百人一首を用いて行う、競技かるた。
読み手が上の句を読み上げたらそれに合う下の句を取るという競技です。
この競技かるたの世界を描いた漫画「ちはやふる」などの影響によって、競技人口も増え始めています。
今回は、再び脚光を集めている競技かるたの世界をご紹介します。
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競技かるたのルール
まず、競技かるたとは一体どのようなルールで行うのかをご紹介します。
競技かるたの基本ルール
まず百首の札を裏向きのまま混ぜて、両者が25枚ずつ取り、自陣に並べます。
自陣の札を取ったら1枚減り、敵陣の札を取ったら1枚相手へ送る事が出来ます。
そして自陣の札をゼロにした方が勝者となります。
使わない残り50枚の札は空札といい、空札が読まれたのに札に触れてしまうとお手付きになります。
競技規定
基本ルールは上記の通りですが、ここで全日本かるた協会が定める競技規程もご紹介しておきます。
第一条 競技方法
競技は、小倉百人一首かるたを用い、相対座する二人の競技者の間で行う。
各自、取札百枚のうちから無作為に選んだ二十五枚を持札とし、読手の読み上げる札(以下、出札という)を取り合うことにより、早く持札が無くなった者を勝者とする。
第二条 判定
取りやお手つきなどの判定は、原則として競技者間で決定する。
第三条 礼節
競技に際しては、互いに相手を尊重するとともに、礼節を重んじなければならない。
第四条 競技線
競技者は、その座した前方に、横八十七センチメートル、上中下段の間に各一センチメートルをあけて縦に札三枚が並ぶ範囲を定め、各々の陣とする。その各々の陣の外周の各辺を競技線とよぶ。
双方の陣の上段の間隔は三センチメートルとし、左右の競技線の延長線は一致させる。
第五条 持札の配置
競技者は、持札全てを表向きにし、文字を自己の方に向け、整然と各々の陣の任意の位置に並べる。ただし、上中下の各段にまたがって並べてはならない。
第六条 持札の移動
競技者は、持札を移動させる場合、その都度対戦者に通告しなければならない。
第七条 暗記時間
競技者が持札を並べた後、競技を開始する前に、十五分間の暗記時間をとる。
第八条 構え
競技者は、左右どちらか一方の手を札を取る手(以下、有効手という)と定め、上の句が読み始められるまでは、畳に接した状態で自陣の下段よりも手前に置いておかなければならず、頭は自陣の上段より対戦者側に出してはならない。
第九条 読み
読手は、読札百枚の中から無作為に選んだ札を一枚ずつ読み上げるが、同じ札を読み上げることはない。
第十条 取りの成立
出札が競技線内にあるうちに、対戦者より早く有効手で直接触った者が出札を取ったものとする。(札直接の取り)
また、共に札直接の取りではなかった場合でも、出札を完全に有効手で競技線外に押し出したときは、その札を取ったものとする。(札押しの取り)
第十一条 同時の取り
共に札直接の取りで、同時に出札に触れた場合は、出札を持札としていた者が取ったものとする。
第十二条 紛失時の取り
紛失したままになっていた持札が出札となった場合は、対戦者の取りとする。
第十三条 取りの無効
上の句が読み始められる前に有効手を競技線の中に入れるなど、妨害行為を行った場合は、その都度その取りを無効とし、対戦者の取りとする。
第十四条 お手つき
出札が無い方の陣の札を、その札が競技線内にあるときに有効手で触れた場合、これをお手つきとする。
第十五条 共お手つき
相手との接触によりお手つきをさせられた場合は、双方共にお手つきをしたものとする。
第十六条 送り札
対戦者の陣にある出札を取った場合、もしくは、対戦者がお手つきをした場合、自己の持札一枚を対戦
者に送ることができる。
また、出札が双方いずれの陣にもない時に、対戦者が両方の陣の札にお手つきをした場合は、二枚送ることができる。
第十七条 送り札の選定
