清少納言(せいしょうなごん)といえば随筆文学の「枕草子」が有名ですが、数々の優れた和歌も残しています。
今回はそんな清少納言の主な和歌をピックアップして、原文と意味をご紹介したいと思います。
[関連記事]
清少納言の和歌朗読動画
枕草子の原文内容と現代語訳|清少納言の生涯
鴨長明の方丈記|無常観とは?内容解説|原文と現代語訳
徒然草の原文内容と現代語訳|兼好法師の生涯
古典作品一覧|日本を代表する主な古典文学まとめ
清少納言の有名な和歌一覧
清少納言の主な有名な和歌をピックアップしてご紹介します。
よに逢坂の関は許さじ
【意味】
夜の明けぬうちに、鳥の鳴き声を真似て関守を騙して通ろうとしたとて、函谷官の関守ならいざしらず、私との逢坂の関を通る事は許しませんよ。
風に枝折ると花を聞くかな
【意味】
あだっぽい言葉を交わすなど、まったく思いも寄りませんでしたのに、今あなたが女たちを残らずなびかせていると、まあ、花やかな噂を耳にしましたよ。
契らでつらき心なりせば
【意味】
身をわきまえずに一体誰が約束もしていない相手の薄情を恨んだりするでしょうか。(貴方に恨まれる筋合いはありません。)
また逢ひ見じと誓ひけるかな
【意味】
私は自分で自分の気持ちがわからずに、貴方とはもう二度と逢わないと約束をしてしまったのですよ。
尋ねぞ来たる鞍馬山まで
【意味】
貴方が恋しくてまだ夜深いうちに寺を出たら、なんと貴方が鞍馬山まで訪ねて来てくれたのですね。
空に嵐の吹くをこそ待て
【意味】
いつだろうかと、咲く盛りを楽しみにしている花の梢は、はるか手の届かないところ。それで私は、花を吹き寄せる嵐頼みという心境です。あてにせずに待つしかありません。
寄せて久しき海人のはし舟
【意味】
頼みの風が吹くだろうかと、貴方にお目にかかる機会が来るだろうかと、長い間お慕いして待ち続けている、切ない海人の小舟のような私です。
下はかくこそ思ひ乱るれ
【意味】
どうぞこれをご覧下さい。うわべは何事もなくて平気な様子の夏草も、その下の方はこのように色が変わり乱れているのです。(これが私の姿です。)
古りにし世のみ恋ひらるるかな
【意味】
世の中は新しく変わる気配もなく、私はただあの過ぎ去った懐かしい時代ばかりが恋しくてならない。
ところどころに降るぞわびしき
【意味】
まるで、風に吹かれて散る淡雪のようにはかなく心細く、皆があちらこちらに離れて暮らしている事こそ、本当にわびしいものです。
思ひあへぬは涙なりけり
【意味】
貴方に忘れられてしまっても仕方がないとわかっていながら、それでもこらえ切れないのはわが涙なのでした。
いづくと知りて出ずる涙ぞ
【意味】
つらいことのみ多いこの身をどうすることも出来ないのに、どこに行けばよいと知って、次々と流れ出てくる涙なのであろうか。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は清少納言の主な有名な和歌をピックアップしてご紹介しました。
その他については下記の関連記事を御覧下さい。
[関連記事]
清少納言の和歌朗読動画
枕草子の原文内容と現代語訳|清少納言の生涯
鴨長明の方丈記|無常観とは?内容解説|原文と現代語訳
徒然草の原文内容と現代語訳|兼好法師の生涯
古典作品一覧|日本を代表する主な古典文学まとめ