李白「秋浦歌」は近体詩の中でも有名な漢詩で、唐詩選に収録されています。
高校古典漢文の教科書にも出てきますよね。
ちなみに近体詩とは、漢詩の詩体の一つで、今体詩ということもあります。
古体詩より後の唐代初期に完成し、一定の格律の制約を受けることが特徴となっています。
今回はそんな近体詩の中でも特に有名な李白の「秋浦歌」について、原文と書き下し文・現代語訳を単語の解説と合わせてご紹介したいと思います。
李白「秋浦歌」の原文
李白「秋浦歌」の書き下し文
【秋 浦 歌】 李白
白髪三千丈
愁ひに縁りて箇くの似く長し
知ず明鏡の裏
何の処にか秋霜を得たる
李白「秋浦歌」の現代語訳
【秋 浦 歌】 秋浦の地での歌
白髪は三千丈もあろうか、
積もる愁いのためにこんなにも長くなってしまったのだろう。
よく磨き上げられ美しく澄んだ鏡の中、
秋に降りる霜にも似たこの白さは、いったいどこで身につけたものだろうか。
李白「秋浦歌」の単語
[三千丈】
実際の長さではなく一種の誇張表現。
[縁 愁]
愁いのために。
[似レ 箇]
このように。
[明 鏡]
曇りのない澄んだ鏡。
[裏]
うち。中。
[何 処]
いったいどこで。
[秋 霜]
秋に降りる霜。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は高校古典の教科書にも出てくる、近体詩の中でも特に有名な李白の「秋浦歌」について、原文と書き下し文・現代語訳を単語の解説と合わせてご紹介しました。
ご参考になれば幸いです。