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唐物語「王子猷、戴安道を訪ぬる語」原文と現代語訳・解説・問題|高校生古典

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唐物語(とうものがたり)は中国の故事を翻案して歌物語形式にした説話集です。
12世紀後半に成立し、作者は藤原成範といわれています。

今回はそんな高校古典の教科書にも出てくる唐物語の中から「王子猷(わうしいう)、戴安道(たいあんだう)を訪ぬる語(こと)」について詳しく解説していきます。

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唐物語「王子猷、戴安道を訪ぬる語」の解説

唐物語でも有名な、「王子猷、戴安道を訪ぬる語」について解説していきます。

唐物語「王子猷、戴安道を訪ぬる語」の原文

昔、王子猷、山陰といふ所に住みけり。
世の中のわたらひにほだされずして、ただ春の花・秋の月にのみ心をすましつつ、多くの年月を送りけり。

ことにふれて情け深き人なりければ、かき曇り降る雪初めて晴れ、月の光清くすさまじき夜、一人起きゐて、慰めがたくやおぼえけむ、高瀬舟に棹さしつつ、心にまかせて戴安道を訪ね行くに、道のほどはるかにて、夜も明け月も傾きぬるを、本意ならずや思ひけむ、かく(*)とも言はで、門のもとより立ち帰りけるを、

「いかに。」

と問ふ人ありければ、

もろともに月見むとこそ急ぎつれ 必ず人には会はむものかは

とばかり言ひて、つひに帰りぬ。
心のすきたるほどはこれにて思ひ知るべし。

戴安道は剡県といふ所に住みけり。
この人の年ごろの友なり。
同じさまに心をすましたる人にてなむ侍りける。

唐物語「王子猷、戴安道を訪ぬる語」の現代語訳

昔王子猷は、山陰というところに住んでいた。
世を渡り生活していくための雑事に煩わされないでただ、春の花、秋の月にだけ心を澄ませながら長い年月を送っていた。

折にふれて、情趣に関心の深い人だったので、空一面が曇って降っていた雪がようやく晴れ、月の光が清らかに荒涼とした夜に、一人で起きていて、心を慰めがたく思われたのだろうか、川舟に乗って棹をさしながら心のおもむくままに戴安道を訪ねてゆくと、道のりは遥かに遠く、夜も明け、月も傾いてしまったのを、不本意だと思ったのであろうか、

「訪ねてきた」

とも言わないで、門のところから帰るのを

「なぜ(帰ってしまうのですか)。」

と聞く人がいたので、

一緒に月を見ようと思って急いできたが、(それが目的なのだから、)必ずしも人に会おうと思うだろうか(いや、思わない)。

 
とだけ言って、とうとう帰ってしまった。
心が風流に執着している度合いは、このことで思い知ることができるだろう。

戴安道は剡県というところに住んでいた。
この王子猷の長年の友人である。
同じように心を澄ませている人でありました。

唐物語「王子猷、戴安道を訪ぬる語」の単語・語句解説

[情け深き人なりければ]
情趣に関心の深い人だったので。

[すさまじき夜]
荒涼とした夜。

[慰めがたくやおぼえけむ]
心を慰めがたく思われたのだろうか。

[道のほど]
道のり。

[本意ならずや思ひけむ]
不本意だと思ったのであろうか。

[月見むことこそ急ぎつれ]
月を見ようと思って急いで来たのだ。

[心のすきたるほどは]
心が風流に執着している度合いは。

[年ごろの友]
長年の友人。

*唐物語「王子猷、戴安道を訪ぬる語」でテストによく出る問題

○問題:「かく(*)」は何を指しているか。
答え:「もろともに月見むとこそ急ぎつれ」

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は唐物語でも有名な、「王子猷、戴安道を訪ぬる語」についてご紹介しました。

その他については下記の関連記事をご覧下さい。

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