日本に数多く存在する伝統工芸品。
今回は、そんな伝統工芸品の中でも四国地方の工芸品を一覧でまとめてご紹介したいと思います。
徳島県の伝統工芸品
徳島県の国指定伝統的工芸品を一覧でまとめてご紹介します。
阿波正藍しじら織
徳島県徳島市で生産される伝統的工芸品、阿波正藍しじら織(または阿波しじら織)。
阿波藍の色味と独特のシボの肌触りで、特に夏に人気がある綿織物となっています。
1978年には経済産業省指定伝統的工芸品に指定されています。
[起源]
寛政年間に作られていた「たたえ織」という木綿縞が起源です。
現在の形になったのは明治初期の頃、海部ハナが戸外に干していた木綿縞が突然の雨によって濡れてしまい、それを晴れ間で干してから取り入れたところ、ところどころ生地にシボが出来ていました。
シボになっていた部分は、ハナが糸の本数を間違えて織り上げていた箇所で、この経験を元に改良して現在の形の阿波しじら織りになりました。
[特徴]
シボのおかげでさらりと肌触りがよく、べたつくことがありません。
綿素材であることから吸湿性にも富み、軽くて清涼感を味わえる夏の着物として最適です。
産地情報
名称 | 阿波しじら織協同組合 |
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住所 | 〒779-3122 徳島県徳島市国府町府中字宮ノ西679-2 |
大谷焼
徳島県鳴門市で主に生産される伝統的工芸品、大谷焼(おおたにやき)。
大谷焼は18世紀、豊後からやってきた職人の文右衛門という人物が赤土を用いて焼き始めたのが起源とされています。
その後は藩主の蜂須賀治昭公が九州の職人を呼び寄せ、上記とは別で窯を開き、磁器も生産されるようになりましたが、原材料の取り寄せに費用がかかり3年ほどで廃窯してしまいます。
その後、藩の藍商人が自分の弟に信楽焼の技術を学ばせ、登り窯を築きます。
こうして水かめや藍染に用いるかめの生産を開始し、現在の大谷焼の起源となりました。
現在は6件の窯元が大谷焼の生産を行っています。
[特徴]
大谷焼は、巨大な水かめなどを作る際、寝ろくろという独自の技法を用います。
一人が地面に寝ながら足でろくろを回し、もう一人が上で形を作っていきます。
原料の陶土には鉄分が多く含まれ、独特の光沢を持ちます。
産地情報
名称 | 大谷焼陶業協会 |
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住所 | 〒779-0302 徳島県鳴門市大麻町大谷字西台3番地 大麻町商工会内 |
阿波和紙
徳島県吉野川市、三好市、那賀郡那賀町で主に生産される伝統的工芸品、阿波和紙(あわわし)。
徳島県のもう一つの特産品、藍染を用いた和紙作りも行われています。
阿波和紙は8世紀ころ、阿波忌部氏(あわいんべし)という人物によって生産が開始されたといわれています。
[特徴]
阿波和紙は非常に丈夫な特性を持ち、水にも強いです。
常に新しい製品作りに取り組み、特に藍染紙は人気となっています。
産地情報
名称 | 阿波手漉和紙商工業協同組合 |
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住所 | 〒779-3401 徳島県吉野川市山川町川東141 阿波和紙伝統産業会館内 |
香川県の伝統工芸品
香川県の国指定伝統的工芸品を一覧でまとめてご紹介します。
香川漆器
香川県で生産される伝統工芸品、香川漆器(かがわしっき)。
[起源]
香川漆器は19世紀の初めに玉楮象谷(たまかじぞうこく)が様々な漆器製品を作り始めたのが起源とされます。
玉楮象谷の名は香川漆器の技法の一つ、象谷塗(ぞうこくぬり)としても現在に残されています。
現在では、60程の工房が香川漆器作りに取り組み、日々伝統を繋ぎながら、新たな製品づくりに取り組んでいます。
[特徴]
多種多様な技法が使われる事が特徴の香川漆器。
その中でも「彫漆(ちょうしつ)」、「蒟醤(きんま)」、「存清(ぞんせい)」、「後藤塗(ごとうぬり)」、「象谷塗(ぞうこくぬり)」の5つの技法が代表的です。
産地情報
名称 | 香川県漆器工業協同組合 |
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住所 | 〒761-0101 香川県高松市春日町1595 |
丸亀うちわ
全国のうちわの生産量の約9割を占めている丸亀うちわ。
平成9年に国の伝統工芸品に指定されました。
朱赤に丸金印が特徴です。
丸亀うちわは寛永10年(1633年)金毘羅大権現の別当金光院住職・宥睨(ゆうげん)が考案し、その後丸亀藩の地場産業として発展していきます。
うちわ作りに必要な竹は伊予(愛媛県)から、紙は土佐(高知県)、糊は阿波(徳島県)というように、その材料の産地が近かったことも、長く続けられた理由のひとつでしょう。
丸亀うちわの特徴は柄と骨が1本の竹から作られているということ。
ちなみに京うちわの場合は柄と骨が別に作られる差し柄という手法が取られています。
愛媛県の伝統工芸品
愛媛県の国指定伝統的工芸品を一覧でまとめてご紹介します。
砥部焼
愛媛県松山市、伊予郡松前町及び砥部町で主に生産される伝統的工芸品、砥部焼(とべやき)。
白磁の表面に、呉須(ごす)という藍色の顔料で模様を描く磁器です。
砥部焼は、大洲藩主である加藤泰候(かとうやすとき)が経済政策の一環として砥石くずを使った磁器の生産を始めたのが起源とされています。
砥部焼は、白磁の表面に藍色で模様を描きます。
焼き上がりは非常に堅く丈夫で、厚めのぽってりとした形も人気となっています。
関連記事:砥部焼まつりの開催情報|交通アクセス&駐車場|砥部町の陶器市
産地情報
名称 | 砥部焼協同組合 |
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住所 | 〒791-2132 愛媛県伊予郡砥部町大南604番地 |
大洲和紙
愛媛県西予市、喜多郡内子町で主に生産される伝統的工芸品、大洲和紙(おおずわし)。
様々な用紙に用いられ、特に書道用紙としての人気が高い和紙です。
大洲和紙は9世紀頃より生産されており、江戸時代には大洲藩の保護のもと生産が拡大していきました。
大洲和紙は表装用紙や書道用紙、障子紙として利用されており、特に書道用紙の墨なじみの良さには定評があります。
非常に薄く漉かれており、紙肌のつややかさも特徴です。
産地情報
名称 | 大洲手すき和紙協同組合 |
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住所 | 〒795-0303 愛媛県喜多郡内子町平岡甲1240-1 |