人形に想いを込めて。日本の人形産地一覧とその種類

日本では今でも様々な地域で人形作りが行われています。
縄文時代の遺跡からも土偶が発掘されるなど、日本人は古くから人形を作ってきたのです。

そこで今回は、日本に残る伝統工芸品の中でも、人形についてご紹介します。

【目次】
1.人形の歴史
2.人形の種類
3.人形の行事
 3-1.ひな祭り
 3-2.五月人形
4.人形一覧
 4-1.宮城伝統こけし
 4-2.江戸木目込人形
 4-3.岩槻人形
 4-4.江戸節句人形
 4-5.駿河雛具
 4-6.駿河雛人形
 4-7.京人形
 4-8.博多人形
5.まとめ

1.人形の歴史

埴輪
人形は元々、人間の身代わりとして宗教的な行事などに用いられていました。
例えば今も残る”ひな祭り”も、わらなどで作った「ひとがた」で女の子の体を撫で、穢(けがれ)を川や海へ流す行事だったのです。

2.人形の種類

様々な種類がある人形ですが、主に下記の5種類に分類する事が出来ます。

土人形

粘土で人形の形を作り、素焼きして固めたのが土人形です。
上から彩色を施します。

木彫り人形

木材を削り、人形の形に彫り出すのが木彫り人形です。
こけしが代表的存在です。

木目込人形

粘土の一種である桐塑(とうそ)で人形の形を作り、胴体に掘った溝に布を埋め込むことで衣装を着ているように見せるのが木目込み人形です。
埼玉や東京で作られている江戸木目込み人形が有名です。

衣装人形

一般的な雛人形のように、衣装をしっかりと着せた人形が衣装人形です。
京人形や駿河雛人形が有名です。

3.人形の行事

日本には人形が深く関わる行事が数多くあります。
ここでは代表的な2つの行事をご紹介します。

3-1.ひな祭り(雛人形)

ひな人形
3月3日はひな祭り。
子どもだけのものと思っていませんか?
長い歴史があり、伝統的工芸品としての見どころもある行事、子どもだけのものにしてはもったいないですよね。

ひな祭りは、平安時代にはすでに存在していたとされています。
その頃は節句の儀式ではなく、お人形遊びとして貴族の間で行われてきました。
江戸時代になって現在のような儀式としてのひな祭りが広まり、ひな人形を飾るようになっていきました。

ひな祭りは、女の子の成長を願うために行われます。また、ひな人形は子どもに降りかかる災いを身代わりに引き受けてくれるとされています。

ひな人形の種類

  • 内裏雛(だいりびな)
  • 男雛と女雛。天皇と皇后を表しています。

  • 三人官女(さんにんかんじょ)
  • 宮中に仕えている女官を表しています。

  • 五人囃子(ごにんばやし)
  • 謡、笛、小鼓、大鼓、太鼓の五人から成るお囃子の楽人を表しています。

  • 随身(ずいしん)
  • 右大臣と左大臣。武官を表しています。

  • 仕丁(しちょう)
  • 三人一組で従者を表しています。

ひな人形の並び方

現在は男雛を右(向かって左)に配置するのが一般的ですが、地域によっては逆に女雛を右に置く場合もあります。

日本はそもそも、左が上位とされてきました。そのため、かつては男雛を左に配置するのが一般的でした。しかし明治時代以降、西洋の文化が入ってきたため、大正天皇が即位の際に西洋に合わせて右側に立ちました。それからは、宮中を表しているひな人形でも男雛を右に配置するのが一般化しました。

現在でも、西日本では古来の配置のまま、男雛を左、女雛を右に置いている家庭もあります。

ひな祭りに食べる食べ物

  • ひなあられ
  • 4色のあられが春夏秋冬を表しています。

  • 菱餅
  • 緑が健康、白が清浄、ピンクが魔よけを表しています。

  • ちらし寿司
  • エビ、レンコンなど縁起の良い食材を使ったちらし寿司を食べます。

  • はまぐりのお吸い物
  • 貝殻が対になっていることから、仲の良い夫婦を表し縁起が良いとされています。

3-2.端午の節句(五月人形)

5月人形
男の子の健やかな成長を願い、5月5日の端午の節句に飾るのが五月人形です。
金太郎や弁慶、武者人形、鎧などが主に飾られます。

この端午の節句には男の子の立身出世を願い、こいのぼりを立てる風習もあります。

4.人形一覧

日本に伝わる伝統的工芸品で、人形の産地を一覧でご紹介します。

4-1.宮城伝統こけし

kokeshi
こけしは江戸時代の後期、東北地方で作られ始めました。
東北の木地職人が、端材でおもちゃを作ったのが起源とされています。

その後東北の温泉地で土産物として販売されるようになり、現在では東北だけにとどまらず、全国で土産物として目にするようになりました。

当初は子ども用のおもちゃとして、着物を着せたりおんぶして遊んだり、現在の人形のように遊んでいました。
大正時代からは大人が鑑賞する工芸品として集める人が増加しています。

関連記事:第三次ブーム!こけし好き女子、通称こけ女が急増中。全国こけし祭り情報も!

