商品も開発され、海外からも認められる日本の伝統工芸のひとつとなっています。
時代に合わせた新商品としては、スマートフォンケース・パスケースなども開発され、印伝を知らなかった人でも気軽に日常に取り入れられる商品が増えています。
また、人気キャラクターとのコラボ商品の販売にも積極的で、キティちゃん・鉄腕アトム・Suicaペンギン・パックマン・となりのトトロなどとコラボしてきました。
若者向けに新たな風を起こすだけではなく、伝統的なものとのコラボもおこなわれています。
伝統芸能・歌舞伎とのコラボで、隈取り柄などの限定柄が歌舞伎座限定で販売されたりしています。
他にもさまざまなコラボが実現し、甲州印伝の魅力も幅広い世代に受け入れられてきています。
4.甲州印伝のお店
甲州印伝は山梨県の伝統工芸ですが、都内や関西など山梨以外で購入できるお店もたくさんあります。
ここでは甲州印伝を購入できるお店をご紹介します。
印傳屋 本店
住所:山梨県甲府市中央3-11-15
印傳屋 青山店
住所:東京都港区南青山2-12-15 1F・2F
印傳屋 心斎橋店
住所:大阪府中央区博労町3-6-7
印傳屋 名古屋御園店
住所:愛知県名古屋市中区栄1-10-21
印傳の池田屋 清水店
住所:静岡県静岡市清水区銀座11-1
印傳の池田屋 静岡店
住所 静岡県静岡市葵区呉服町1-6-7
印傳の池田屋 浜松店
住所:静岡県浜松市中区砂山町323-16
印傳の池田屋 東京銀座店
住所:東京都中央区銀座5-8-20 銀座コア3階
INDEN・YA×JIZAING 東京駅グランスタ店
住所:東京都千代田区丸の内1-19-1 JR東日本東京駅構内地下1階
印傳屋×JIZAING 歌舞伎座店
住所:東京都中央区銀座4-12-15 歌舞伎座3階
5.まとめ
いかがでしたか?
伝統を守りながらも、こんなに現代に合った進化を続けている伝統工芸、なかなか無いですよね。
若い人でも日常に取り入れやすい甲州印伝。
何百もの柄があるので、ぜひあなた好みの一品を手に入れてみてくださいね。
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