日本の伝統に欠かせない木材の技術 環境問題にも目を向ける機会に…

森|四季の美 伝統工芸ポータル
建築に家具におもちゃや遊具に使われる木材。
独特の香りやぬくもり、やさしさを感じられるこの素材が再び注目を集めています。
木を知ることは地球の環境問題に目を向けることにも繋がります。
よく耳にする木材の種類、その用途などを調べてみました。

【目次】
1.木材の違いとは?
2.針葉樹の代表格
3.広葉樹の代表格
4.針葉樹と広葉樹の違い
5.日本の伝統美を象徴する漆器
6.天然の素材が価値観を変えていく

1.木材の違いとは?

住宅や寺院などの建築から家具、食器、下駄に至るまで、様々な用途のある木材。
その木材の種類によって産地や特徴にも違いがあります。
主な木材の➀産地➁用途➂特徴をまとめてみました。

2.針葉樹の代表格

【針葉樹(葉の形が針のように細長い裸子植物球果植物門の樹木)】

  • スギ
    ➀東北地方から屋久島までの広い地域に分布
    ➁建築、家具、器具、割り箸、下駄など
    ➂軽くて柔らかく吸湿性あり
  • ヒノキ
    ➀長野、飛騨、木曽などの本州中部から四国、九州に分布
    ➁仏像などの彫刻、曲げ物、建築など
    ➂堅くて強度があり耐久性に優れている 高級建築材として使用される
  • アカマツ
    ➀北海道から四国、九州まで
    ➁建築、枕木、パルプ材、坑木など
    ➂ヒノキよりも強度があり加工しやすい 年数が経つとアメ色になる
  • ヒバ
    ➀北海道から四国、九州まで
    ➁建築、漆器、桶など
    ➂耐久性、耐水性に優れている

3.広葉樹の代表格

広葉樹(主に葉の形が幅広い被子植物)

  • キリ
    ➀日本全国に分布
    ➁タンスなどの家具、羽子板、下駄、彫刻、楽器、箱など
    ➂日本の木材の中で一番軽いとされる 燃えにくく吸湿性に優れている
  • ケヤキ
    ➀本州から四国、九州まで
    ➁建築、彫刻、家具、太鼓など
    ➂木目が美しく耐久、耐湿性に優れている
  • カツラ
    ➀日本全国に広く分布
    ➁家具、仏壇、将棋や囲碁の盤、ピアノ、彫刻など
    ➂軽くて柔らかめの木材 保存性は低い
  • サクラ
    ➀本州から四国、九州に分布
    ➁家具、楽器、彫刻など
    ➂保存性が高く加工しやすい

4.針葉樹と広葉樹の違い

針葉樹は軽くてソフト、広葉樹は重くて堅いのがその特徴と言われています。これは木に含まれている空気の量で変わってきます。強度のある広葉樹は、屋内でも靴を履いて過ごす習慣のある欧米の家の床材に使用されてきました。反対に屋内では靴を脱ぐ習慣のある日本では、針葉樹が廊下の材料などに使われてきたという文化の違いが用途に差をもたらしています。一般的には葉の形で見分けられることが多いのですが、針葉樹の木はまっすぐ伸び、広葉樹は太くて曲がり枝分かれしていることも見分けるポイントとなっています。

5.日本の伝統美を象徴する漆器

合成樹脂やプラスチックで作られたリーズナブルな価格の漆器が増えている近年ですが、
伝統的な漆器には天然の木材が使われてきました。その歴史は縄文時代にまで遡るとされ、良質の木材に漆を何度も重ねて丁寧に塗って仕上げます。本物の漆器は軽くて保温性に優れ触感も優しく出来ています。また漆には抗菌性があるので、食器として最適な素材と言われています。
主な漆器の木材は、

お椀…中国産のミズメザクラ、北海道から四国が産地のトチ、ケヤキなど
…東南アジア産のマラス、鉄木、縞黒檀など
重箱…カツラ、イチョウ、ホオ(全国各地に分布)、北米、アラスカが産地の米ヒバなど
その素材の良さや価格の面から、輸入木材も積極的に使われています。

6.天然の素材が価値観を変えていく

文化や習慣、そして時代の移り変わりや個人の価値観によっても用途が分かれる木材。
天然の限られた素材だからこそ、大切にしたい思いも強くなります。
安価で使い捨てが主流だった時代は終わろうとしています。
これからは環境への配慮も重視し、ひとつひとつの物を大切に長く使い続けることが当たり前になる時代になっていくのかも知れません。

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