「神秘的な古都・奈良」~吉水神社や法隆寺、春日大社の歴史や見どころに触れてみよう

奈良公園の鹿
「兎に角、奈良は美しい所だ。自然が美しく、残ってゐる建築も美しい。」
そう書き残しているのは、「暗夜行路」などの作品で知られる志賀直哉。奈良公園に隣接する場所に住んでいたことがあるほど、奈良をこよなく愛する文豪でした。
そんな奈良には世界遺産に登録された社寺も多く、東大寺、興福寺、薬師寺、元興寺、唐招提寺、春日大社、法隆寺、法起寺、金峯山時、大峰山寺、玉置神社、吉水神社、吉野水分神社、金峯神社などがあります。

ここではこの世界遺産の中でも特にオススメの3社寺と、たくさんの鹿と触れ合える人気スポット「奈良公園」、そして奈良のグルメや便利でお得な移動手段などについてもご紹介します。

【目次】
1.奈良の世界遺産その①~花見の宴と悲恋の舞台で知られる吉水神社
2.奈良の世界遺産その②~世界最古の木造建築、聖徳太子ゆかりの法隆寺
3.奈良の世界遺産その③~平成30年に1250周年を迎える春日大社
4.鹿と緑と歴史あふれる奈良公園
5.奈良公園のオススメスポット
6.ワンコインバスやレンタサイクルが移動に便利!
7.奈良のグルメ~オススメ5選
8.癒される理由

1.奈良の世界遺産その①~花見の宴と悲恋の舞台で知られる吉水神社

吉水神社の写真

日本最古の書院建築として、ユネスコに世界遺産登録された書院です。初期書院造の代表的傑作とも言われています。
吉水神社は後醍醐天皇、楠木正成を祭神とする神社。

兄である源頼朝に追われた義経が弁慶や静御前とともに身を隠した場所、また豊臣秀吉が花見の本陣にしたことなどで知られています。
後醍醐天皇玉座の間、義経潜居の間、太閤秀吉花見の間などがあります。

書院内展示物

「後醍醐天皇」
竹文台硯箱、石硯、陣羽織、楠木正成公所持の矢筒、毘沙門天像など

「源義経、静御前、弁慶」
義経の鎧、義経の鞍、静御前着用の着物、弁慶七つ道具など

「豊臣秀吉」
襖絵、豊太閤愛用金屏風、秀吉公寄贈の湯釜、青磁の壺、花瓶など

「その他」
弘法大師空海作の灰佛弁財天、一休和尚の墨書、水戸光圀公の書状など

「吉野山 峯の白雪踏み分けて 入りにし人の跡ぞ恋しき」

女人禁制の大峰山に逃れる義経ら一行を見送った静御前が詠んだとされる有名な歌です。
必ず再会できると信じ、義経を一途に恋慕う切ない思いが伝わってきます。

そんな大ロマンスの舞台となった吉水神社は縁結びの御利益があると言われています。

吉野山の桜を楽しむ

「年月を 心にかけし吉野山 花の盛りを今日見つるかな」

豊臣秀吉が総勢5千人を引き連れて行なったとされる盛大な花見の宴。
歌の会、茶の会、御能の会などを開き、5日間豪遊したとされる本陣がこの吉水院だったそうです。

吉野山には200種、約3万本の桜が山全体を覆っており、春には吉水神社の境内から「一日千本」の名称通りの絶景を楽しむことができます。

アクセス

近鉄吉野駅からロープウェイ山上(吉野山駅)から徒歩約15分

2.奈良の世界遺産その②~世界最古の木造建築、聖徳太子ゆかりの法隆寺

法隆寺の写真

推古15年(607年)に聖徳太子と推古天皇によって創建されたと伝えれています。
現存する世界最古の木造建築群。国宝・重要文化財の建築だけで55棟、多数所蔵している仏教美術品の中では国宝が38件・150点、重要文化財を含めると3104点に及びます。

