春の和歌一覧|季節が題材の歌|古今和歌集

桜の画像|四季の美|伝統工芸と文化の情報サイト
Sponsored

綺麗な花が咲き始める季節、春。
気分が明るくなる春は、古くから和歌の題材として詠まれてきました。

今回は四季の中でも”春”をテーマにした和歌を一覧でまとめてご紹介します。

Sponsored

春の和歌一覧

春を題材にした和歌を一覧でまとめてご紹介します。
(和歌は古今和歌集より選出しています。)

袖ひちてむすびし水のこほれるを
春立つ今日の風や解くらむ

紀貫之

【意味】
袖が濡れて、すくって飲んだ水が凍っていたのを、立春の今日の風が解かしているだろうか。

雪立ち木の芽もはるの雪降れば
花なき里も花ぞ散りける

紀貫之

【意味】
霞が立ち木の芽もふくらむ春になって、冬の名残の雪が降れば、まだ花の咲かぬ里も、花が散っているように見える。

春来ぬと人は言へども鶯の
鳴かぬ限りはあらじとぞ思ふ

壬生忠岑

【意味】
春が来たと人は言うけれども、鶯が鳴かない間はまだ春ではあるまいと思う。

春日野の若菜摘みにや白妙の
袖ふりはへて人の行くらむ

紀貫之

【意味】
春日野の若菜を摘みに行くのか、白妙の袖を振りながら人々はわざわざ出かけて行くようだ。

青柳の糸よりかくる春しもぞ
乱れて花のほころびにける

紀貫之

【意味】
青柳が糸を縒って掛けている春、そのような折も折、かえって糸が乱れて花も綻び開いたことだ。

浅緑糸よりかけて白露を
玉にも貫ける春の柳か

僧正遍昭

【意味】
浅緑色の糸を縒って掛けて、白露を玉として貫いている春の柳よ。

色よりも香こそあはれと思ほゆれ
誰が袖触れし宿の梅ぞも

読人知らず

【意味】
花の色よりも香の方が素晴らしいと思われる、いったい誰の袖が触れて、その移り香の薫るこの家の梅なのだろうか。

梅の花にほふ春べはくらぶ山
闇に越ゆれどしるくぞありける

紀貫之

【意味】
梅の花が香る春の頃には、暗いという名を持つくらぶ山を闇夜に越えても、かぐわしい香でその在り処がはっきりと知られることだ。

月夜にはそれとも見えず梅の花
香を尋ねてぞ知るべかりける

凡河内躬恒

【意味】
月夜には白い光にまぎれて、梅の花はそれと見分けがつかない。香りを探し求めていって、その在り処を知ることが出来るのだ。

山桜我が見に来れば春霞
峰にも尾にも立ち隠しつつ

読人知らず

【意味】
山桜の花を私が見に来ると、春霞が山にも山裾にもたなびいて花をずっと隠している。

世の中にたえて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし

在原業平

【意味】
この世の中にまったく桜というものが無いとするならば、春の人の気分はどれほどかのんびりとしたものだろうに。

見渡せば柳桜をこきまぜて
都ぞ春の錦なりける

素性法師

【意味】
眺め渡すと、柳と桜とをしごき取り、混ぜ合わせて、都は春の錦そのものの美しさだったよ。

久方の光のどけき春の日に
しづ心なく花の散るらむ

紀友則

【意味】
日の光がのどかな春の日に、どうして落ち着いた心もなく桜の花は散るのだろうか。

桜花咲きにけらしなあしひきの
山のかひより見ゆる白雲

紀貫之

【意味】
桜の花がどうやら咲いたらしい、山の谷あいから見える白雲は。

み吉野の山辺に咲ける桜花
雪かとのみぞあやまたれける

紀友則

【意味】
吉野山に咲いている桜の花は、まるで雪かとばかり見まがうことだ。

春雨の降るは涙か桜花
散るを惜しまぬ人しなければ

大伴黒主

【意味】
春雨の降るのは涙なのか、桜の花が散るのを惜しまない人は、誰一人としていないのだから。

桜花散りぬる風のなごりには
水なき空に波ぞ立ちける

紀貫之

【意味】
桜の花が散っていった風の名残には、水のない空に花びらの余波がたっていることだ。

濡れつつぞ強ひて折りつる年のうちに
春は幾日もあらじと思へば

在原業平

【意味】
雨に濡れながら無理に折った。今年のうちに春はもう何日もないだろうと思うので。

花の散ることやわびしき春霞
龍田の山の鶯の声

藤原後蔭

【意味】
花の散ることがつらくてたまらないのか、春霞が立っている龍田の山の鶯の鳴き声は。

蛙鳴く井手の山吹散りにけり
花の盛りに逢はましものを

読人知らず

【意味】
蛙の鳴く井手の山吹が散ってしまった。花の盛りに出逢いたかったのに。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は季節の中でも春を題材にした日本の和歌を一覧でまとめてご紹介しました。

その他については下記の関連記事をご覧下さい。

[関連記事]
夏の和歌一覧
秋の和歌一覧
冬の和歌一覧
古今和歌集の内容と解説、四季の歌一覧|古今集

参考/おすすめ書籍


タイトルとURLをコピーしました