送り札の選定は送る側の任意とする。但し、送り札から手を離した瞬間から送り札の変更はできない。
第十八条 禁止事項
読みが下の句の余韻に入ってからは、声を発したり畳を叩いたりしてはならない。
第十九条 附則
本規程に明文のない事項については、本規程の細則にてこれを定める。
平成二十年九月改定
その他競技規程細則や競技会規程など、競技関係の規定は全日本かるた協会のHPにて公開されていますので、チェックしておくと良いでしょう。
決まり字
百人一首のカルタは全部で100首なので、上の句の最初の何文字かを聞けば下の句を特定する事が出来ます。
これを決まり字といい、決まり字には1字〜6字までの長さがあります。
競技かるたでは相手よりも早く札を取る必要があるので、この決まり字の聞き分けが重要になってきます。
例えば百首ある歌のうち、”む”から始まる札は【村雨の露もまだ干ぬまきの葉に 霧立ちのぼる秋の夕暮】の一首しかないので、”む”と聞いた段階でこの札を取りに行く事が出来ます。
競技かるたの世界で勝ち抜くためには、決まり字を覚える事はとても重要です。
文字数別決まり字一覧
それではここで、百人一首の決まり字一覧を文字数別でご紹介します。
一字決まり/7首
70番歌 |
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さびしさにやどをたちいでてながむれば いづこもおなじあきのゆふぐれ |
18番歌 |
すみのえのきしによるなみよるさへや ゆめのかよひぢひとめよくらむ |
77番歌 |
せをはやみいはにせかるるたきがはの われてもすゑにあはむとぞおもふ |
22番歌 |
ふくからにあきのくさきのしをるれば むべやまかぜをあらしといふらむ |
81番歌 |
ほととぎすなきつるかたをながむれば ただありあけのつきぞのこれる |
87番歌 |
むらさめのつゆもまだひぬまきのはに きりたちのぼるあきのゆふぐれ |
57番歌 |
めぐりあひてみしやそれともわかぬまに くもがくれにしよはのつきかな |
ニ字決まり/42首
52番歌 |
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あけぬればくるるものとはしりながら なほうらめしきあさぼらけかな |
3番歌 |
あしびきのやまどりのをのしだりをの ながながしよをひとりかもねむ |
43番歌 |
あひみてののちのこころにくらぶれば むかしはものをおもはざりけり |
61番歌 |
いにしへのならのみやこのやへざくら けふここのへににほひぬるかな |
74番歌 |
うかりけるひとをはつせのやまおろしよ はげしかれとはいのらぬものを |
65番歌 |
うらみわびほさぬそでだにあるものを こひにくちなむなこそをしけれ |
5番歌 |
おくやまにもみぢふみわけなくしかの こゑきくときぞあきはかなしき |
26番歌 |
をぐらやまみねのもみぢばこころあらば いまひとたびのみゆきまたなむ |
72番歌 |
おとにきくたかしのはまのあだなみは かけじやそでのぬれもこそすれ |
82番歌 |
おもひわびさてもいのちはあるものを うきにたへぬはなみだなりけり |
51番歌 |
かくとだにえやはいぶきのさしもぐさ さしもしらじなもゆるおもひを |
6番歌 |
かささぎのわたせるはしにおくしもの しろきをみればよぞふけにける |
91番歌 |
きりぎりすなくやしもよのさむしろに ころもかたしきひとりかもねむ |
97番歌 |
こぬひとをまつほのうらのゆふなぎに やくやもしほのみもこがれつつ |
24番歌 |
このたびはぬさもとりあへずたむけやま もみぢのにしきかみのまにまに |
41番歌 |
こひすてふわがなはまだきたちにけり ひとしれずこそおもひそめしか |
10番歌 |
これやこのゆくもかへるもわかれては しるもしらぬもあふさかのせき |
40番歌 |
しのぶれどいろにいでにけりわがこひは ものやおもふとひとのとふまで |
37番歌 |
