菅茶山の「冬夜書を読む(冬夜読書)」は黄葉夕陽村舎詩に収録されている有名な日本の漢詩文です。
高校の漢文の授業でも習いますよね。
今回は漢詩の中でも特に有名な菅茶山の「冬夜読書」について、原文と書き下し文・現代語訳を単語の解説と合わせてご紹介したいと思います。
菅茶山「冬夜読書」の原文
菅茶山「冬夜読書」の書き下し文
「冬夜書を読む」
雪は山堂を擁して樹影深し
憺鈴動かず夜沈沈
閑かに乱帙を収めて疑義を思ふ
一穂の青灯万古の心
菅茶山「冬夜読書」の現代語訳
「冬の夜に書物を読む」
雪は山中の家を埋め尽くして、(周囲の)木々の影は(黒々として)奥深い。
軒端につるした風鈴も、(風がないので)動かず(ひっそりとして)、夜はしんしんと更けてゆく。
帙から出して取り散らかした書物を、心静かに元どおりに収めながら、(今しがた読んだ書物の)意味のわからないところを考え続ける。
(すると)一つの(稲穂のような)青白い灯火が燃え立ち、大昔の聖賢の心を明るく照らし出してくれる。
菅茶山「冬夜読書」の単語
擁(二)山堂(一)
山中の家を埋め尽くして。
夜沈沈
夜はしんしんと更けてゆく。漢詩の「春夜」に用いられた有名な表現で、ここでは冬の静けさを表現している。
閑
心静かに。
帙
書物をまとめて包むもの。転じて、書物。
疑義
意味のわからないところ。疑わしいところ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は高校古典の教科書にも出てくる、漢詩の中でも特に有名な菅茶山の「冬夜書を読む(冬夜読書)」について、原文と書き下し文・現代語訳を単語の解説、テスト問題と答えと合わせてご紹介しました。
ご参考になれば幸いです。