36.御油宿
夕暮れ時、旅籠の女が旅人を無理矢理引きずり込もうとしているユーモア溢れる一枚です。
37.赤坂宿
東海道で21世紀まで営業を続けた唯一の旅籠がある宿場です。現在でも当時の様子が色濃く残っています。「御油や赤坂、吉田がなけりゃ、なんのよしみで江戸通い」という言葉があるほど活気ある宿場でした。
38.藤川宿
幕府から朝廷へ馬を献上する行列の様子です。旅人たちがこの行列に土下座をしています。
39.岡崎宿
若き徳川家康が暮らした岡崎城の城下町として、府中宿の次に大きな宿場町でした。絵には東海道一長い橋・矢矧橋が精密に描かれています。
40.池鯉鮒宿
江戸からここまでおよそ10日かかったと言われています。馬市で有名で、絵からもその様子が見て取れます。
41.鳴海宿
この辺りでは絞り染めが名産で、鳴海絞やすぐ近くが産地の有松絞の店を描いています。現在でも絞り染め店のある町並みが残っています。
42.宮宿
熱田神宮で行われる神事・夜の馬追いが主題です。熱田神宮は三種の神器のうちのひとつ・草薙の剣が祀られていることで知られ、江戸時代にも信仰を集めていました。
43.桑名宿
ここから三重県に入ります。桑名城の城下町でもあり、絵にも右奥に描かれています。伊勢の海を船が行き交っている様子です。
44.四日市宿
三滝川を背景に、笠を飛ばされている旅人・合羽のたなびく旅人が見られ、風をテーマにした絵であることがわかります。
45.石薬師宿
林の中にある石薬師寺(正式名称は西福寺)が描かれています。奥の山が三段にぼかされているのも興味深い技法です。
46.庄野宿
夕立の中、坂道を走る人々が躍動的に描かれています。雨の音、足音、緊張感を感じさせるこの絵は、広重の傑作のひとつに数えられています。
47.亀山宿
雪景色の美しさに目を奪われる一枚ですね。蒲原宿も雪の風景でしたが、亀山宿では晴れの日の雪景色でいっそう印象的です。
48.関宿
絵のタイトル「本陣早立」の通り、早朝に本陣から出発する様子です。本陣とは大名が泊まる旅館で、最も格式高い旅館です。
49.坂下宿
筆捨山をメインに、右側には茶屋が見えます。筆捨山は岩山ですが、ところどころに松が描かれています。
50.土山宿
ここから近江国、現在の滋賀県甲賀市です。春の雨の風景が描かれています。雨で水かさの増した中、橋を渡る大名行列です。
51.水口宿
この地域の名産・干瓢を作っている女性たちが見えます。水口宿は静かな村でしたので、そののどかな様子が絵にも表れていますね。
52.石部宿
こちらも平坦な道が続いています。街道を歩くのは伊勢参りの人々です。絵に見える店は田楽茶屋は、現在旧東海道沿いに再現されています。
53.草津宿
中山道との合流地点・追分になる宿場です。「名物立場」というタイトルで、名物の姥ヶ餅屋を描いています。
54.大津宿
現在の滋賀県大津市です。東海道53番目の宿場であり、東海道最大の宿場です。琵琶湖畔にあり、絵の奥にも描かれています。手前にあるのは走井茶屋です。
55.三条大橋
江戸からの最終地点・西からの起点である三条大橋に到着です。絵のタイトルもズバリ「三条大橋」。橋の上を人々がにぎやかに行き交っています。
まとめ
いかがでしたか?現代に受け継がれる名作はやはり見どころがたくさんあり、今見ても美しい作品ですね。
一枚一枚、当時の広重に思いを馳せながら、江戸の文化についても学んでみましょう。
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