漆器とは?漆の種類から手入れ、保管方法と、日本の漆器産地別特徴一覧も!

漆器のお屠蘇の画像
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7-11. 木曽漆器

木曽漆器とは長野県で主に生産される伝統的工芸品です。
17世紀頃、元々生産していた木製品を丈夫にする為に漆塗りを施したことが起源とされます。
その後は土産品としても人気となりました。

木曽漆器は、豊富で良質な木材が採れる産地の特性を活かし、美しい木目を生かした塗りが施されます。
透漆を用いる木曽春慶(きそしゅんけい)といった技法が代表的で、シンプルな見た目と使いやすい木地とあいまって、用の美の漆器として人気となっています。

産地情報

名称 木曽漆器工業協同組合
住所 〒399-6302
長野県塩尻市木曽平沢2272-7

7-12. 高岡漆器

高岡漆器とは富山県(高岡市)で主に生産される漆器です。
17世紀、加賀藩主の前田利長が高岡城を築城する際に日常の器などを漆器で作らせたのが起源とされています。

高岡漆器の代表的な技法として、彫刻を施した木地の上に漆を塗る「彫刻塗」、貝殻を使う螺鈿細工を用いる「青貝塗」、錆絵に花や鳥などの文様を施す「勇助塗」の3種があります。

産地情報

名称 伝統工芸高岡漆器協同組合
住所 〒933-0909
富山県高岡市開発本町1-1
高岡地域地場産業センター3階

7-13. 輪島塗

輪島塗とは石川県(輪島市)で主に生産される伝統的工芸品です。
日本に数多くある漆器の中でも代表的な存在とされています。

輪島では古代より漆が使われていたとされていますが、現在の形になったのは17世紀とされています。
港に近いために全国へ輸出を行い、当時から人気の漆器となっていました。

漆器の中でも代表的存在の輪島塗は、その堅牢さに最大の特徴があります。
「布着せ」という、器のふちなど消耗しやすい部分に漆で布を貼り付けて補強する技術が用いられ、更にその上に地の粉を混ぜた漆で下地を作ります。
更に上塗りにも様々な技法が用いられ、結果として丈夫かつ美しい漆器となり、日本の漆器の代表とも評されます。

産地情報

名称 輪島漆器商工業協同組合
住所 〒928-0001
石川県輪島市河井町24-55

7-14. 山中漆器

山中漆器とは石川県で主に生産される伝統的工芸品です。
挽物木地の産地としても有名な山中地区で作られる漆器です。

山中漆器は16世紀、越前の木地職人が移住してきた際、ロクロで木地作りを始めたのが起源とされています。

日本を代表する挽物木地の産地としても有名な山中地方で作られる山中漆器は、下地の木地の美しさが特徴です。
木地自体に装飾を施す技法、「筋挽き(すじびき)」「千筋(ちすじ)」「荒筋(あらすじ)」「毛筋(けすじ)」「糸目(いとめ)」「トビ筋(とびすじ)」「稲穂挽き(いなほびき)」などがあります。

産地情報

名称 山中漆器連合協同組合
住所 〒922-0111
石川県加賀市山中温泉塚谷町イ268-2
山中漆器伝統産業会館内

7-15. 金沢漆器

写真提供:金沢市

写真提供:金沢市


金沢漆器とは石川県(金沢市、野々市市、河北郡内灘町)で主に生産される伝統的工芸品です。
17世紀、加賀藩主の前田利常が産業振興の為に高台寺蒔絵の五十嵐道甫という人物を招き、技法を伝授したのが起源とされます。

蒔絵が有名な金沢漆器は、加賀蒔絵とも呼ばれます。
肉合研出蒔絵(ししあいとぎだしまきえ)という代表的な技法は、肉上げした文様に金粉を蒔いて研ぎだします。
金沢の風土を反映したような、気品のある豪華な漆器です。

