越中福岡の菅笠(えっちゅうふくおかのすげがさ)は富山県高岡市、福岡町で作られる伝統工芸品です。
2017年11月30日には、新たに国の伝統的工芸品にも指定されました。
今回はそんな越中福岡の菅笠について、ご紹介します。
越中福岡の菅笠とは
越中福岡の菅笠は、越中(=現在の富山県)の福岡という場所で作られる伝統工芸品です。
この地域で自生していたスゲ草を用いて蓑(みの)を作り始めた事がルーツといわれています。
その後村の副業として発展し、菅笠が作られるようになっていきました。
加賀前田家5代当主・前田綱紀の時代になると、藩の保護と後押しを受けて、一つの産業として根付くようになります。
最盛期の1864年には210万枚もの笠が出荷されたといいます。
現在は需要の低下によって生産数は減少していますが、菅笠のシェアは9割を越え、日本一の菅笠産地となっています。
越中福岡の菅笠の作り方
2017年には経済産業大臣が指定する国の伝統的工芸品にも選ばれた、越中福岡の菅笠。
その指定の際に定められた製作要件は下記の通りです。
1.「笠骨」は、次の技術又は技法によること。
①「外輪骨(がわぼね)」は、「爪」を施して輪にし、「爪」を重ねて留めること。
②「中骨」は、頭頂部の重なり部分を薄く削り、「外輪骨」に差し込むこと。
③曲げ工程をする場合は、「中骨」を加熱して曲げること。
2.「笠縫い」は、次の技術又は技法によること。
①笠裏には、「シカケ」をすること。
②「ノズケ」で取り付けた菅草をしごいた後、糸で縫い上げること。
③頭頂部は、「頭止め」をすること。
[原材料]
1.使用する竹材は、外輪骨には、カラタケマダケ若しくはモウソウチク又は、これらと同等の材質を有するものとすること。中骨には、メダケ又はこれと同等の性質を有するものとすること。
2.菅草は、カサスゲ又はこれと同等の性質を有するものとすること。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は富山県高岡市、福岡町の伝統工芸品である越中福岡の菅笠(えっちゅうふくおかのすげがさ)についてご紹介しました。
その他については下記の関連記事をご覧下さい。
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