日本のほぼ中央に位置し、「飛騨の山、美濃の水」といわれる程豊かな自然を抱える、岐阜県。
今回はそんな岐阜県にある伝統工芸品を一覧でまとめてご紹介します。
岐阜県の伝統工芸品
岐阜県の国指定伝統的工芸品を一覧でまとめてご紹介します。
美濃焼
岐阜県の多治見市、瑞浪市、恵那市、土岐市、可児市、可児郡御嵩町などで主に生産される伝統的工芸品、美濃焼(みのやき)。
日本で生産される陶磁器の50%以上のシェアを占めており、日本の代表的な焼物とされています。
【起源】
美濃焼は5世紀頃に作られていた須恵器をルーツとしています。
10世紀頃には白瓷(しらし)という灰釉の陶器を生産し、知名度が上昇しました。
16世紀には織田信長の経済政策によって職人の数が増え窯の規模も増大し、一大産地となりました。
【美濃焼の種類】
美濃焼は日本一の生産量を誇っています。
規模が大きい為工房や問屋が多く存在し、多種多様な製品が作られています。
伝統的工芸品として指定されているのは以下の15種類です。
- 志野
- 織部
- 黄瀬戸
- 青磁
- 瀬戸黒
- 赤絵
- 染付
- 粉引
- 天目
- 御深井
- 飴釉
- 美濃伊賀
- 美濃唐津
- 灰釉
- 鉄釉
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産地情報
名称 | 美濃焼伝統工芸品協同組合 |
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住所 | 〒509-5142 岐阜県土岐市泉町久尻1429-8 美濃焼伝統産業会館内 |
飛騨春慶
岐阜県で作られる伝統的工芸品、飛騨春慶(ひだしゅんけい)は、琥珀色が美しい漆器です。
【起源】
飛騨春慶の起源は16世紀の初め頃、宮大工の高橋喜左衛門がサワラの木目の美しさに惚れ、その木でハマグリ盆というお盆を作り、城主の嫡男である金森可重に献上したことに始まります。
その出来に感動した可重は漆工の成田三右衛門に漆を塗らせ、これが瀬戸焼の名品「飛春慶」に似ていたことから春慶塗と名づけられました。
【特徴】
飛騨春慶の特徴は、その美しい琥珀色と、うっすらと見える木目にあります。
周囲で豊富な木材が採れる地の利を活かし、良質な木材を用いて作られてきました。
その為、”透き漆”という技法を使って木目を活かした製品づくりが行われているのです。
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飛騨春慶で近頃人気なのは、弁当箱です。
ここでは弁当箱作りを元にその製法をご紹介します。
木地作り
弁当箱のように曲線の器を作る際にはまず、熱湯に漬けて柔らかくした木地を型に沿って曲げることから始まります。
一枚の板を輪っか状に曲げ、端と端に穴を開け、その穴同士をさくらカンバと呼ばれるヤマザクラの皮で編み込みます。
この皮は非常に丈夫で、何十年と経過しようとびくともしません。
塗り
出来上がった木地に、まずは下地塗りを施します。
そして、木地の色ムラを統一する為に、食紅・黄色などで色付けを行います。
この時の色が、出来上がりの琥珀色の元となっているのです。
色付けの後は、大豆を細かくして布巾でこした”豆シブ”を塗っていきます。
これは、木地の柔らかい部分に漆が過剰に入り込み黒くなるのをふせぐ為。
漆は大豆のたんぱく質と合わさると硬くなる性質があるので、奥まで染み込まないのです。
そして漆塗りを行います。
塗っては乾かし、塗っては乾かしを繰り返し、何層にも漆を重ねて丈夫にします。
そして乾燥させると、ようやく完成。
飛騨春慶の出来上がりです。
産地情報
名称 | 飛騨春慶連合協同組合 |
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住所 | 〒506-0844 岐阜県高山市上一之町6 (有)戸沢漆器内 |
一位一刀彫
岐阜県の高山市、飛騨市、下呂市で主に生産される伝統的工芸品、一位一刀彫(いちいいっとうぼり)。
職人の技術でノミで彫刻を施す一位一刀彫は、19世紀の初め頃から生産されていました。
材料にイチイを用いており、その美しい木目を活かした製品が作られます。
仕上げまで手彫りで行われ、彫り跡を残すのが特徴です。
産地情報
名称 | 飛騨一位一刀彫協同組合 |
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住所 | 〒506-0008 岐阜県高山市初田町1-2 鈴木彫刻内 |
美濃和紙
岐阜県美濃市で主に生産される伝統的工芸品、美濃和紙(みのわし)。
光を通すと美しい輝きを放つ和紙で、日本三大和紙の一つです。
美濃和紙の歴史は古く、少なくとも8世紀の初めには生産されていた記録が残っています。
正倉院に現存する日本最古の紙も美濃和紙が使用されています。
江戸時代には障子紙として利用されるようになり生産を拡大し、「美濃判」という規格になるほど代表的な和紙になりました。
美濃和紙は非常に薄いながらも丈夫ということで、障子紙としても利用されてきました。
漉きムラが少なく、日光に当たると白さが増すという特徴を持ちます。
産地情報
名称 | 美濃手すき和紙協同組合 |
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住所 | 〒501-3788 岐阜県美濃市蕨生1851-3 美濃和紙の里会館内 |
岐阜提灯
岐阜県で生産される伝統工芸品、岐阜提灯(ぎふちょうちん)。
長卵形の提灯に美しい絵付けが施されています。
1995年には経済産業省指定伝統的工芸品に指定されました。
【起源】
岐阜提灯は17世紀に藩への献上品として生産されていたのが始まりとされています。
産地情報
名称 | 岐阜提灯協同組合 |
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住所 | 〒500-8061 岐阜県岐阜市小熊町1-18 (株)オゼキ内 |
その他の伝統工芸品
経産大臣指定の伝統的工芸品以外も含めると、岐阜県には下記の伝統工芸品もあります。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は岐阜県の伝統工芸品を一覧でまとめてご紹介しました。
その他については下記の関連記事をご覧下さい。
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日本の伝統工芸品まとめ