4-2.江戸木目込人形

江戸木目込人形とは東京都と埼玉県(田川郡福智町)で主に生産される伝統的工芸品です。

江戸木目込人形は、18世紀に京都で誕生した木目込人形が起源とされています。
京都の上加茂神社の神官、堀川家につかえていた高橋忠重が仕事の合間に柳の木で人形を作っていました。
その後、京都から江戸に移り住んだ職人が人形を伝え、江戸風に発展していきました。

江戸木目込人形はその名の通り、木目の溝に布を入れ込んで作られます。
「きめこむ」とは隙間無く入れ込むという意味を持ちます。
上に着せる人形と違い、下の人形の形が衣装の上からもわかるので、職人によっても風合いが変わってきます。
京都のものに比べ、しゅっとした顔をしています。

産地情報

名称 岩槻人形協同組合
住所 〒339-0057
埼玉県さいたま市岩槻区本町5-6-44
さいたま商工会議所岩槻支所3階
電話 048-757-8881

4-3.岩槻人形

岩槻人形とは埼玉県(さいたま市)で主に生産される伝統的工芸品です。
埼玉県の岩槻地区は人形の生産高日本一となっていますが、その中で岩槻人形は目鼻立ちがはっきりとしており、現代でも人気の人形です。

岩槻人形の起源は江戸時代の後期まで遡ります。
その後も生産は拡大していき、現在では日本最大級の人形産地となっています。
輪郭が丸みをおびており、目鼻立ちもはっきりしていて、現代風の美しさを兼ね備えています。

産地情報

名称 岩槻人形協同組合
住所 〒339-0057
埼玉県さいたま市岩槻区本町5-6-44
さいたま商工会議所岩槻支所3階
電話 048-757-8881

4-4.江戸節句人形

江戸節句人形とは東京都で主に生産される伝統的工芸品です。
市松人形や雛人形、武者人形などを総称したものです。

江戸節句人形が江戸の地で始まったのは、18世紀。
京都で作られていた人形をルーツとしながらも、独自に発展してきました。

江戸節句人形は、一体一体職人が丁寧に手作業で作るため、その高品質さと鮮やかな衣装は、全国的にも人気となっています。

産地情報

名称 東京都雛人形工業協同組合
住所 〒111-0052
東京都台東区柳橋2-1-9
東京卸商センター 4階
電話 03-3861-3950

4-5.駿河雛具

駿河雛具とは静岡県(静岡市、焼津市、掛川市)で主に生産される伝統的工芸品です。
雛具とは箪笥や鏡台など、人形の周りに飾られる小道具で、指物や漆器、蒔絵などの伝統技術を用いて作られます。

駿河雛具は1930年頃、関東大震災によって被災した東京の職人達が静岡へ移り住んで生産を開始したのが起源とされます。
今では全国シェア90%を誇り、一つ一つは小さいながらも、細部まで精巧に作られているのが特徴です。
指物や挽物の木工、漆器や蒔絵の漆芸、金具など産地である静岡だからこそなせる技で、完成までに多くの職人が関わります。

産地情報

名称 静岡雛具人形協同組合
住所 〒422-8051
静岡県静岡市駿河区中野新田723
電話 054-281-8432

4-6.駿河雛人形

駿河雛人形とは静岡県(静岡市、焼津市、藤枝市、富士市、牧之原市、榛原郡吉田町)で主に生産される伝統的工芸品です。
現在は量産化も行い、特に人形の胴体部分では全国シェア70%となっています。

駿河雛人形の歴史は古く、桐塑の煉天神にルーツを持ちます。
その後の土人形が現在の駿河雛人形の元となっていきました。

駿河雛人形は胴体の部分に太めの藁胴が使われています。
衣装は上下で別れており、こういった点から量産化が可能になりました。

産地情報

名称 駿河雛人形伝統工芸士会
住所 〒421-0112
静岡県静岡市駿河区東新田4-10-21
にんぎょっ子内
電話 054-257-3983

4-7.京人形

京人形とは京都府(京都市、宇治市、亀岡市、八幡市)で主に生産される伝統的工芸品です。
京都の地で古くから生産される人形で、質が高いことで有名です。

京人形の歴史は古く、平安時代まで遡ります。
人間にふりかかる災いの身代わりを願った「ひとがた」や「かたしろ」をルーツとし、それが徐々に子供のおもちゃとして利用されるようになりました。

京人形は細かく工程が分かれた分業制で作られるため、一つ一つのパーツの質が高く、高級品として扱われています。

産地情報

名称 京人形商工業協同組合
住所 〒606-8343
京都府京都市左京区岡崎成勝寺町9-1
KYOオフィス
電話 075-761-3460

4-8.博多人形

博多人形とは福岡県で主に生産される伝統的工芸品です。
粘土で形を造りそれを素焼きしたものに、色付けを行います。

博多人形は17世紀、瓦等の焼物を作っていた職人が人形も作り始めたのが起源といわれています。
精緻な彫りこみが施されており、その美しい彩色にも人気がある博多人形は主に下記の分類に大別されます。

  • 能、歌舞伎もの
  • 武者もの
  • 美人もの
  • 縁起もの
  • 干支もの
  • 童もの
  • 節句もの
  • 玩具

産地情報

名称 博多人形商工業協同組合
住所 〒812-0023
福岡県福岡市博多区奈良屋町4-16
電話 092-291-4114

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。
日本では昔から人形に様々な想いを託してきたのです。
日本の伝統的な人形、そして行事をこれからも大切にしていきたいものですね。



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