様々な柄、艶やかな色合い、帯とのコントラストなど、日本独自の感性が繊細に丁寧に表現されていると高い評価を得ています。
また帯を変えるだけでも全く違った雰囲気になるので、組み合わせる楽しみもあります。
知っておきたい「着物あれこれ」。
着物についての知識をちょっと広げてみませんか?
[関連記事]
着物初心者さん必見!着物の種類と使い分け、必要な小物類まとめ
着物の染めと織り。着物(和服)に使用する生地について
1.着物の単位
反物とは大人用の和服・羽織の一着分を仕立てる為に必要な布地のことをいいます。
これは一反ずつ巻物になって販売されています。
一反とは布地の大きさの単位のことで、大人ひとり分に相当する大きさで、産地や種類、また時代によっても違いがあります。
一反の基準は幅が約36cm、長さが約12mとなっています。
着尺地:大人ひとり分の着物を作るのに必要な布地
羽尺地:大人ひとり分の羽織を作るのに必要な布地
最近では羽織も着尺地で作ることが多くなっているようです。
2.着物が出来上がるまで
着物は次のような順序で出来上がっていきます。
- ➀地直し
- アイロンなどの蒸気を当て織目や布目を整える
- ➁柄合わせ、柄裁ち
- 柄が引き立つように模様の配置を調整する
- ➂裁断
- 生地の種類や柄によってハサミの使い方にも違いがある
- ➃標付け
- ヘラ付けのこと 裁断した生地にヘラで縫製する為の印を付ける
- ➄縫製
- 基本的に手縫い 強度を保ちながらも仕立て直し時を考えて解き易く縫う
- ➅検品、検針
- 寸法が間違っていないか、針が残っていないかなどをチェック
- ➆仕上げ
- アイロンやコテなどでシワを伸ばす
- ➇押し(圧し)
- 表地と裏地がなじむように圧力をかける
早い所では3日で仕上げるというお店もあるようですが、だいたい1ヶ月~1ヶ月半程度時間を要するケースが多いようです。
3.こんなところが違います~改めて比べてみる和服と洋服
洋服は…
- 体のラインが分かる立体的なデザイン
- 動きやすい
- ボタン・ファスナー等を使用
- 生地を曲線で裁断する
- 殆どの場合ミシンで縫う為、生地が傷みやすい
- 体型が変わると着られない物が多い
- 誰でも簡単に脱ぎ着が可能
和服は…
- 体のラインを隠す直線的なデザイン
- 動きに限度あり
- 紐や帯を使用
- 生地を直線で裁断する
- 殆どの場合手縫いの為、生地が傷みにくい
- 体型が変わっても着られる
- 姿勢が良くなる
- 着付けを知らないと一人で着ることが出来ない
メリット・デメリットはそれぞれにありますし、好みもその人次第。
慣れれば苦ではなくなるのだと思いますが、和服の着付けがもう少し簡単だと普段から着てみようという気になりやすいかも知れませんね。
4.見て、触って、着てみることで、もっと身近に
今では特別な時に着るというイメージが強い着物。
- 着たいけど、ひとりでは着付けが出来ない
- 動きにくいし、着崩れが気になる
- 着ている人が少ないから、ひとりで着るのは恥ずかしい
そんな理由から普段着としては敬遠されてしまいます。
誰もが着付けを学べるように、学校の授業に取り入れたらいいのに…という声も聞かれます。
着物は日本の民族衣装。
外国の人から見ると、「日本人の大半が自分で着物を着ることが出来ない」のは意外なことのようです。
若い世代が実際に「見て、触って、着てみる」機会を持ち、着物について学び、身近に感じることで、そのイメージは大きく変わっていくのかも知れません。
|