王勃の「送杜少府之任濁州」は近体詩の中でも有名な漢詩で、唐詩選に収録されています。
高校の漢文の授業でも習いますよね。
ちなみに近体詩とは、漢詩の詩体の一つで、今体詩ということもあります。
古体詩より後の唐代初期に完成し、一定の格律の制約を受けることが特徴となっています。
今回はそんな近体詩の中でも特に有名な王勃の「送杜少府之任濁州」について、原文と書き下し文・現代語訳を単語の解説と合わせてご紹介したいと思います。
王勃「送杜少府之任濁州」の原文
王勃「送杜少府之任濁州」の書き下し文
杜少府の任に濁州に之くを送る 王勃
城闕三秦を輔とし 風煙五津を望む
君と離別の意 同じく是れ宦遊の人
海内知己存せば 天涯も比隣のごとし
為す無かれ岐路に在りて 児女と共に巾を霑すを
王勃「送杜少府之任濁州」の現代語訳
【杜少府の任に濁州に之くを送る】 友人と別離による悲哀と、それを克服しようとする強い意志。
ここ長安の宮城は三秦の地によって守られ、風に漂うもやの彼方に(君が赴任する蜀の地の)五つの渡し場を望むことができる。
君と別れなければならない今の気持ちは、(君も私も)ともに役人となって故郷を離れているというもの(=故郷を離れているという点では二人は同じだ)。
この広い世界に自分のことを理解してくれる友人がいれば、どんなに離れていても隣近所にいるようなものだ。
(だから)やめよう、この別れている道にあって、二人がこどもたちのように手巾を涙でぬらすなどということは
王勃「送杜少府之任濁州」の単語
[城 闕 輔二 三 秦]
第二句と対句をなしている。
[与レ 君 離 別 意]
第四句と対句をなしている
[同]
あなた(=杜少府)と私(=王勃)を指す。
[遊]
旅に出る。
[海 内 存二 知 己]
第六句と対句をなしている。
[天 涯]
天の涯。
[若二 比 隣]
隣近所にいるようなものだ。
[無レ 為 在二 岐 路]
やめよう、この分かれ道にあって。
[児 女 共 霑レ 巾]
子どもたちのようにハンカチをぬらすことを。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は高校古典の教科書にも出てくる、近体詩の中でも特に有名な王勃の「送杜少府之任濁州」について、原文と書き下し文・現代語訳を単語の解説と合わせてご紹介しました。
ご参考になれば幸いです。