産地情報

名称 金沢漆器商工業協同組合
住所 〒920-8639
石川県金沢市尾山町9-13
金沢商工会議所内

7-16. 飛騨春慶 

岐阜県で作られる伝統的工芸品、飛騨春慶(ひだしゅんけい)。
琥珀色が美しい漆器です。

飛騨春慶の起源は16世紀の初め頃、宮大工の高橋喜左衛門がサワラの木目の美しさに惚れ、その木でハマグリ盆というお盆を作り、城主の嫡男である金森可重に献上したことに始まります。

その出来に感動した可重は漆工の成田三右衛門に漆を塗らせ、これが瀬戸焼の名品「飛春慶」に似ていたことから春慶塗と名づけられました。

飛騨春慶の特徴は、その美しい琥珀色と、うっすらと見える木目にあります。
周囲で豊富な木材が採れる地の利を活かし、良質な木材を用いて作られてきました。
その為、”透き漆”という技法を使って木目を活かした製品づくりが行われているのです。

飛騨春慶で近頃人気なのは、弁当箱です。
ここでは弁当箱作りを元にその製法をご紹介します。

木地作り

弁当箱のように曲線の器を作る際にはまず、熱湯に漬けて柔らかくした木地を型に沿って曲げることから始まります。
一枚の板を輪っか状に曲げ、端と端に穴を開け、その穴同士をさくらカンバと呼ばれるヤマザクラの皮で編み込みます。
この皮は非常に丈夫で、何十年と経過しようとびくともしません。

塗り

出来上がった木地に、まずは下地塗りを施します。
そして、木地の色ムラを統一する為に、食紅・黄色などで色付けを行います。
この時の色が、出来上がりの琥珀色の元となっているのです。

色付けの後は、大豆を細かくして布巾でこした”豆シブ”を塗っていきます。
これは、木地の柔らかい部分に漆が過剰に入り込み黒くなるのをふせぐ為。
漆は大豆のたんぱく質と合わさると硬くなる性質があるので、奥まで染み込まないのです。

そして漆塗りを行います。
塗っては乾かし、塗っては乾かしを繰り返し、何層にも漆を重ねて丈夫にします。

そして乾燥させると、ようやく完成。
飛騨春慶の出来上がりです。

産地情報

名称 飛騨春慶連合協同組合
住所 〒506-0844
岐阜県高山市上一之町6
(有)戸沢漆器内

7-17. 越前漆器

越前漆器とは福井県で主に生産される漆器です。

越前漆器の歴史は古く、6世紀まで遡ります。
後の継体天皇がまだ皇子の頃に、冠の修理を越前の職人に命じ、その出来栄えに感動した皇子が漆器生産の奨励を行ったことが起源とされています。

越前漆器は渋下地を用いている為に非常に丈夫で、業務用の漆器としても高いシェアを誇り、旅館などでも多く用いられています。

産地情報

名称 越前漆器協同組合
住所 〒916-1221
福井県鯖江市西袋町37-6-1

7-18. 若狭塗

若狭塗とは福井県で主に生産される伝統的工芸品です。
卵殻や松葉を用いる独特の模様が特徴的な漆器です。

若狭塗は17世紀、小浜藩の塗師が大陸の「存星(ぞんせい)」という技法から着想を得て作り始めたのが起源とされています。

若狭塗は卵殻や松葉、菜種やモミ殻などを用いる研ぎ出しの変わり漆が特徴です。
独特の模様は唯一無二の個性的なもので、とくに塗箸は人気となっています。

産地情報

名称 若狭漆器協同組合
住所 〒917-0061
福井県小浜市小浜玉前57-1

7-19. 京漆器

京漆器とは京都府で主に生産される伝統的工芸品です。
よく手に馴染み、口ざわりの良い漆器とされています。

京漆器の歴史は古く、平安時代から生産されています。
また、京漆器は下地に特徴があり、漆を吸い込ませた木地に麻の布を貼り、錆下地をつける本堅地が用いられます。
この中で「くくり」と呼ばれるふちに余分に錆下地を塗る工程を経ることで、口ざわりの良い器になります。

