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日本庭園と石灯籠、日本の石工品産地一覧

枯山水
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枯山水
自然の景観を手本に、風情ある景色を作り上げる日本庭園。
西洋の人工的、直線的、左右対称の美とは正反対の美しさを持っています。

そんな日本庭園でよくみかけるのが、石灯籠。
今回は日本庭園と石灯籠、そして石工品の産地一覧をご紹介したいと思います。

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1.日本庭園とは

日本庭園
日本庭園の最大の特徴は、自然表現にあります。
西洋や中東では”自然は人が作るもの”という考えで作られますが、日本では”自然に生かされる人間”という考えで庭園が作られます。
その為、庭園を自然の縮景として表現し、苔の築山で野山、石組で山岳、池で海を表します。

2.日本庭園の種類

日本庭園の形態は大きく分けて下記の3つに分類する事が出来ます。

2-1.池泉庭園(ちせんていえん)

池泉庭園
川や池といった池泉を伴った庭園です。
池で大海を表現しており、小さな島を作ってそこへ橋を架ける庭園が多く見受けられます。

庭園の鑑賞の仕方には、池の周りを歩いて鑑賞する”廻遊式(かいゆうしき)”と、池に船を浮かべて水上から鑑賞する”船遊式(しゅうゆうしき)”があります。

池泉庭園は平安時代、貴族の邸宅に好んで設けられましたが、その頃の遊びに「船楽(ふながく)」というものがあります。
これは底が平らな高瀬舟に龍や鷁(げき)の首がついた「龍頭鷁首(りゅうとうげきすせん)」という船に乗って月を愛でながら和歌を詠んだり、音楽を聞いたりするというものです。

この船楽の再現を見たり体験したり出来るお祭りがありますので、下記にご紹介します。

「観月の夕べ」大覚寺・京都


観月の夕べの起源は、嵯峨天皇が大沢池にて船を浮かべて中秋の名月を楽しんだことといわれています。
水面に映る月と、空に浮かぶ月の両方を楽しむ事が出来るお祭りです。

開催日時 9月中旬
住所 〒616-8411 京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
HP 大覚寺HP
料金 1,000円(拝観料別途)

「三船祭(みふねまつり)」車折神社(くるまざきじんじゃ)・京都


三船祭は昭和3年に始まったお祭りで、毎年5月の第3日曜日に開催されます。
御祭神の清原頼業公が活躍した平安時代の船遊びを再現しています。
伝統芸能の披露のほか、選考で選ばれた女性が清少納言に扮して登場する演出も行われます。

開催日時 5月の第3日曜日
住所 〒616-8343 京都府京都市右京区嵯峨朝日町23
HP 車折神社HP

「采女祭(うねめまつり)」采女神社・奈良

奈良時代に天皇の関心が薄れたことを悲観して入水した采女(うねめ)の霊を慰めるお祭りです。
市内を花扇奉納行列が練り歩くほか、2隻の管絃船が池に浮かぶ流し灯籠の間をぬって進み、最後に花扇を池に投じる演出も行われます。

開催日時 9月中旬
住所 〒630-8218 奈良県奈良市樽井町
HP 奈良市観光協会公式ホームページ

2-2.枯山水庭園(かれさんすいていえん)

枯山水
水を使用せず、代わりに砂や石を使って川や水の流れを表現する庭園。
禅の思想と共に広がっていきました。
砂の流れに川を感じ、石に険しい山岳をみる枯山水は、禅の精神性ととても親和性が高かったのです。

特に枯山水形式の庭園が広まったきっかけになったのが、応仁の乱でした。
それまでの池泉庭園の多くが破壊され、経済的にも衰弱した権力者には豪華な庭園を作ることが出来ません。
そこで、費用をおさえつつ狭い土地でも自然を表現する事ができたのが枯山水だったのです。

2-3.茶庭(ちゃにわ)

茶庭
茶庭は茶人によって生み出された庭園です。
露地(ろじ)ともいわれ、侘び寂びを感じる事が出来る茶庭は後の坪庭にも影響を与えました。

茶庭では自然の山中が表現され、質素な構成が好まれます。
茶席に招かれた客人が亭主の迎えを待つ腰掛待合や手を洗うための蹲(つくばい)、灯籠なども亭主の心意気が込められます。

