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漆器とは?漆の種類から手入れ、保管方法と、日本の漆器産地別特徴一覧も!

漆器のお屠蘇の画像
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7.日本全国、漆器産地別の特徴

日本には数多くの漆器の産地があります。
ここでは、経産省指定伝統的工芸品に指定されている23種類の漆器をご紹介します。

7-1. 津軽塗

青森県で生産されている、津軽塗。
「唐塗」等、独特な模様が特徴の漆器です。

津軽塗は17世紀の終わり頃、津軽藩主の津軽信政が経済政策の一環として漆工芸を奨励したのが起源とされています。

津軽塗は、蒔絵などを用いずに漆で模様を描いていきます。
塗り方にも様々なバリエーションがあり、特に「唐塗」「ななこ塗」「錦塗」「紋紗塗」の4種が代表的な技法とされています。
中でも特徴的な模様の唐塗は、漆に卵白を混ぜて粘りを出し、ヘラで凹凸をつけた上に色漆を重ねていきます。

産地情報

名称 青森県漆器協同組合連合会
住所 〒036-8061
青森県弘前市大字神田2-4-9
弘前市伝統産業会館内

7-2. 秀衝塗

秀衡塗とは岩手県(盛岡市、花巻市、一関市、奥州市、滝沢市、西磐井郡平泉町)で主に生産される伝統的工芸品です。
金箔を用いる、重厚感のある漆器です。

秀衝塗は12世紀、奥州藤原氏の日用道具としてつくらせたのが起源とされています。
「秀衝塗」という名前は三代目の秀衝にちなむものですが、この呼び名になったのは明治以降で、それ以前は南部塗と呼ばれていました。

金色堂で有名な奥州藤原氏らしく、秀衝塗には金箔が用いられます。
秀衝文様といわれる、源氏雲の上に金箔の有職菱文が描かれ、草花をあしらう絵柄が特徴的です。

産地情報

名称 岩手県漆器協同組合
住所 〒029-0523
岩手県一関市大東町摺沢字但馬崎10
(株)丸三漆器内

7-3. 浄法寺塗

浄法寺塗とは岩手県(盛岡市、八幡平市、二戸市、滝沢市)で主に生産される伝統的工芸品です。
漆の産地としても有名な浄法寺らしく、上質な塗りの漆器です。

浄法寺塗の起源は8世紀に建立された天台寺の僧侶が、日常使いの漆器を造り始めたのが起源とされています。
漆の木の産地だったこともあり、有数の漆器産地として繁栄していきました。
現在では日本で生産される漆の7割以上が浄法寺で生産される漆となっています。

浄法寺は漆の産地でもある為、上質な国産漆を用いた製品が作られます。
このこともあり、漆本来の美しさを味わってもらう為に余分な装飾は施さず、無地のシンプルな製品が多いです。

産地情報

名称 岩手県漆器協同組合
住所 〒029-0523
岩手県一関市大東町摺沢字但馬崎10
(株)丸三漆器内

7-4. 鳴子漆器

鳴子漆器とは宮城県(大崎市)で主に生産される伝統的工芸品です。
元々は温泉街のお土産として誕生した漆器です。

鳴子漆器は17世紀頃、温泉に来た客向けのお土産品として生産が始まりました。

温泉街のお土産として生産されていた鳴子漆器の特徴として、日常で手軽に使ってもらえるように丈夫でシンプルな造りになっていることがあげられます。
派手な装飾は施さずに、美しい木目を楽しむことが出来るシンプルな透漆(すきうるし)の技法が用いられる「木地呂塗(きじろぬり)」のほか、「紅溜塗(べにためぬり)」や「流文塗(りゅうもんぬり)」などがあります。

産地情報

名称 鳴子漆器協同組合
住所 〒989-6822
宮城県大崎市鳴子温泉字新屋敷122−2
鳴子総合支所 観光建設課

7-5. 川連漆器

川連漆器とは秋田県(湯沢市)で主に生産される伝統的工芸品です。
非常に丈夫な漆器で、日常の器としても人気です。

川連漆器は13世紀頃、稲庭藩主の小野寺重道の弟、道則が武具への漆塗りを家臣に命じたのが起源とされています。
その後江戸時代に入ると椀物も生産されはじめ、丈夫で手頃な漆器として人気となりました。