「五重塔」
我が国最古の五重塔。
釈尊の遺骨を奉安するためのもので、仏教寺院において最も重要な建物とされています。高さは約31.5メートル。

「金堂」
法隆寺のご本尊を安置する聖なる殿堂です。聖徳太子のために造られた金銅釈迦三尊像、その父である用明天皇のために造られた金銅薬師如来座像、母の穴穂部間人皇后のために造られた金銅阿弥陀如来座像、そして我が国最古の四天王像が立っています。

「夢殿」
聖徳太子が住んでいたとされる斑鳩宮跡に、その遺徳を偲んで建てられた上宮王院(東院伽藍)の中心となる建物がこの夢殿です。八角円堂の中央にある厨子には聖徳太子等身と伝わる秘仏救世観音像が安置されています。

「毎月28日に護摩供養」
願い事を書いた護摩木を焚き、密教作法によって祈念する法要。

「求道会」
原則4~11月の第3日曜日に法話や講義の聴聞があります。

アクセス

JR法隆寺駅から法隆寺行バスで「法隆寺門前」下車すぐ

近鉄筒井駅から王寺行バスで「法隆寺前」下車徒歩5分

3.奈良の世界遺産その③~平成30年に1250周年を迎える春日大社

春日大社の写真
社殿が造られたのが神護景雲2年(768年)、現在のような規模に整えられたのは平安時代前期の頃と言われています。
朱塗りの社殿と春日灯籠、背後の春日山原始林の豊かな緑が印象深い春日大社。
平成30年に御創建1250年を迎えます。

また境内にある国宝殿(平成28年10月1日オープン・旧称春日大社宝物殿)には、国宝・重要文化財520点を含む約3000点が収蔵、公開されています。
美しい蒔絵を施した箏や化粧道具箱、日本の甲冑の代表として多くのメディアでも紹介される赤糸威大鎧と黒韋威胴丸。
また飾剣、毛抜形太刀、兵庫鎖太刀、革包太刀などの最高級品の太刀が揃って見られるのは春日大社国宝殿のみとなっています。

このほかにも舞楽で使用する舞楽面や舞楽装束、春日社創立の来歴を描いた種々の鹿曼荼羅、神様の使いである鹿を造形する様々な宝物が伝わっています。
春日大社には「春日大社神苑萬葉植物園」があり、万葉集に登場する草花約300種類が植えられています。

アクセス

JR大和路線、近鉄奈良線「奈良駅」から奈良交通バス(春日大社本殿行)、「春日大社本殿」下車すぐ

4.鹿と緑と歴史あふれる奈良公園

春日大社に祀られている神様「武甕槌命」が白い鹿に乗ってやってきたという伝説があり、万葉集には実際に鹿がいたことが書かれているそうです。

奈良公園の鹿は国の天然記念物に指定されていて、平成28年の調査では1180頭(オス236頭、メス715頭、子ども229頭)の生息が確認されています。

東大寺、興福寺、春日大社などの世界遺産を擁する形で広がっている奈良公園。
奈良の都が栄えた1300年前の昔に思いを馳せて、他に類のない広大な歴史公園を散策してみてはいかがでしょうか。

5.奈良公園のオススメスポット

奈良公園の写真

猿沢池

猿沢池
興福寺の放生池。
興福寺の五重塔と周囲の柳が一緒に水面に映る姿は美しく、「猿沢池月」は南都八景のひとつとなっています。

猿沢池の七不思議をご存知でしょうか。

「澄まず、濁らず、出ず、入らず、蛙はわかず、藻は生えず、魚が七分に水三分」
猿沢池は決して澄むことがないが、濁ることもない。
池に流入する川、また池から流出する川もないのに、常に水の量が一定。

亀はたくさんいるのに、蛙は一匹もいない。藻が生えない。
放生会で毎年たくさんの鯉が放たれているのに、鯉でいっぱいになることがない(放たれる鯉の量からいって、池の水よりも多いはずなのに…という意味)。

猿沢池には以上のような七不思議があるとされています。

浅茅ヶ原園地・浮見堂

浅茅ヶ原園地・浮見堂

浅茅ヶ原園地とは奈良公園にある静かな景勝地。重要文化財の円窓亭を取り囲むように250本の梅が咲き誇る片山梅林(見頃は2月中旬~)という梅の名所があります。
また鷺池に浮かぶように建つ浮見堂は檜皮葺きの八角堂形式(六角形)のお堂で、水辺の憩いの場としても親しまれています。

水面に映る姿も美しいのですが、ライトアップされた浮見堂は非常に幻想的です。

6.ワンコインバスやレンタサイクルが移動に便利!

