小倉百人一首にも収録されている、小式部内侍の下記の和歌。
「大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立」
今回は上記の小式部内侍の和歌について、意味や現代語訳、読み方などを解説していきたいと思います。
百人一首の第60首目の読み方と意味
まずは小倉百人一首に収録されている小式部内侍の60番歌について、読み方と意味をみていきましょう。
大江山いく野の道の遠ければ
まだふみも見ず天の橋立
まだふみも見ず天の橋立
小式部内侍
【和歌の読み方】
おほえやまいくののみちのとほければ
まだふみもみずあまのはしだて
【和歌の意味】
大江山や生野を超えて丹後へゆく道のりは遠いので、まだ天橋立の地を踏んだことはございませんし、丹後の母からの文もまだ届いておりません。
【単語解説】
”大江山”:山城国と丹波国の間にある山。
”いく野”:丹波国天田郡にある。「行く」という意味も掛かっている。
”まだふみも見ず”:天橋立の地へまだ訪れていないという意味と、手紙がまだ届いていないという二つの意味が掛かっている。
”天橋立”:丹後国にあり、日本三景の一つとしても有名。
百人一首の60番歌の解説
和泉式部を母に持つ作者が、歌合で藤原定頼に「丹後にいる母上に人をやって代作を頼みましたか。手紙を持った使者はまだ帰ってきませんか」とからかわれた時に即興で詠んだ歌です。
この秀歌によって自身の才能を証明しました。
作者について
作者は小式部内侍(こしきぶのないし)。[生年不明〜1025年]
平安時代の女流歌人で、女房三十六歌仙の一人です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は百人一首の60番歌、小式部内侍の「大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立」の和歌について現代語訳と意味解説をさせて頂きました。
ご参考になれば幸いです。
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