川連漆器は柿渋を用いる渋下地を使用する為、価格を抑えながらも非常に丈夫な漆器として人気です。
塗りの質も高く、手になじむ形もあいまって、日常使いの器として最適です。

産地情報

名称 秋田県漆器工業協同組合
住所 〒012-0105
秋田県湯沢市川連町字大舘中野142-1

7-6. 会津塗

会津塗とは福島県で主に生産される伝統的工芸品です。
16世紀頃から生産されており、海外にも輸出される漆器です。

会津塗は16世紀、戦国時代に領主となった蒲生氏郷(かもううじさと)が前の領地(現:滋賀県)から職人を呼び寄せて生産を始めたのが起源とされています。

会津塗には独特の技法が多く、水あめに金粉を混ぜて後で水あめだけ洗いとる「消金粉(けしきんぷん)」や色粉で絵柄を描く「朱磨き」などがあります。
絵柄にも「会津絵」という独自のものがあり、これは檜垣、松竹梅、破魔矢を組み合わせて描かれます。

産地情報

名称 会津漆器協同組合
住所 〒965-0042
福島県会津若松市大町1-7-3
福島県伝統産業会館 内

7-7. 鎌倉彫

鎌倉彫とは神奈川県で主に生産される漆工芸品で、木地に模様を彫りこみ、その上に漆を塗り重ねて作ります。

鎌倉彫は13世紀、大陸から伝わった紅花緑葉という堆朱をルーツとしています。
木地は彫りやすいカツラの木が主に使われ、多種多様な彫刻技法が用いられます。

【WABUNKA(和文化)】では、鎌倉彫の小皿作り体験などのプランを提供しています。

産地情報

名称 伝統鎌倉彫事業協同組合
住所 〒248-0014
神奈川県鎌倉市由比ガ浜3-4-7

7-8. 小田原漆器

小田原漆器とは神奈川県で主に生産される伝統的工芸品です。
木そのものが持つ木目を生かした塗りが施される漆器で、摺漆仕上げや木地呂漆仕上げが用いられます。

小田原漆器は15世紀頃に生産が始まったといわれています。
周囲を山に囲まれている為、豊富で良質な木材が手に入りやすい地の利を生かして発展を遂げてきました。

産地情報

名称 伝統小田原漆器組合
住所 〒250-0055
神奈川県小田原市久野621
神奈川県産業技術センター
工芸技術研究所4階
社団法人箱根物産連合会内

7-9. 村上木彫堆朱

村上木彫堆朱とは新潟県(村上市)で主に生産される漆工芸です。

村上木彫堆朱は13世紀頃に大陸から伝わった堆朱をルーツとしており、その堆朱をベースに、木彫りに朱漆を塗るといった独自の発展を遂げてきました。

もともと堆朱とは、漆を何層も重ねてから絵柄を彫り、断面には漆の層が見えるものを言いますが、村上木彫堆朱は木地に絵柄を彫り、その上に朱漆を塗ります。
また、村上木彫堆朱には朱漆で仕上げるもののほか、「朱溜塗」「堆黒」「金磨塗」「色漆塗」「三彩彫」といった技法があります。

産地情報

名称 村上堆朱事業協同組合
住所 〒958-0032
新潟県村上市松原町3-1-17

7-10. 新潟漆器

新潟漆器とは新潟県で主に生産される伝統的工芸品です。
竹塗に代表されるように、ユニークな製品が多い漆器です。

新潟漆器は17世紀の初めに生産が開始されたとされています。
飛騨の春慶塗りからも影響を受けたとされ、藩の保護もあり独自の技術も発達させながら生産を拡大していきました。

新潟漆器には錆で竹の節の様に見せる竹塗(たけぬり)という独特の技法があります。
この他にも、花塗、石目塗、錦塗、磯草塗など様々な技法をもっています。

産地情報

名称 新潟市漆器同業組合
住所 〒950-2021
新潟市西区小針藤山16-9
新潟樹脂産業(株)内

7-11. 木曽漆器

工芸
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