マンション住まいの人などを中心に、最近では用意しない人も多いお正月飾り。
日本の伝統的な風習ですから、機会があればやってみたいという人も多いはずです。
今年はお正月飾りをして、新たな一年を厳かな気持ちで迎えてみてはいかがでしょうか。
素敵な一年を過ごすために、お正月飾りのイロハを学んでみましょう。
1.お正月飾りの歴史
そもそもお正月というのは、豊穣の歳神様をお迎えする行事です。
お正月飾りも、歳神様を家にお迎えするために行うものです。
門松や注連飾り、鏡餅を飾るのが一般的です。
お正月の起源は6世紀ごろとも言われ、現代に伝わる行事の中でも最も古いと言っていいでしょう。
現在のお正月飾りの形が庶民にも広まっていったのは江戸時代だと言われています。
2.正月飾りを飾る期間
お正月飾りは、「松の内」と呼ばれる12月13日以降に飾り付けをします。
また、12月31日になって飾り始めるのは、「一夜飾り」と呼ばれ避けられています。
29日も縁起が悪いとされているので控えましょう。
クリスマスの終わった12月26日〜28日ごろまでに飾るのをオススメします。
また飾る期間としては、「松の内」の終わる1月15日まで飾るのが正式です。
しかし現代では1月7日までで外すのが一般的になっています。
3.門松とは
門松とは、家の門の前に左右対で置かれる、竹や松を使った飾りです。
おめでたい樹として根付いていた松を、歳神様の依り代としていただけるよう門の前に設置します。
お正月飾りの代表と言えば門松ですが、マンション住まいの場合などは設置したくても場所がありませんよね。
そんな現代の暮らしに合わせて、小さな鉢に寄せ植えされている門松が販売されていたり、門松が印刷されたポスターで済ませることもできます。
正式な門松にこだわるあまりハードルの高いものだと思わずに、歳神様をお迎えしたいという気持ちを大切に、それぞれが取り入れられる形で取り入れてみましょう。
4.注連飾り(しめかざり)・注連縄(しめなわ)とは
注連縄には神聖な場所を示す意味があり、歳神様をお迎えするために玄関に飾ります。
注連飾りは注連縄に飾り付けを行ったもので、ダイダイの実、ユズリハの葉、小さな扇などが装飾されているのが一般的です。
東日本では輪型の注連縄に装飾をする「輪飾り」も広まっています。
こちらはマンションでも玄関ドアに取り付けることができ、門松と比べて手軽に取り入れられるお正月飾りです。
形や装飾もさまざまなので、ぜひお気に入りの注連飾りを飾ってみてください。
5.鏡餅とは
鏡餅は、歳神様へのお供え物として飾ります。
昔の青銅鏡の形に似ていることから名付けられました。
本来は大小の丸形のお餅の上にダイダイの実を飾りますが、近年では鏡餅の形のプラスチック容器にお餅が入れられているものや、お餅を使わず完全にプラスチック製の鏡餅型の置物もあります。
こちらも、無理をして本来の形にこだわらず、生活に合わせてできる範囲で歳神様をお迎えしましょう。
6.お正月飾りで新年を迎えよう
お正月飾りは、存在を知ってはいてもなかなか手を出しづらい伝統だったと思います。
しかし、細かいルールに囚われずできる範囲で取り入れていけばいいのです。
とにかく一番大切なのは、歳神様をお迎えする気持ちです。
神様をお迎えした家で一年の安寧を願い、いつもより少し厳かな新年にしてみてはいかがでしょうか。