便利なワンコインバス「ぐるっとバス」

バスを利用して奈良の中心部にある観光地を巡ることもできます。

料金は1乗車につき100円。通年の土日祝日を中心に(年末年始・奈良マラソン実施日を除く)、以下のルートを運行しています。
・奈良公園ルート 9:00~17:00  15分間隔で運行

奈良公園前(県庁前)→国立博物館→東大寺→奈良春日野国際フォーラム甍前→手向山八幡宮・二月堂前→若草山麓→春日大社→奈良春日野国際フォーラム甍前→東大寺→高畑駐車場・浮見堂→元興寺・ならまち→JR奈良駅西口→近鉄奈良駅→奈良公園前(県庁前)

・平城宮跡ルート 9:00~17:20 20分間隔で運行

奈良公園前(県庁前)→近鉄奈良駅→JR奈良駅西口→奈良市庁前→宮跡庭園→法華寺・海龍王寺→大極殿→朱雀門→宮跡庭園→奈良市庁前→JR奈良駅西口→ならまち・なら工藝館→奈良ホテル→奈良公園前(県庁前)

奈良の中心部は人気の観光スポットが多いだけでなく、県庁や県警本部、税務署や裁判所なども建ち並び、更には商業地でもあるため、車の通行量が非常に多くなっています。
駐車場を探す手間や渋滞に巻き込まれることを考えると、こういった公共の交通機関を利用する方が時間を有意義に使えるかも知れません。

また天候さえ悪くなければリーズナブルで小回りも効くレンタサイクル(利用料金は500円程度~)での移動もオススメです。

◯「ぐるっとバス」についての詳細
http://www.nara-access-navi.com/

◯奈良県のレンタサイクルについての情報

http://nara-cycling.com/omotenashi/rental/

7.奈良のグルメ~オススメ5選

「三輪そうめん」
三輪そうめん
桜井市を中心とした三輪地方で作られているそうめん。口当たりがなめらかでコシが強く、茹でた後も伸びにくいそうめんです。
「奈良漬け」
奈良漬
白瓜、胡瓜、西瓜、茄子、大根、生姜などを塩漬けにし、新しい酒粕に何度も漬けかえながら作る独特の風味のある漬物。
「柿の葉寿司」
柿の葉寿司
鯖や鮭などを柿の葉で包んだ押し寿司。柿の葉の香りが寿司に移ることで風味が良くなり、殺菌効果も高めると言われています。
「茶がゆ」
茶がゆ
奈良の郷土料理で、お茶で炊いたお粥のこと。その多くはほうじ茶で炊いていますが、緑茶や小豆茶などを使ったお粥もあります。
「吉野本葛」
吉野本葛
吉野地方が産地の葛粉。この葛粉で作られた葛あんかけ、葛湯、葛餅や葛まんじゅうなどの商品も人気があります。

8.癒される理由

「大和の魅力は、言うまでもなく飛鳥時代から奈良時代へかけての古い歴史の舞台であり、その歴史のかけらが到るところに散らばっているというところにある。寺院や塔や、寺院の建物の中に仕舞われている夥しい数の彫刻類ばかりではない。どの山も、どの丘も、どの川も、それぞれに歴史の山であり、丘であり、川である。」

そう記しているのは歴史小説にもファンが多い井上靖です。

世界遺産に登録された寺社などの神秘的で荘厳な美しさはもちろんのこと、のどかに広がる緑豊かな田園風景も、奈良に来て癒される大きな理由のひとつといっていいでしょう。






シェアする

フォローする

関連