行田足袋(ぎょうだたび)は埼玉県行田市の伝統工芸品です。
2019年11月には、国の伝統的工芸品にも指定されました。
今回はそんな行田足袋について、ご紹介したいと思います。
行田足袋とは
埼玉県行田市で足袋が作られるようになったのは、行田市が木綿の産地であった事が関係しています。
更に近くには中山道も通っており、旅人たちが多く行き交っていました。
そこで、旅人達にも販売出来るように、旅行や作業に使用する足袋作りが行われるようになっていったのです。
明治に入るとミシンの導入によって生産量は飛躍的に増加します。
1938年には足袋の全国シェア8割を占めるほど、行田の足袋は定着していきました。
行田足袋が出来るまで
足袋は一見シンプルな作りに見えますが、実はとても奥が深いものでもあります。
準備から完成まで、行田足袋の製造工程は下記の13に分かれています。
1.準備:ひきのし布を裁断する為、10枚重ねる
2.通し:足袋の型をあて、布を裁断する
3.かけとおし:コハゼをかける糸を通す
4.押さえ:通した糸が動かないように止める
5.ハギマチ:コハゼをつける箇所の裏に布を縫いつける
6.コハゼつけ:コハゼを縫いつける
7.羽ぬい:表地と裏地を縫い合わせる
8.甲ぬい:甲の部分を縫い合わせる
9.尻どめ:かかとを丸く縫う
10.つまぬい:爪先を縫う
11.まわし:爪先以外を縫う
12.千鳥:まわし縫いした所をギャザーにからみ縫いする
13.仕上げ:最後に形を整える
陸王と行田足袋
2017年に放送された池井戸潤さんの小説原作・TBSドラマ「陸王」では、行田市が足袋の町として登場しました。
埼玉県行田市にある老舗足袋業者「こはぜ屋」の4代目社長である宮沢さんを主人公として、需要が減っていく足袋をなんとかしようと、足袋作りの技術を活かしたランニングシューズの開発に挑むという物語になっています。
このモデルになったのは実際に存在する「きねや足袋株式会社」で、ランニング足袋の販売も行っています。
関連リンク:きねや足袋
ソールにクッションなどの保護材は使用せず、限りなく素足に近い履き心地をぜひお試しください!●ランニング足袋(レディス:22.0~24.5cm、メンズ:25.0~28.0cm・29.0cm・30.0cm)5,400円/〈きねや無敵〉ランニング足袋:11月22日(水)まで、7階スポーツ用品売場 #tokyu_dept pic.twitter.com/xyMeGXQKEU
— さっぽろ東急百貨店 (@TOKYU_DEPT_sp) November 18, 2017
日本遺産
日本の文化・伝統を語るストーリーを認定する文化財制度、「日本遺産」。
文化庁が平成27年度に始めたものですが、埼玉県行田市も「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」として平成29年4月に認定されました。
関連リンク:日本遺産
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は埼玉県行田市の伝統工芸品、行田足袋(ぎょうだたび)についてご紹介しました。
その他については下記の関連記事をご覧下さい。
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