しらつゆにかぜのふきしくあきののは つらぬきとめぬたまぞちりける |
73番歌 |
たかさごのをのへのさくらさきにけり とやまのかすみたたずもあらなむ |
55番歌 |
たきのおとはたえてひさしくなりぬれど なこそながれてなほきこえけれ |
4番歌 |
たごのうらにうちいでてみればしろたへの ふじのたかねにゆきはふりつつ |
16番歌 |
たちわかれいなぱのやまのみねにおふる まつとしきかばいまかへりこむ |
89番歌 |
たまのをよたえなばたえねながらへば しのぶることのよわりもぞする |
34番歌 |
たれをかもしるひとにせむたかさごの まつもむかしのともならなくに |
17番歌 |
ちはやぶるかみよもきかずたつたがは からくれなゐにみづくくるとは |
23番歌 |
つきみればちぢにものこそかなしけれ わがみひとつのあきにはあらねど |
13番歌 |
つくばねのみねよりおつるみなのがは こひぞつもりてふちとなりぬる |
36番歌 |
なつのよはまだよひながらあけぬるを くものいづこにつきやどるらむ |
33番歌 |
ひさかたのひかりのどけきはるのひに しづこころなくはなのちるらむ |
90番歌 |
みせばやなをじまのあまのそでだにも ぬれにぞぬれしいろはかはらず |
14番歌 |
みちのくのしのぶもぢずりたれゆゑに みだれそめにしわれならなくに |
94番歌 |
みよしののやまのあきかぜさよふけて ふるさとさむくころもうつなり |
100番歌 |
ももしきやふるきのきばのしのぶにも なほあまりあるむかしなりけり |
66番歌 |
もろともにあはれとおもへやまざくら はなよりほかにしるひともなし |
59番歌 |
やすらはでねなましものをさよふけて かたぶくまでのつきをみしかな |
47番歌 |
やへむぐらしげれるやどのさびしきに ひとこそみえねあきはきにけり |
71番歌 |
ゆふさればかどたのいなばおとづれて あしのまろやにあきかぜぞふく |
46番歌 |
ゆらのとをわたるふなびとかぢをたえ ゆくへもしらぬこひのみちかな |
85番歌 |
よもすがらものおもふころはあけやらで ねやのひまさへつれなかりけり |
62番歌 |
よをこめてとりのそらねははかるとも よにあふさかのせきはゆるさじ |
20番歌 |
わびぬればいまはたおなじなにはなる みをつくしてもあはむとぞおもふ |
三字決まり/37首
79番歌 |
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あきかぜにたなびくくものたえまより もれいづるつきのかげのさやけさ |
1番歌 |
あきのたのかりほのいほのとまをあらみ わがころもではつゆにぬれつつ |
39番歌 |
あさぢふのをののしのはらしのぶれど あまりてなどかひとのこひしき |
78番歌 |
あはぢしまかよふちどりのなくこゑに いくよれざめぬすまのせきもり |
45番歌 |
あはれともいふべきひとはおもほえで みのいたづらになりぬべきかな |
44番歌 |
あふことのたえてしなくばなかなかに ひとをもみをもうらみざらまし |
12番歌 |
あまつかぜくものかよひぢふきとぢよ をとめのすがたしばしとどめむ |
7番歌 |
あまのはらふりさけみればかすがなる みかさのやまにいでしつきかも |
56番歌 |
あらざらむこのよのほかのおもひでに いまひとたびのあふこともがな |
69番歌 |
あらしふくみむろのやまのもみぢばは たつたのかはのにしきなりけり |
30番歌 |
ありあけのつれなくみえしわかれより あかつきばかりうきものはなし |
58番歌 |
ありまやまゐなのささはらかぜふけば いでそよひとをわすれやはする |
21番歌 |
いまこむといひしばかりにながつきの ありあけのつきをまちいでつるかな |
63番歌 |
いまはただおもひたえなむとばかりを ひとづてならでいふよしもがな |
60番歌 |
おほえやまいくののみちのとほければ まだふみもみずあまのはしだて |
95番歌 |