産地情報

名称 京都漆器工芸協同組合
住所 〒606-8343
京都府京都市左京区岡崎成勝寺町9-1
KYOオフィス

7-20. 紀州漆器


紀州漆器とは和歌山県で主に生産される伝統的工芸品です。
庶民に愛される丈夫な漆器です。

紀州漆器は15世紀頃から生産されていた木地の椀に、漆を施したのが起源とされています。
これは根来寺の僧が日常用の漆器を作ったものとされています。

紀州漆器は日常使いの漆器として庶民にも愛用され、低価格ながらも丈夫な漆器として名高いです。
また、「根来塗」という特徴的な塗りがあり、これは元々黒漆の上に朱漆を塗り仕上げた製品の上塗りが剥がれ、下層の黒漆が出てきたものが始まりです。
これが趣があって美しいとされ、最近ではあえて上塗りを剥がしたものも販売されています。

産地情報

名称 紀州漆器協同組合
住所 〒642-0001
和歌山県海南市船尾222
紀州漆器伝統産業会館 内

7-21. 大内塗

大内塗とは山口県で主に生産される漆器です。

大内塗は14世紀頃、海外との交易用に漆器作りが奨励されたのが起源です。
名称が「大内塗」に統一されたのは明治時代で、それ以前は「山口塗」や「大内椀」、「雪舟椀」と呼ばれていました。

大内塗は茶色がかった朱色に特徴があり、そこに蒔絵や切箔などで装飾が施されます。
特に丸みがあり可愛らしい大内人形が有名で、海外でも人気となっています。

産地情報

名称 大内塗漆器振興協同組合
住所 〒753-0214
山口県山口市大内御堀4138番地
(有)中村民芸社内

7-22. 香川漆器

香川県で生産される伝統工芸品、香川漆器。

香川漆器は19世紀の初めに玉楮象谷(たまかじぞうこく)が様々な漆器製品を作り始めたのが起源とされます。
玉楮象谷の名は香川漆器の技法の一つ、象谷塗(ぞうこくぬり)としても現在に残されています。

現在では、60程の工房が香川漆器作りに取り組み、日々伝統を繋ぎながら、新たな製品づくりに取り組んでいます。

多種多様な技法が使われる事が特徴の香川漆器。
その中でも「彫漆(ちょうしつ)」、「蒟醤(きんま)」、「存清(ぞんせい)」、「後藤塗(ごとうぬり)」、「象谷塗(ぞうこくぬり)」の5つの技法が代表的です。

香川漆芸研究所

香川県には、香川漆器の職人を養成する、香川漆芸研究所という施設があります。
1954(昭和29)年に開設されたこの施設は当初、既に漆器作りに従事している職人の技術向上の為に運営されていました。

しかしその後方針を変更し、1982(昭和57)年度からは未来の漆器職人を養成する施設に生まれ変わったのです。
香川漆器の技法を3年かけて学び、現在では香川漆芸研究所の修了者(研究生)は400人を超え、多くの修了者が漆器職人となり、活躍しています。

関連記事:伝統工芸の職人になるには?職人を養成する施設一覧

名称 香川漆芸研究所
住所 香川県高松市番町1丁目10番39号

近年、カラフルな香川漆器が注目されています。
これは顔料を混ぜて作った漆を塗ったもので、顔料によって粘度が違うため、塗りやすさも変わるそうです。

産地情報

名称 香川県漆器工業協同組合
住所 〒761-0101
香川県高松市春日町1595

7-23. 琉球漆器


琉球漆器とは沖縄県で主に生産される伝統的工芸品です。

琉球漆器は14世紀頃、海外との交易用に生産されたのが起源とされています。
17世紀には琉球王府直営の製作所が設置され、様々な製品が作られるようになりました。

琉球漆器は「螺鈿」、「沈金」、「箔絵」といった装飾が施され、豪華絢爛で派手な漆器として人気が高いです。

産地情報

名称 琉球漆器事業協同組合
住所 〒902-0078
沖縄県那覇市識名3-19-6
識名公民館ホール1階
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まとめ

いかがでしょうか。
今回は漆器の産地や種類についてご紹介しました。
ご参考になれば幸いです。

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