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沖縄県の染織。琉球の染物と織物12種類を一覧でご紹介します。

ミンサー織り
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8.喜如嘉の芭蕉布

沖縄県の国頭郡大宜味村で主に生産される、喜如嘉の芭蕉布。
バショウ科の糸芭蕉(いとばしょう)という多年草から繊維を取り出し、それを糸にして織られる織物です。

芭蕉布は、軽くてさらりとした肌触りの良さが人気となっています。
また、風通しが良いので夏の衣服として沖縄全域で着られてきました。

歴史と成り立ち

芭蕉布は、多くの織物がある沖縄でも最古の織物とされ、13世紀頃には織られ始めていました。
第二次世界大戦の際には壊滅的な被害を受け、存続の危機を迎えますが、現在人間国宝に指定されている平良敏子さんを筆頭とする職人たちの尽力により、現在まで伝統が繋げられています。

現在、喜如嘉の芭蕉布は重要無形文化財(1974年~)、経済産業省指定伝統的工芸品(1988年~)に指定されています。

産地情報

名称 喜如嘉芭蕉布事業協同組合
住所 〒905-1303
沖縄県国頭郡大宜味村字喜如嘉454

9.八重山ミンサー

沖縄県の石垣市、八重山郡竹富町で主に生産される八重山ミンサー。
主に帯として利用される織物で、5つの四角と4つの四角と配する絣模様は「いつ(5)の世(4)も仲睦ましく私のことを愛してください」という意味が込められています。
ちなみにミンサーとは、「綿(ミン)で織られた幅の狭(サー)い帯」が語源で、細帯という意味です。

八重山ミンサーは、その4つと5つの四角の絣模様が特徴で、手括りの木綿の絣糸を使い、緯糸の打ち込みに手投げ杼や刀杼を用いて織られます。

歴史と成り立ち

八重山ミンサーは、17世紀頃から織られ始めたと言われています。
昔は、男性が求婚すると、女性がその返事としてこの八重山ミンサーを男性へ贈っていました。
そのことから、5つの四角と4つの四角を交互に配する模様(いつの世までも変わらぬ愛をという意味)になっています。

現在、八重山ミンサーは経済産業省指定伝統的工芸品(1989年~)に指定されています。

産地情報

名称 竹富町織物事業協同組合
住所 〒907-1101
沖縄県八重山郡竹富町竹富381-4

10.八重山上布

沖縄県の石垣市、八重山郡竹富町で主に生産される八重山上布。
白地に赤茶色の染料で絣模様を捺染したもので、色上布などでも知られる麻織物です。

南国らしい模様を、手括りによる絣糸で手織りしていきます。
その肌触りの良い着心地で、夏の織物としても人気となっています。

歴史と成り立ち

八重山上布の詳しい起源は不明とされていますが、17世紀には琉球王府に納められていたことが記録に残っています。
その後、明治時代に組合が結成されると産業が盛んになりました。

現在、八重山上布は経済産業省指定伝統的工芸品(1989年~)に指定されています。

産地情報

名称 石垣市織物事業協同組合
住所 〒907-0004
沖縄県石垣市字登野城783-2

11.琉球びんがた

沖縄を代表する染色技法で、南国らしい鮮やかな色使いが特徴の、琉球びんがた。
びんがたという名前の”びん”は色、”がた”は模様をあらわしています。

琉球びんがたは、染色に顔料を用います。
顔料のメリットとして、強い陽射しでも色が飛びにくいことが挙げられます。
染料だと飛んでしまいますが、顔料を使うからこそ、沖縄の強い陽射しにも耐える事が出来ます。

色を入れる際は、塗り筆とこすり筆の2本を使います。
まず塗り筆で色を入れ、それをこすり筆で塗り込むことで、顔料を浸透させていくのです。

歴史と成り立ち

琉球びんがたの歴史は古く、発祥は13世紀頃と言われています。
琉球王府の時代には王族や士族の衣装として用いられ、手厚く保護されて発展していきました。

現在、琉球びんがたは経済産業省指定伝統的工芸品(1984年~)に指定されています。

産地情報

名称 琉球びんがた事業協同組合
住所 〒900-0016
沖縄県那覇市前島1-11-12
テレホンビル1階

12.知花花織

知花花織(ちばなはなおり)とは沖縄県(沖縄市)で主に生産される伝統的工芸品です。
模様が縦に連続して浮く経浮花織(たてうきはなおり)と、刺繍のように糸が浮く縫取花織(ぬいとりはなおり)の2つの技法が特徴的です。

歴史と成り立ち

知花花織は、18世紀頃には現在の形で織り始められたといわれています。
お祭りや行事など、晴れの舞台に着るものとして主に愛用されていました。

現在、知花花織は経済産業省指定伝統的工芸品(2012年~)に指定されています。

産地情報

名称 知花花織事業協同組合
住所 〒904-2143
沖縄県沖縄市知花5-6-7

13.南風原花織

南風原花織(はえばるはなおり)とは沖縄県(鳥尻郡南風原町)で主に生産される伝統的工芸品です。
ヤシラミ花織、クワンクワン織り、タッチリー、チップガサーなど、南風原花織にしかない独特な模様や名称が存在する、立体的で華やかな織物です。

歴史と成り立ち

南風原花織は明治期には母娘間で伝承されていたという記録が残っています。
大正3年(1914年)には南風原村立女子補修学校が設立され、多くの技術習得者が誕生、独自の花織や浮織技術を発展させていきました。

産地情報

名称 琉球絣事業協同組合
住所 〒901-1112
沖縄県島尻郡南風原町字本部157番地

まとめ

いかがでしたでしょうか。
沖縄の気候や風土が反映された美しい染織品が多く、布に携わる人にとっては沖縄は憧れの地とも言われます。

東京で沖縄の染織品の展示会などを行う場合もありますので、是非実際に見てみて下さいね。

工芸
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