おほけなくうきよのたみにおほふかな わがたつそまにすみぞめのそで |
48番歌 |
かぜをいたみいはうつなみのおのれのみ くだけてものをおもふころかな |
98番歌 |
かぜそよぐならのをがはのゆふぐれは みそぎぞなつのしるしなりける |
80番歌 |
ながからむこころもしらずくろかみの みだれてけさはものをこそおもへ |
84番歌 |
ながらへばまたこのごろやしのばれむ うしとみしよぞいまはこひしき |
53番歌 |
なげきつつひとりぬるよのあくるまは いかにひさしきものとかはしる |
86番歌 |
なげけとてつきやはものをおもはする かこちがほなるわがなみだかな |
25番歌 |
なにしおはばあふさかやまのさねかづら ひとにしられでくるよしもがな |
96番歌 |
はなさそふあらしのにはのゆきならで ふりゆくものはわがみなりけり |
9番歌 |
はなのいろはうつりにけりないたづらに わがみよにふるながめせしまに |
2番歌 |
はるすぎてなつきにけらししろたへの ころもほすてふあまのかぐやま |
67番歌 |
はるのよのゆめばかりなるたまくらに かひなくたたむなこそをしけれ |
35番歌 |
ひとはいさこころもしらずふるさとは はなぞむかしのかににほひける |
99番歌 |
ひともをしひともうらめしあぢきなく よをおもふゆゑにものおもふみは |
49番歌 |
みかきもりゑじのたくひのよるはもえて ひるはきえつつものをこそおもへ |
27番歌 |
みかのはらわきてながるるいづみがは いつみきとてかこひしかるらむ |
32番歌 |
やまがはにかぜのかけたるしがらみは ながれもあへぬもみぢなりけり |
28番歌 |
やまざとはふゆぞさびしさまさりける ひとめもくさもかれぬとおもへば |
8番歌 |
わがいほはみやこのたつみしかぞすむ よをうぢやまとひとはいふなり |
92番歌 |
わがそではしほひにみえぬおきのいしの ひとこそしらねかわくまもなし |
38番歌 |
わすらるるみをばおもはずちかひてし ひとのいのちのをしくもあるかな |
54番歌 |
わすれじのゆくすゑまではかたければ けふをかぎりのいのちともがな |
四字決まり/6首
29番歌 |
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こころあてにをらばやをらむはつしもの おきまどはせるしらぎくのはな |
68番歌 |
こころにもあらでうきよにながらへば こひしかるべきよはのつきかな |
75番歌 |
ちぎりおきしさせもがつゆをいのちにて あはれことしのあきもいぬめり |
42番歌 |
ちぎりきなかたみにそでをしぼりつつ すゑのまつやまなみこさじとは |
88番歌 |
なにはえのあしのかりねのひとよゆゑ みをつくしてやこひわたるべき |
19番歌 |
なにはがたみじかきあしのふしのまも あはでこのよをすぐしてよとや |
五字決まり/2首
93番歌 |
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よのなかはつねにもがもななぎさこぐ あまのをぶねのつなでかなしも |
83番歌 |
よのなかよみちこそなけれおもひいる やまのおくにもしかぞなくなる |
六字決まり/6首
31番歌 |
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あさぼらけありあけのつきとみるまでに よしののさとにふれるしらゆき |
64番歌 |
あさぼらけうぢのかはぎりたえだえに あらはれわたるせぜのあじろぎ |
15番歌 |
きみがためはるののにいでてわかなつむ わがころもでにゆきはふりつつ |
50番歌 |
きみがためをしからざりしいのちさへ ながくもがなとおもひけるかな |
76番歌 |
わたのはらこぎいでてみればひさかたの くもゐにまがふおきつしらなみ |
11番歌 |
わたのはらやそしまかけてこぎいでぬと ひとにはつげよあまのつりぶね |