日本で3番目に広い面積を持ち、豊かな自然を誇る福島県。
今回はそんな福島県にある伝統工芸品を一覧でまとめてご紹介します。
福島県の伝統工芸品
福島県の国指定伝統的工芸品を一覧でまとめてご紹介します。
大堀相馬焼
福島県双葉郡浪江町で主に生産される伝統工芸品、大堀相馬焼(おおぼりそうまやき)。
【起源】
大堀相馬焼は江戸時代、中村藩士の半谷休閑が大堀で陶土を発見し、下男の左馬に命じて器を焼き始めたのが起源とされています。
その後相馬藩の保護により、100以上の窯元が並び、東北地方で最大の産地となりました。
【特徴】
大堀相馬焼は、青磁釉(青みがあり透明感のある釉薬)を用いた陶器が有名です。
また、表面にランダムに現れる「青ひび」や、「走り駒」の意匠、「二重焼」の技法が特徴とされています。
産地情報
名称 | 大堀相馬焼協同組合 |
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住所 | 〒〒969-1513 福島県二本松市小沢字原115-25 陶芸の杜おおぼり 二本松工房内 |
会津本郷焼
福島県の伝統工芸品、会津本郷焼(あいづほんごうやき)。
会津本郷焼は16世紀の終わり頃、薩摩の瓦工を呼び、鶴ヶ城の屋根瓦を作らせたのが起源です。
その後瀬戸の陶工”水野源左衛門”を呼び技術を発展させ、”佐藤伊兵衛”が現在の会津本郷焼の基礎を築きました。
陶器だけでなく、良質な陶石が採れることから磁器作りも行われています。
産地としては、明治時代から電線の絶縁の為に用いられる”がいし”の生産も行っており、産地の柱となってきました。
現在は14の窯元が有り、伝統を現在につなげています。
国権酒造近くにある和泉屋魚店。「ニシンの山椒漬けは…」と聞くとニシン鉢が出てきて、欲しい本数を売ってもらえます。漬けてあるニシンを見たのは初めてだ! pic.twitter.com/g0f96kfdkR
— tomomowl (@tomomowl) June 13, 2016
会津本郷焼で有名なのが、ニシンを漬ける為の”ニシン鉢”です。
主に飴色の釉薬が用いられ、その民芸的な美しさから1958年のブリュッセル万国博覧会ではグランプリも受賞しています。
また、近年では特徴的な青色の磁器が人気となっています。
美しいグラデーションのポイントは釉薬の2度がけです。
まずは青を発色するコバルトを含んだ釉薬をかけます。
このまま焼いてしまうと黒に近い青になってしまう為、2回目に石灰を含んだ釉薬をかけ、美しい青色を発色させます。
産地情報
名称 | 会津本郷焼事業協同組合 |
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住所 | 〒969-6042 福島県大沼郡会津美里町瀬戸町甲3162 |
会津塗
福島県の伝統的工芸品、会津塗(あいづぬり)。
16世紀頃から生産されており、海外にも輸出される漆器です。
会津塗は16世紀、戦国時代に領主となった蒲生氏郷(かもううじさと)が前の領地(現在の滋賀県)から職人を呼び寄せて生産を始めたのが起源とされています。
会津塗には独特の技法が多く、水あめに金粉を混ぜて後で水あめだけ洗いとる「消金粉(けしきんぷん)」や色粉で絵柄を描く「朱磨き」などがあります。
絵柄にも「会津絵」という独自のものがあり、これは檜垣、松竹梅、破魔矢を組み合わせて描かれます。
産地情報
名称 | 会津漆器協同組合 |
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住所 | 〒965-0042 福島県会津若松市大町1-7-3 福島県伝統産業会館 内 |
奥会津編み組細工
福島県大沼郡三島町で主に生産される伝統的工芸品、奥会津編み組細工(奥あいづあみくみざいく)。
冬季の間の仕事として発展し、今でも籠などの製品が作られています。
主にヒロロ細工、山ブドウ細工、マタタビ細工に分類されます。
【起源】
奥会津編み組細工は18世紀頃から生産が始まったとされ、自家用の農作業道具や籠などが作られていました。
産地情報
名称 | 奥会津三島編組品振興協議会 |
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住所 | 〒969-7402 福島県大沼郡三島町大字名入字諏訪ノ上395番地 三島町生活工芸館内 |
奥会津昭和からむし織
福島県大沼郡昭和村の伝統工芸品、「奥会津昭和からむし織」。
2017年には国の伝統的工芸品にも指定されています。
奥会津昭和からむし織は、福島県大沼郡昭和村で作られる伝統工芸品で、その名の通り”からむし”という植物を使った織物です。
からむしは、イラクサ科の多年草で、別名を「苧麻(ちょま)」とも言います。
ちなみに新潟の小千谷縮や越後上布、沖縄の宮古上布に八重山上布なども同じ原料を使っています。
1.植付
2.からむし焼き
3.垣結い
4.収穫
5.浸水
6.からむし剥ぎ
7.からむし引き
8.乾燥
9.苧績み(おうみ)
10.撚りかけ
その他の伝統工芸品
経産大臣指定の伝統的工芸品以外も含めると、福島県には下記の伝統工芸品もあります。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は福島県の伝統工芸品を一覧でまとめてご紹介しました。
その他については下記の関連記事をご覧下さい。
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日本の伝統工芸品まとめ