そもそも日本庭園に灯籠が置かれるようになったのは、茶庭がはじまりでした。
本来灯籠は寺社で献灯の為に用いられていましたが、そこに千利休が美的価値を見出して庭園に持ち込んだのが起源とされています。
下記に庭園に用いられる主な石灯籠の種類をご紹介します。
※画像は参考です。

八角灯籠

八角灯籠
その名の通り八角形の灯籠で、寺社で多く用いられる基本的な灯籠です。

織部灯籠

織部灯籠
古田織部によって考案されたことから名前が付いた灯籠で、四角形をしています。
多くは竿の下部に立像を浮彫しており、切支丹灯籠といわれる事もあります。

雪見灯籠

雪見灯籠
中台部分は竿でなく脚が付いた灯籠です。
桂離宮にあるものが有名です。

琴柱(ことじ)灯籠

琴柱灯篭
二本脚で構成される灯籠で、雪見灯籠の一種です。
金沢の兼六園のものが有名です。

岬灯籠

岬灯籠
主に池泉庭園の水辺に置かれる灯籠です。

3.日本の石工品一覧

3-1.真壁石灯篭

真壁石灯篭とは茨城県(桜川市)で主に生産される伝統的工芸品で、繊細に施される彫刻が特徴の石灯篭です。
16世紀頃、この地で仏石作りが始まったのが起源とされています。

江戸時代には石灯籠が常夜燈として地域の神社に奉納され、技術も向上していきます。
明治維新後は真壁石が建築材として用いられるようになり、生産規模は拡大しました。
現在では庭園に置かれる製品も生産しています。

真壁石燈籠の原料の真壁石は、堅牢で非常に丈夫である良質な石で、様々な用途に用いられ、特に迎賓館に使用された際に広く知られるようになりました。
現在でも、皇居の縁石や三越本店にも使用されています。
加工には高度な技術が必要で、多種多様な道具と技法を用います。

産地情報

名称 真壁石材協同組合
住所 〒300-4408
茨城県桜川市真壁町真壁402

3-2.岡崎石工品

岡崎石工品とは愛知県(岡崎市)で主に生産される伝統的工芸品です。
元々は寺社仏閣の燈明が作られていましたが、現在は常夜燈や庭園用具など様々なものに利用されています。

岡崎石工品は16世紀、岡崎城主の田中吉政が城下町の整備の為に石工を招いて作らせたのが起源とされています。
付近には良質の花崗岩があり、矢作川を使って製品を関東や関西まで運ぶことが出来たので、大きく発展していきました。

産地情報

名称 岡崎石製品協同組合連合会
住所 〒444-0039
愛知県岡崎市花崗町5番地

3-3.京石工芸品

京石工芸品とは京都府(京都市、宇治市、亀岡市、向日市、八幡市)で主に生産される伝統的工芸品です。
1人の石工がほとんどの工程をまかなう、主に庭園向けに作られる石工品です。

平安建都によって大内裏が造営される際、多くの石が必要になりました。
そこで多くの石工が集まったのが、京石工芸品の起源とされています。
京石工芸品は仏教や茶道に大きな影響を受け、京都の風情漂う優雅な彫刻の製品が生み出されてきました。

産地情報

名称 京都府石材業協同組合
住所 〒602-8035
京都府京都市上京区六町目6-210

3-4.出雲石灯ろう

出雲石燈ろうとは鳥取県(境港市)、島根県(出雲市、松江市)で主に生産される伝統的工芸品です。

出雲石燈ろうの歴史は古く、平安時代から生産されてきました。
江戸時代にはその品質の高さから松江藩主の松平直政は藩外への持ち出し禁止を禁止し、保護する程でした。

出雲石燈ろうの原材料は、元々はみかげ石でしたが、現在では来待石を用いています。
この石は苔がつきやすい為、日本庭園にもよく馴染み、重宝されました。
その美しさから美術品としても重宝されてきました。

産地情報

名称 来待石灯ろう協同組合
住所 〒699-0404
島根県松江市宍道町東来待1644-1

工芸
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